利用率14%弱…マイナ保険証は「推進」か「見直し」か 各党の公約は? 「一本化」目前でもトラブルやまず (original) (raw)

政府は、12月2日に現行の健康保険証の新規発行を停止し、保険証機能をマイナンバーカードに持たせる「マイナ保険証」に一本化する方針だ。準備段階では自治体や医療機関で事務的な問題が続発し、国民に移行への抵抗感が残る。与野党の衆院選公約では、健康保険証廃止の是非も対立軸になっており、有権者が投票先を決める上で重要な判断基準となる。(中根政人)

◆石破首相は「先送り検討」から一転、自民は「推進」

石破茂首相は自民党総裁選を控えた9月の時点で、健康保険証の廃止時期の先送り検討も必要との考えを示していたのに、首相就任後は主張を一変。今月7日の衆院代表質問では、マイナ保険証への一本化を「法に定められたスケジュールで進める」と明言した。

平将明デジタル相は記者会見で「急激な人口減少で加速度的に人手不足が進行する中、皆さんが満足できる社会保障のサービスを行うために不可欠」と指摘。マイナ保険証への一本化のメリットを強調する。

自民は公約で、健康保険証の廃止を前提に、マイナ保険証を含む「マイナンバーの利活用推進」を記載。「社会保障」「税」「災害」の3分野以外での情報連携も拡大するとした。公明党も、マイナ保険証への一本化に向けた取り組みを着実に進めるとした。

◆一本化に賛同した維新と国民民主 公約では触れず

健康保険証廃止とマイナカードへの一本化は2023年、マイナンバー法などの改正関連法の成立により決まった。関連法には自公両党のほか、日本維新の会や国民民主党も賛成した。維新と国民は健康保険証廃止を容認する立場だが、公約にはマイナ保険証への対応に関する具体的な記載はない。

維新は行政組織のデジタル化推進に向けたマイナンバーの徹底活用を主張。国民は緊急時の迅速な給付のためのマイナンバーと銀行口座のひも付けを掲げる。

◆立憲民主は「見直す」、共産は「押し付けをやめさせる」

一方、立憲民主党は公約に、健康保険証廃止の延期と当面の存続を明記。マイナンバー制度やマイナカードの在り方はプライバシー保護などの観点から「いったん立ち止まって見直す」とした。

共産...

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