美術館の特別展示を見に行くことは「不要不急の外出」になるのか (original) (raw)
(August 2021)
最近は 「外出する」 となると、
仕事に行くか
病院に行くか
美術館へ行くか…の3択に。
「不要不急」の外出を控えることで、人々の流動を抑え、
感染拡大を防止するために設定される、「緊急事態宣言」の期間。
非常事態だからこそ、自分も社会の一員だという意識を持ち、
独りよがりな行動は控えなければいけない…
このパンデミックが始まってからずっと、心の中にあった想いです。
(August 2021)
このブログのタイトルにもしているほど、
私にとっての生きる意味とは、「旅をすること」。
それくらい旅が好きで、いつからか
「旅をすること」 が生き甲斐になっていました。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
「旅」というほど広範囲の移動や冒険でなくても、
新しい場所へ行くときは、いつも新鮮な気持ちになれるから
初めての景色を見るのはいつだって楽しい。
行きたいところへ足を運ぶことが自由にできていた頃は、
そこへ行く理由なんて考える必要はなく、
「ただ行きたいから、行く」ということを繰り返していました。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
2020年の春から今までずっと、
「そこへ行くのは何のため?」「出掛ける理由は?」と考える中で、
まだ気持ちが定まらなくて、モヤモヤしていることがあります。
それは 「美術館に行くことは『不要不急の外出』になるのか」 ということ。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
「芸術品を見ること」は
食材を買うこと、薬をもらうことのような、
「生活に必要不可欠なこと」とは言えないと思います。
実際に、作品を見なければ死んでしまう…なんてことは起こらないし、
見る機会を失っても、生きていくうえで困ることはそうそう起きないはず。
「生活に今すぐ必要なもの」でないのなら、
それは「不要不急」になってしまうのでしょうか…。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
美術館・博物館に行くという行動が、
「不要不急の外出に当てはまること」だと思う人は
少なくないのかもしれません。
しかし、特別展示の場合、
その作品を見られる期間は決まっています。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
海外から日本へ一時的に取り寄せられている作品や、
国宝の芸術品は一般公開できる期間も定められているため、
その機会を逃せば 「一生見られなくなるかもしれない」 ということも実際に起こりうる…
次に出会える機会がいつになるのかわからないため、
どうしても会期中に足を運びたくなってしまうのです。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
やっぱりアートは心・生活を豊かにしてくれるもの。
住む場所や、時には時代までも超えて、
作者からのメッセージをいつでもダイレクトに受け取れるもの。
作品を見ることでひらめきを得たり、感情を揺さぶられることがあったり。
言葉が通じなくても、作り手からのメッセージが直接心に響く。
見た後もずっと記憶に残る作品もありますよね。
綺麗なものはただ存在しているだけで美しいし、
深く考えさせられるような作品もあります。
どんな作品であっても、すべて何かしらの意図があって作られたもの。
美術館・博物館は芸術家と私たちを繋げてくれる大切な場所、
これからも人が守っていかなければいけない、特別な場所だと思います。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
私は 2021年の 3月に
約2年間滞在していたイギリスのマンチェスターから帰国、
翌月 4月から大阪の博物館で働き始めました。
働き始めて早々、3度目の緊急事態宣言のため
4月下旬から 6月下旬までの間、臨時休館となりました。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
私の勤務先だけでなく、大阪及び緊急事態宣言下にあった場所の
ほとんどの施設が一時的に閉館することに…。
(それでもときどき出勤する機会をいただき、完全に自宅待機というわけではありませんでした。)
一部のお店やカフェなどの飲食店は営業しているところもあったものの、
イギリスで経験したロックダウンに近いような状態だと感じていました。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
4度目の緊急事態宣言中の現在は、今のところ閉館する様子はありません。
ただ、これから先(秋や冬に今よりも厳しい感染状況に陥った場合)も
通常の営業時間で開館し続けるのかどうかはまだわかりません。
他の美術館・博物館も、
一時的にまた閉館する可能性もゼロではないはずです。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
この記事に掲載している写真についてですが、
先日訪れた、西宮市大谷記念美術館のお庭で撮影したものです。
西宮市大谷記念美術館では、8月21日 (土) から
特別展示 『2021 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』 が行われています。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
『イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』は、
西宮市大谷記念美術館で毎年恒例の展覧会として、
1978年から開催されています。
(昨年2020年は新型コロナウイルスの影響により、開催は中止となりました。)
1964年から続く、世界で唯一の子どもの本専門の国際見本市、
「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」
5点 1組のイラストを用意すれば誰でも応募できる公募展で、
絵本の専門家である審査員たちによって、
すでに絵本として発表された作品も未発表のものも全て公平に審査されます。
このコンクールで入選した作品を紹介するための展示が
「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」です。
ボローニャの見本市事務局では新たな試みとして、
オンラインでのコンクールの審査を行い、見本市もオンライン開催されました。
今年、イタリアでは叶わなかった入選作の原画展示が
現在、西宮市大谷記念美術館で行われています。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
会期は 9月26日 (日) までのため、
4度目の緊急事態宣言が終了した後でも訪れることはできたのですが…
期間が延長になるかもしれない、急にまた臨時休館になると怖いと感じ、
今年行われる展示の中でもどうしても観たいと思う1つだったため、
先日お休みの日に一人で訪れました。
(通勤定期のおかげで家から片道270円、1時間程度で着きました。)
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
ルールを厳格に守っている人からすると、
「こんな時期に呑気にお出かけして…」と思われるかもしれません。
でもすみません、それでもどうしても見たかったのです。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
自分の行動を少しでも正当化したかったからなのか、
(別に誰かから咎められたわけではないのですが)
誰かに何か言い訳をしたかったからなのか、
こんな気持ちを形にすることに意味があるのかどうかわかりませんが、
とりあえず今、緊急事態宣言下ではありますが、
大好きな美術館・博物館に行くことに対して
考えていることを書き残したくなったので、こうして現在の心境を言葉にしてみました。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
何が正解なのかわからなくて迷うこともありますが、
美術館・博物館の魅力をお届けしたい、
読んでくださっている人が近くに住んでいなかったとしても、
記事を通して展示やアーティストを調べるきっかけになったり、
何かのインスピレーションに繋がったり、
少しでもプラスに働くことができれば…と願いを込めて、
今後も美術館・博物館に関連する内容の情報も発信し続けたいなと思っています。
西宮市大谷記念美術館(August 2021)
まずは、西宮市大谷記念美術館の特別展示の内容をまとめていきたいです。
↺ 2021/09/02
【イタリア・ボローニャ国際絵本原画展】の記事をアップしました☟
イギリスの旅記録もまだまだ形にできていないものがたくさんあるので、
それも今年中に終わらせたいなと思っております。
いつも記事を読んでくださっている方、
何かのご縁でこの記事に辿り着いてくださった方、
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
また何かの機会に再会できますように…。
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