日経スペシャル ガイアの夜明け : テレビ東京 (original) (raw)

日経スペシャル「ガイアの夜明け」 10月9日放送 第284回

マネー動乱 ~サブプライムショックの真相~

8月中旬、世界の市場を不安の連鎖が襲った。東京株式市場は874円の大暴落。その後も世界の市場は乱高下を繰り返し、動揺は収まらなかった。株安と同時に進行した急激な円高で、主婦トレーダーは大きな損害を被り、180億円を動かすカリスマ個人投資家は言葉を失った。今回の世界マネー動乱の元は、アメリカの低所得者向け住宅ローンの破たん。それにしてもなぜ海の向こうの住宅ローンの問題が、こうも世界経済を混乱させ、日本の家計にまで影響を及ぼすのか…。個人投資家、欧米金融機関などを取材しサブプライムショックを検証するともに、問題の震源地アメリカを現地ルポ、さらには、次の投資先へと動き出した人たちを追い、今後の世界経済の行方、そして私たちの生活への影響を探る。

「少しの元手で儲かる」と今、主婦たちの間で人気となっている投資が為替取引。家事を終えた後に、世界の為替市場をにらみながら外貨取引をする。そんな主婦トレーダーのシンボル的存在なのが、東京に住む主婦たち40人が集まる「FX美女の会」。中心メンバーは、主婦向けの指南本まで出版した鳥居万友美さん。子育ての合間にプロ顔負けの売買を展開して、毎月100万円も稼いでいる。8月、そんな鳥居さんのブログにも悲鳴が溢れていた。「主人に内緒で600万円失った」、「貯金を使い果たした」、「1500万円の損」、・・・大和総研によれば、今回の円高による個人投資家の損失は3000億円~4000億円にも及ぶという。子供に良い教育を受けさせたい、住宅ローンを早く返したい、老後の不安を解消したい、でも、働きにでることができない・・・と、子育てママがヘソクリで始めた為替取引。サブプライムショックに翻弄される日本の家計の行方は…。

世界金融を不安の連鎖に陥れたのが、アメリカのサブプライムローン。信用力の低い個人向けの住宅ローンで、金利は高い。住宅バブルの波に乗ってこのローンを組んだ人が多く、住宅価格が頭打ちとなった今、返せなくなっているのだ。どこまで、この問題が深刻なのか…、震源地ともいえるロサンゼルスの近郊、通称“サブプライム通り”を取材した。
アフリカ系アメリカ人のシャーレーンさん(34歳)は今年6月、自宅の競売通知を受け取った。月に2400ドルだったローンが、3800ドルに跳ね上がって返済が滞ってしまったためだ。「家を持つことはアメリカンドリーム。その夢を手にしたかっただけ。今は、食べ物も満足に買えないし、車に乗ろうとしてもガス代も払えない。こんなことってあり得ない」と悲嘆に暮れている。
それにしても、なぜシャーレーンさんのようなアメリカの一住民のローン返済の滞りが、世界金融不安を引き起こしたのか…?ローン会社、金融機関などを取材し、リスクが世界に拡散されたカラクリを明らかにする。

世界の株式市場が乱高下を続ける一方で、右肩上がりの高騰を続けているのが、金や原油といった商品市場。株への不安から余剰資金が流れ込んでいるのだ。
そして、このような時代が来ると読み、世界を舞台に金投資に挑戦する日本人がいた。金鉱山会社「ジパング」社長の松藤民輔さん。国内および外資系の証券会社に長く勤めたが、「これからは“金”の現物取引の時代が始まる」と判断して独立。2年前にはアメリカの金山を買収した。松藤さんは「日本人が“金”を保有することで、アメリカ中心の金融市場から、世界の主役は日本にとって変わる」と独特の信念を語る。松藤さんの金投資ビジネスに迫り、今後のマネーの流れを読む。