くにさき七島藺表とは - わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/21 07:36 UTC 版)
くにさき七島藺表(くにさきしちとういおもて[1])は、七島藺(シチトウ)を原材料として大分県国東市で生産される畳表である。2016年(平成28年)12月7日に地理的表示に登録されている[2][3]。
目次
概要
七島藺で作った畳表は、藺草(イグサ)のものの5-6倍の強度を持ち、かつては柔道場の畳や劇場の桟敷などで用いられていた。しかし、高度成長期以降に需要が減少し、現在では大分県の国東半島にある国東市及び杵築市が七島藺の日本で唯一の産地となっている。七島藺で作った畳表は、希少価値もあって、国産の藺草で作った畳表の数倍の価格で取引されている[1]。
国東市の七島藺産地は、2011年度(平成23年度)に「国東地域七島い圃」として文化庁のふるさと文化財の森に設定されている[4][5]。
歴史
七島藺は、江戸時代の1660年頃から豊後国(現在の大分県)の府内藩、日出藩、杵築藩で栽培が行われており、以来、昭和に至るまで特産品として全国に販売されていた。ピーク時の生産量は500万畳を超え、日本一であった[5]。
しかし、栽培のしやすさや織機による自動化のために、畳表の原材料は七島藺から藺草に移行した上、生活環境の変化から畳自体の需要も減少し、七島藺表の生産は衰退[5]。現在では、国東市及び杵築市で約10戸が合計約1ヘクタールを生産するのみとなり[1]、七島藺表の生産量も年間3,000枚弱にとどまっている[5]。
近年、七島藺表の畳は琉球畳として再び注目を浴びるようになり、消費者の間での自然志向や本物志向の高まりや、中国産琉球畳表への不信もあって、需要は大幅に増加している。しかし、生産者の高齢化や機械化の遅れなどにより、十分に対応できていないのが現状である[5]。
脚注
- ^ a b c 国の地域ブランド保護制度に「くにさき七島藺表」登録 大分合同新聞、2016年12月7日
- ^ 登録の公示(登録番号第22号) 農林水産省食料産業局知的財産課
- ^ くにさき七島藺表が地域ブランドとして認められる 国東市、2016年12月26日
- ^ 「ふるさと文化財の森」設定地一覧 文化庁
- ^ a b c d e 振興会の取組み くにさき七島藺(七島イ)振興会
外部リンク
- くにさき七島藺(七島イ)振興会
- くにさき七島藺振興会 - Facebook
- 七島藺(しちとうい)とは 杵築市
- 杵築七島いの歴史 杵築市
- くにさき七島藺表(登録番号第22号):登録の公示・登録産品紹介 - 農林水産省地理的表示(GI)保護制度登録産品
表話編歴日本の地理的表示保護制度(GI)登録産品 | |
---|---|
特定農林水産物等 | 北海道 夕張メロン 4 十勝川西長いも 21 今金男しゃく 86 檜山海参 92 東北青森県 あおもりカシス 1 十三湖産大和しじみ 23 小川原湖産大和しじみ 52 つるたスチューベン 75 大鰐温泉もやし 90 岩手県 前沢牛 28 岩手野田村荒海ホタテ 47 岩手木炭 66 二子さといも 68 浄法寺漆 73 宮城県 みやぎサーモン 31 岩出山凍り豆腐 65 秋田県 大館とんぶり 32 ひばり野オクラ 51 松館しぼり大根 60 いぶりがっこ 79 大竹いちじく 93 山形県 米沢牛 26 東根さくらんぼ 30 山形セルリー 62 小笹うるい 76 福島県 南郷トマト 63 関東茨城県 江戸崎かぼちゃ 6 飯沼栗 38 水戸の柔甘ねぎ 59 奥久慈しゃも 71 栃木県 新里ねぎ 35 東京都 東京しゃも 77 中部新潟県 くろさき茶豆 29 津南の雪下にんじん 81 富山県 入善ジャンボ西瓜 53 石川県 加賀丸いも 17 能登志賀ころ柿 20 福井県 吉川ナス 14 谷田部ねぎ 15 山内かぶら 16 上庄さといも 43 若狭小浜小鯛ささ漬 45 越前がに 69 長野県 市田柿 13 すんき 34 岐阜県 奥飛騨山之村寒干し大根 48 堂上蜂屋柿 50 静岡県 三島馬鈴薯 18 田子の浦しらす 36 愛知県 |
酒類 | 蒸留酒 壱岐 球磨 薩摩 琉球 清酒 灘五郷 日本酒 白山 はりま 山形 ぶどう酒 北海道 山梨 |