エアバスA220とは - わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

この記事は更新が必要とされています。この記事には古い情報が掲載されています。編集の際に新しい情報を記事に反映させてください。反映後、このタグは除去してください。(2024年12月)

エアバスA220
(ボンバルディア Cシリーズ)

エアバスA220(Airbus A220)は、ボンバルディア・エアロスペース社でボンバルディア Cシリーズとして開発された、近・中距離向け商業旅客機である。2018年7月10日、エアバスがボンバルディアと提携、Cシリーズをエアバスのラインナップに加えると発表した。これに伴い名称をエアバスA220とした[1]2020年10月、エアバス傘下のエアバス コーポレートジェット(ACJ)によるビジネスジェット仕様が発表された[2]

なお、証明書類によれば、エアバスA220はボンバルディア BD-500 (-100は-1A10、-300は-1A11)として登録される。

沿革

2004年7月、開発が計画されたものの、ローンチカスタマーが現れず、2006年1月に計画は凍結となった。

その後、2008年7月ファーンボロー航空ショーにおいて、「Cシリーズ」の名で正式に開発が行われると発表された。ローンチカスタマールフトハンザ・ドイツ航空で、確定30機、オプション30機が発注された。

ダンピング問題

2017年、ボーイング社は、Cシリーズがカナダ政府の補助金によって不当に安い価格で販売されているとして、アメリカ政府にアンチ・ダンピング関税措置を課すように主張。これに対しトルドー首相は、ボーイング社が係争を撤回しない場合には、購入予定のボーイング社製の戦闘機F-18 スーパーホーネットを購入しないことを表明している[5]

機体の特徴

エンジンはプラット・アンド・ホイットニー社が開発しているGTF(ギヤード・ターボファン・エンジン)PW1000Gシリーズ(PW1519G、PW1521G、PW1524G)が搭載される。

また、ボンバルディア・エアロスペース社が中国で開発されたARJ21の開発に協力していた関係で、Cシリーズとの共通性を高めることも明らかにされている。

機体の操縦方式は操縦桿に代わり、エアバスA320シリーズと同様のサイドステックを採用した。客室内径は3.28mを確保し、1列あたりの座席数はエコノミークラスの場合、リージョナル機(1列4席)とA320(同6席)の間となる、左2席-右3席の5席配列を採用することができる。単通路(ナローボディ)機ながら通路は20インチあり、客室乗務員や乗客が移動しやすくなるなど、客室居住性の向上が図られている[6]

シリーズ構成

前述の通りCS100はA220-100に、CS300はA220-300に名称変更となった。ボンバルディアCシリーズ時代の機種としては、以下のように構成される。

CS100

110人乗りの標準タイプ。

CS100ER

CS100の航続距離延長型。

CS300

130人乗りの標準タイプ。

CS300ER

CS300の航続距離延長型。

CS300XT

CS300の離着陸性能強化版

運用の状況・特徴

2019年2月28日現在、60機が営業で運用されている[7]

各型の受注機数(2016年12月8日現在)

CS100 CS300 合計受注機数
123 237 360

過去のユーザー

発注企業別については英語版

仕様

CS100 CS100ER CS300 CS300XT CS300ER
乗客 125人 (1-クラス, 最大) 110人 (1-クラス, 標準) 100人 (2-クラス, 混合) 145人 (1-クラス, 最大) 130人 (1-クラス, 標準) 120人 (2-クラス, 混合)
座席間隔 30 in (76 cm) (1-クラス, 最大) 32 in (81 cm) (1-クラス, 標準) 36 in (91 cm) & 32 in (81 cm) (2-クラス, 混合)
座席幅 19 in (48 cm)
乗員 2名 (機長, 副操縦士)
全長 34.9 m (115 ft) 38.0 m (124.7 ft)
翼幅 35.1 m (115 ft)
翼面積 (ネット値) 112.3 m2 (1,209 sq ft)
全高 11.5 m (38 ft)
客室幅 3.27メートル (129 in)
客室高 2.13メートル (84 in)
胴体最大直径 3.7 m (12 ft)
最大離陸重量 54,931 kg (121,102 lb) 58,151 kg (128,201 lb) 59,557 kg (131,301 lb) 63,095 kg (139,101 lb)
最大着陸重量 50,576 kg (111,501 lb) 55,339 kg (122,002 lb)
貨物容積 23.2 m3 (820 cu ft) 30 m3 (1,100 cu ft)
最大航続距離 4,074 km (2,200 nmi) 5,463 km (2,950 nmi) 4,074 km (2,200 nmi) 5,463 km (2,950 nmi)
最大巡航速度 マッハ 0.82 (870 km/h, 470 kn, 541 mph)
巡航速度 マッハ 0.78 (828 km/h, 447 kn, 514 mph)
最大着陸重量での離陸距離 1,509 m (4,951 ft) 1,902 m (6,240 ft) 1,661 m (5,449 ft) 1,890 m (6,200 ft)
着陸距離 1,350 m (4,430 ft) 1,448 m (4,751 ft)
巡航高度 12,497 m (41,001 ft)
エンジン及び推力 PW1519G x 2 /84.1 kN (18,900 lbf) PW1521G x 2 /93.4 kN (21,000 lbf) PW1524G x 2 /103.6 kN (23,300 lbf) PW1521G x 2 /93.4 kN (21,000 lbf) PW1524G x 2 /103.6 kN (23,300 lbf)

脚注

  1. ^ a bエアバス、A220を披露 CシリーズをA220-100とA220-300に改名、エアバスファミリーに”. エアバス (2018年7月10日). 2018年7月17日閲覧。
  2. ^ a b「超デカイビジネスジェット」デビュー!? エアバスが発表の新モデル その全容とは…”. 乗りものニュース (2020年10月7日). 2020年10月9日閲覧。
  3. ^ Bombardier Delivers First C Series Aircraft to Launch Operator SWISS
  4. ^米ジェットブルー、エアバス「A220」60機を発注 6000億円規模”. 日刊工業新聞 (2018年7月11日). 2018年7月11日閲覧。
  5. ^ “加首相:ボーイング戦闘機購入中止も、ボンバルディアとの係争続けば”. bloomberg. (2017年9月19日). https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-09-19/OWIIBL6S972801
  6. ^ “2席+3席でゆとりある客室 写真特集・A220-300お披露目”. Aviation Wire. (2018年7月15日). https://www.aviationwire.jp/archives/151229
  7. ^Bombardier BD-500 CSeries Production List” (英語). www.planespotters.net. 2018年7月17日閲覧。
  8. ^ Bombardier CSeries page

関連項目

外部リンク

エアバス・グループの航空機
民間機 固定翼機 A220 A300 A300-600 ベルーガ A310 A320ファミリー A318 A319 A320 A321 A320neo A330 A330neo ベルーガ XL A340 A350 XWB A380 エアバス コーポレートジェット E-Fan(英語版)† E-Fan X(英語版)† NSRヘリコプター BK 117 EC120 (H120) EC 130 (H130)(英語版EC135 (H135) EC145 (H145) EC155 (H155) H160 EC175 (H175) EC225 (H225) AS332 (H215) AS350 (H125)/AS355 SA/AS365 X3
軍用機 固定翼機 A310 MRTT CC-150 Polaris A330 MRTT A400M CN-235 C-295 HC-144(英語版MakoKC-45ユーロファイター タイフーン ヘリコプター AS532 AS550 (H125M)/AS555 AS565 EC635 (H135M) EC645 (H145M) EC665 EC725 (H225M) HH/MH-65 NH90 UH-72
系列会社 エアバス エアバス・ディフェンス・アンド・スペース エアバス・ヘリコプターズ
†:実験機、構想機、開発中または開発中止になった機体 Portal:航空