「ゼラニウムの花言葉」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
ゼラニウムの花言葉には「尊敬」「信頼」「真の友情」などがある。
ゼラニウム花言葉の由来
花言葉の「真の友情」はゼラニウムの形状に由来している。ゼラニウムは中心に寄り添う形で花を咲かせるため、その様を強い絆で結ばれた親友の姿に当てはめて花言葉が生まれたとされている。
西洋では「育ちの良さ」「上流気取り」などの花言葉がある。欧州、特にイギリスでは古くからゼラニウムが身近な花として親しまれていた。貴族や豪商などの富裕層の間ではゼラニウムの品種改良が流行し、自分だけのゼラニウムを持つことがステータスだった。品種改良には多額の費用と手間がかかることから金と暇を持て余した富裕層の道楽と揶揄されることもあり、そこから「上流気取り」の花言葉が生まれたとされている。「育ちの良さ」も貴族のお姫様など上流階級の女性に好まれたことから来ているが、乾燥に強く少量の水でも綺麗な花を咲かせるゼラニウムの気高さが由来という説もある。
ゼラニウムには「恋煩い」「器用」「思い出させる」「圧制」など様々な意味の花言葉がある。花言葉の数が多く、種類が多岐にわたるのはゼラニウムが欧州で流行した当時、花言葉を命名することも流行していたためである。新しい品種が出回る度に多くの人が自分流の花言葉を作っていた。そのため、ゼラニウムの花言葉が必ずしも色のイメージと合致しているとは限らない。一つの色に数多くの花言葉がつけられているのがゼラニウムならではの特徴である。
ゼラニウムは南アフリカ原産の植物で、本来は温暖な環境を好む。寒さに強いわけではないが、生命力の強さから冷涼な気候である欧州でも栽培が可能であった。他の植物が枯れてしまう低温の環境でもゼラニウムは瑞々しい花を咲かせたことから、生命力の強さを称える意味として「尊敬」「信頼」などの花言葉が用いられるようになったと言われている。
ゼラニウムの花言葉である「尊敬」「信頼」はイスラム教のエピソードが由来と言われている。イスラム教の開祖であるマホメットが自分の衣服を洗濯し、乾かすために植物の枝に引っかけた。衣服が乾いたので取り込もうとすると、引っかけていた部分に鮮やかな赤色の花が咲き、今まで嗅いだことがない強い香りを放っていた。この花がゼラニウムであり、神がマホメットの働きを称える意味で咲かせたとされている。マホメットは神に称えられるほど優れた人物であることを示すエピソードであり、「尊敬」「信頼」の花言葉となった。
黄色のゼラニウムには「予期せぬ出会い」という花言葉がある。キリスト教が広まっている地域では黄色を嘘や裏切りなどの意味を持つ卑しい色と見なす風潮があるが、これはキリストを裏切ったユダの衣服が黄色だったことに由来している。キリストの立場から見れば、もっとも信頼している弟子の一員だったユダが自分を裏切ったことは非常に大きな驚きであった。また、ユダの裏切りによって自分の命を奪うユダヤ教の有力者と出会うことにもなった。黄色のゼラニウムの花言葉が「予期せぬ出会い」なのは、黄色の衣服を着たユダの裏切りによって自分を敵視する者と出会ったキリストに準えているためと言われている。
ゼラニウムの英語の花言葉
ゼラニウムの英語の花言葉は「true friendship(真の友情)」「stupidity(愚かさ)」「gentility(育ちの良さ、上流気取り)」などがある。英語の花言葉は欧州全体で広く知られているが、その多くがイギリス発祥である。イギリスでは古くからゼラニウムの品種改良が盛んであり、様々な品種が作られていた。それに伴い花言葉も様々な内容が作られ、欧州全体に広まったのである。
赤色のゼラニウムには「protection(保護)」「preference(優先)」の花言葉がある。赤色のゼラニウムは人気が高く、花屋ではすぐに売り切れてしまうことも珍しくなかった。赤色のゼラニウム欲しさに鉢植えを盗んだり畑を荒らすなどのトラブルも多発し、そこから「保護」「優先」の花言葉が生まれたとされている。
ゼラニウム色別の花言葉の解説
ゼラニウムの花は様々な色があり、それぞれの色に異なる意味の花言葉がある。赤色は「あなたがいて幸せ」、桃色なら「決心、決意」が花言葉である。黄色の花には「予期せぬ出会い」という花言葉がある。
ゼラニウム本数別の花言葉の解説
ゼラニウムには本数による固有の花言葉は存在しない。種類を問わず、一般的な花言葉として50本以上の花束には「あなたを永遠に愛します」など愛の告白を意味する花言葉が用いられている。ゼラニウムの花束も愛の告白の意味を持つ花言葉が当てはまるが、白いゼラニウムには「あなたの愛を信じない」という花言葉があるので花束には適していない。「あなたがいて幸せ」の花言葉を持つ赤色のゼラニウムが花束に相応しいとされている。墓前に供えてもマナー違反ではないが、ゼラニウムは特有の青臭さがあるので本数には注意する必要がある。故人を偲ぶ際は10本以下の本数に留め、「思いやりに感謝します」「あなたを尊敬します」などの花言葉に該当させるのが望ましい。
ゼラニウムの怖い花言葉
ゼラニウムは花の色によって花言葉が異なるが、中には怖い意味の花言葉も存在する。深紅のゼラニウムの花言葉は「憂鬱」だが、これは黒に近い暗色系の紅色が暗い気持ちをイメージしている他、ゼラニウム特有の青臭い匂いが由来になっている。ゼラニウムの青臭さは不快に感じられることから「憂鬱」の花言葉が生まれた。白いゼラニウムには「あなたの愛を信じない」という花言葉がある。白色は純潔や無垢の象徴である一方、一切の約束事を帳消しにする、しがらみを断つなどの意味もある。そこから転じて愛情への不信、すなわち「あなたの愛を信じない」という花言葉になったとされている。
また、西洋では白いゼラニウムに「優柔不断」の花言葉を当てはめることもあるが、これは白色が他の色に染まりやすいことが由来になっている。同じ色の花でも日本と西洋では花言葉が違う意味になるのは珍しいことではなく、ゼラニウムも例外ではない。桃色のゼラニウムは日本では「決心、決意」が花言葉だが、西洋では「疑い、疑惑」などネガティブな意味になる。桃色は赤色と白色の中間色であり、どちらの色にも似ていながら実際は異なる色であることから、真実が分からない、本当かどうか疑わしいなどのイメージがある。「疑い、疑惑」の花言葉は桃色が持つネガティブなイメージが由来だ。ゼラニウムの全般的な花言葉である「愚かさ」は綺麗な見た目と不快な青臭さのギャップから来ている。
ゼラニウムは富裕層の間で流行し、新しい品種を作ろうと大金を費やし、困窮する者も少なくなかった。長く続いた名家がゼラニウムの品種改良で財政難に陥り、遂には破産する事態を揶揄する意味で「愚かさ」の花言葉が誕生したという説がある。ゼラニウムの花は可憐で美しく、幻想的な雰囲気もあることから仕事も勉強も放り投げて夢中になってしまう人もいた。花の美しさに現を抜かす様から「愚かさ」の花言葉を当てはめたとも言われている。人の心を惑わせるほどの美しさを持つゼラニウムだが、所詮は植物の一種に過ぎず、その植物に振り回されるのは愚かであるという侮蔑の意味が込められている。