読み方:りょうかみさん埼玉県西部、秩父市大滝地区と秩父郡小鹿野(おがの)町の境界にある山のこと。Weblio国語辞典では「両神山」の意味や使い方、用例、類似表現などを解説しています。">

両神山とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

両神山
標高 1,723 m
所在地 日本埼玉県秩父郡小鹿野町秩父市
位置 北緯36度01分24秒 東経138度50分29秒 / 北緯36.02333度 東経138.84139度 / 36.02333; 138.84139座標: 北緯36度01分24秒 東経138度50分29秒 / 北緯36.02333度 東経138.84139度 / 36.02333; 138.84139
山系 秩父山地奥秩父山地
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プロジェクト 山
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両神山周辺の地形図。両神山は画像の中心

両神山(りょうかみさん)は埼玉県秩父郡小鹿野町秩父市の境目にある奥秩父山塊の北部にあり、標高は1,723 m日本百名山の一つ。山岳信仰霊峰であり、両神山、三峰山武甲山をあわせて「秩父三山」という[1]

概要

山名は、イザナギイザナミを祀っていることから両神と呼ぶという説[2]、日本武尊の東征のおりこの山を八日間見ながら通過していったので八日見山と名づけられた説[2]、「龍神を祭る山」が転じて両神山となったという説など、諸説ある。

古くからの信仰の山であり、表登山道とされる東面の日向大谷からの道には、数多くの石仏、石碑、丁目石が残されている。浦島からの登山道にも興味深い石仏が残されているが、今は廃道となっている。北麓の尾ノ内には龍頭神社があり、尾ノ内沢沿いに八丁尾根上の奥宮まで登拝路があるが、今では荒れていて危険である。山中、山麓の神社では、通常の狛犬の位置に山犬すなわち狼の石像が置かれている。狼を神の使いとする三峰神社の影響が窺われる。

地質学的には、両神山の多くの部分はチャート(SiO2 、水晶と同じ)成分で形成されている。チャートは数億年前に海底に沈んだプランクトン放散虫)の化石からできたもので、よりも硬い(硬度7)。

4月下旬から5月中旬、山頂一帯にアカヤシオが咲く。自然林が多く残され、紅葉が美しいことでも知られている。

八丁峠から登るコースは、鎖場の名所として有名。滑落者が埼玉県最多のコースでもある[3]。また、以前は旧両神村の白井差集落方面の登山道が山頂までの最短ルートであったが、行政(両神村埼玉県庁環境庁)と地権者との相続税に関する見解の相違からトラブルとなり、2000年4月頃に地権者によって登山道がバリケードで封鎖された[4]。その後、2000年10月に行政上は廃道となり、道標なども何者かにより破壊されている。現在は日向大谷からの登山道がメインルートとなっている。

歴史

いずれも東面の、日向大谷の両神神社(観蔵院)と浦島の両神御嶽神社(金剛院)の2院を主要拠点として、修験道が展開されてきた。金剛院の古文書では1679年の御教書、観蔵院の古文書では1753年の補任状が確認されている。後者は、さらに古い歴史を有する可能性があるが、幕末に集落ごと全焼する火災があったといわれ、多くの古い史料が失われたと考えられる[5]

かつては女人禁制であった。初めて女性が登ったのは、1914年に講中登山として記録されている[5]

1935年に原全教が『奥秩父 続編』で両神山の歴史や伝承とともに、主なコースと一部の沢を紹介している。

1975年に飯野頼治が『両神山』で両神山の多くの尾根、沢コースを紹介している。

1980年皇太子が当時の両神村長の案内で登頂している。

1990年に両神村史編さん委員会によって『りょうかみ双書3 両神山』が刊行された。両神山にまつわる歴史、伝承、地質、動植物などを記録している。山中の石仏、石碑などについても詳しい。

登山

このほか、納宮から楢尾沢峠と天理岳を経て山頂に至る登山道もあるが一般的なコースではない。

周辺にある宿泊施設・小屋

両神山系の山

隣接する山

脚注

注釈

  1. ^ 事前に白井差在住の地権者に連絡をして通行許可を取る必要がある。山頂までの往復(ピストン)に限って通行が許可されている。2010年6月時点での登山道整備料は1,000円である。

出典

  1. ^ 両神山 - 小鹿野町
  2. ^ a b 新編武蔵風土記稿 薄村 兩神山.
  3. ^ 『岳人』2011年4月号102P
  4. ^ 「制約・恩恵こじれ10余年 両神山登山道」『朝日新聞』2001年01月21日付朝刊埼玉版
  5. ^ a b 両神村史編さん委員会 編『両神山』両神村〈りょうかみ双書3〉、1990年1月。全国書誌番号:90030218

参考文献

関連項目

外部リンク

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