「千日手(せんにちて)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
読み方:せんにちて
「千日手」とは、将棋において先手と後手が共に同じ指し手を繰り返して局面が膠着することを意味する表現である。公式ルールでは「同一局面が4回続く」と千日手と見なされる。つまり先手後手ともに同じ手を4度繰り返して指すと千日手になる。
千日手が生じると勝負がつかなかったことになり、一般的には指し直しとなる。ただし王手をかけた局面が千日手となった場合(連続王手の千日手)は、王手をかけた側の反則負けとなる。
「千日手」は基本的には将棋の用語であるが、チェスにおける同種のルール(スリーフォールド・レペティション)も「千日手」と呼ばれることが多い。また、「同じことを延々と繰り返して一向に進展しない」さまを比喩的に「千日手」と表現することもままある。
「千日手」の概要
将棋の公式戦で「千日手」が発生すると、その対局は勝負つかずと判断されて流れ、すぐに先手番と後手番を入れ替えて最初から指し直しとなる。指し直す間の休憩時間や、指し直し対局の残り時間の扱いは、試合によって異なる。
王手をする局面でなければ、千日手を指すことは反則にはならない。戦況によっては、たとえば千日手になる手を避けるとどうしても戦局が不利に傾くと判断される場合、敢えて千日手に陥る手を避けない場合もある。
永瀬拓矢棋士は千日手の多い棋士のひとりとして知られている。当人も千日手を厭わず、状況によってはむしろ積極的に千日手を目指すという旨の発言をしている。2022年に藤井聡太棋聖(当時)と対局した際には、千日手が2度成立して2度の指し直しが行われ、話題になった。
チェスの千日手
チェスでは同一局面の繰り返しが発生することを「レペティション(repetition)」という。repetition は「繰り返し」という意味である。日本語ではチェスのレペティションも「千日手」と呼ばれることが多い。
チェスのレペティションは「スリーフォールド・レピティション」とも呼ばれる。チェスでは同一局面が3度発生すると「千日手」の成立と見なされるためである。スリーフォールド・レピティションは、自分が指し手のときに申告することで初めて成立し、成立すると勝負つかずの引き分けとなる。連続王手(チェック)の千日手の場合も同様に引き分けとなる。