及第点の意味や読み方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
読み方:きゅうだいてん
「及第点」とは、合格基準を満たしていることを意味する表現である。
「及第点」とは・「及第点」の意味
「及第点」とは、事前に決めておいた満足する結果を得られる点数のことである。日本の資格を取得するための学科試験は総合点式であり、全問正解の100点満点を取る必要がなく合格基準に対して自身が何点取れているかが重要となる。もちろん100点満点を取れれば何の問題はないが、合格の基準は70点から80点だった場合、この点数をとれていれば試験は合格なので充分というのが「及第点」なのである。
ビジネスにおける「及第点」
満足する結果を得られる点数を意味する「及第点」は、特にビジネスの世界で使われることが多い。企業が新商品を開発したときに、必ず事前に予想される合格点と落第点を設定する。合格点を決めておくことで、このまま継続して販売を続けることで十分な利益を得ることができる。逆に予想の販売数に満たない落第点を決めておくことで、どんな問題点があったのかを洗い出すことで改善に着手することができるためだ。
ただ合格点と落第点を設定する場合において注意したいのが、その合格と落第の点数差が僅差という状態で運用することだ。点数の差に幅がないと、このまま継続すべきか見直すべきか判断がしづらくなるためである。そこで合格と落第の間に、様子見をするための基準として「及第点」を設定する。この及第点を設定しておくことで、判断がわかりづらい状態になったときに一定期間の様子見をしたのちに売り上げが伸びれば継続そして逆に落ちれば改善に着手すると実行しやすくなる。
誉め言葉として使う場合に注意したい「及第点」
合格点と落第点の中間に位置する「及第点」は、しばしば子供や生徒そして部下への誉め言葉として使われることが多い。誉め言葉として使われる理由として、100点満点ではないけれど十分に満足のいく結果を生み出したので問題ないことを伝えるためだ。しかし実際に及第点を誉め言葉として使う場合には、言い方に注意しないと逆にモチベーションを下げる結果になる場合がある。
及第点を自身が使う場合は結果に対して満足のいく点数に満たしているから満足するのであって、相手に及第点を使う場合において自身が設定した満足のいく点数で満足しているとは限らないからである。もし相手が満足していない点数を取ったのに及第点という一言を言ってほめてしまうと、相手は自分に対して期待していないという印象を与えてしまう可能性があるためだ。
誉め言葉として及第点を使う場合には、真っ先に使わずに結果に対して表情や仕草そして言葉遣いなどで感じ取ることが重要だ。結果に対して相手が満足している場合には、及第点という一言は使わずに素直に「合格点だ、よく頑張った」と言ってあげるとよい。もし相手が満足していない場合には、「私にとってこの結果は及第点だが、君にとっては満足のいかないようなので、今度はこの点数を超えられるように頑張ろう」という風に激励の言葉と合わせると相手のモチベーションを高めることにつながる。
「及第点」の読み方
「及第点」の語源・由来
「及第点」の語源は、中国語の届くを意味する「及」と屋敷を意味する「第」を組み合わせて言葉だ。及第の意味は、「格式の高い試験で十分な結果を得られれば大きな屋敷に住むことができる」が「及第点」の由来になっている。
「及第点」の使い方・例文
・5教科の合格基準が総合で300点の試験で、苦手の英語で50点が取れたから及第点だ。
・営業成績が全体の6番目だったが、十分に次につながるので及第点といえる。
・数学のテストで60点を取ってしまい、親は満足していたが自分にとっては及第点以下なので次は越えようと心に決めた。
・売り上げを100万円に最高点として指定していたが、及第点として設定していた70万円に到達していたのでとりあえず満足しておこう。
・満塁のピンチで6失点を覚悟していたが、3失点でイニングをまたいでくれたので及第点だ。
・アナウンサーの病気で若手の自分に代役が回ってきたが、特に進行を妨げることがなかったので及第点の結果を出せたと思う。
・半年の猛勉強をした結果、英検1級にぎりぎり合格ができる及第点に達した。
・会議の進行役に抜擢されたが、上司から及第点の評価をいただいたので次も頑張ろう。
・商品の試験運用をしているが、とりあえずは及第点の結果を生み出した。
・初めての全国大会で緊張していたが、全体の3位に入れたので及第点以上の結果だ。