外観色とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 17:55 UTC 版)
「HD 189733 b」の記事における「外観色」の解説
2008年、天体物理学者らによる研究チームが偏光観測を用いてHD 189733 bから発せられた可視光線を検出したとみられると発表した。このような偏光観測を用いた太陽系外惑星の検出例は初めてであった。2011年にも同じ研究チームによって偏光観測での検出に成功し、観測結果の改良が行われた。この結果から、研究チームはHD 189733 bのアルベドが赤色の光の時よりも青色の光の時の方が、値が大幅に高くなることを発見した。これはおそらく大気中に含まれるケイ酸塩の粒子が青い光を散乱させていることが原因であると考えられている。その後2013年に、HD 189733 bが深い青色をしていることが確認され、その結果、HD 189733 bは2つの異なる手法によってその外観の全体的な色が観測的に判明した史上初めての太陽系外惑星となった。その後、偏光観測を用いたこれらの測定はさらに感度の高い偏光計を使用した2つの別々のチームによって議論され、その中で、提供されている偏光観測信号の上限値が示されている。 先述の通り、HD 189733 bが青い外観をしているのはケイ酸塩の散乱の結果によるものかもしれない。2008年1月中旬、散乱のモデルを使用したトランジット中のスペクトル観測により、大気に水素分子が存在する場合、惑星半径の0.1564倍地点の高度では大気圧は410 ± 30 mbarになることが判明した。「Mie近似モデル(The Mie approximation model)」と呼ばれるモデルからは、大気中に凝縮物、つまり約0.1〜0.01 μmの粒径を持つケイ酸マグネシウム(MgSiO3)が存在する可能性があることも判明した。両方のモデルを用いると、惑星の表面温度は1,340〜1,540 Kとなる。散乱の発生は他のモデルでも確認されており、外部大気の下にあるはずの、より低温の成層圏が存在しないことが明らかになっている。スペクトルの可視域では吸収断面積(誘導放出断面積)が大きいため、原子状ナトリウムや原子状カリウムについて調べることができる。たとえば、超大型望遠鏡VLTの高解像度UVESスペクトログラフを使用したところ、ナトリウムがHD 189733 bの大気から検出され、表面温度などの大気の物理的特性がさらに調査されることになった。
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