妙高山とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
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この項目では、新潟県妙高市の山について説明しています。その他の妙高山については「妙高山 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 仏教などの宗教上の概念については「須弥山」をご覧ください。 |
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妙高山 | |
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標高 | 2,454 m |
所在地 | 新潟県妙高市 |
位置 | 北緯36度53分29秒 東経138度06分49秒 / 北緯36.89139度 東経138.11361度 / 36.89139; 138.11361[1] |
山系 | 頸城山塊 |
種類 | 成層火山 (活火山ランクC) |
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OpenStreetMap | |
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- 妙高山 - 地理院地図
- 妙高山 - Google マップ
妙高火山の火山体地形図
妙高山(みょうこうさん)は、新潟県妙高市にある標高2,454mの成層火山で、北信五岳の一つであり、その中では最高峰。日本百名山に選定されており、妙高戸隠連山国立公園に属している。
概要
馬蹄形をした爆発カルデラの外輪山と、中央火口丘となる最高峰の溶岩ドームから構成される火山。活火山のランクCに指定されている。
新潟県を代表する山の1つであり、越後富士(えちごふじ)の異名を持つ。**北信五岳のひとつとして親しまれる。また近隣の火打山、焼山と共に頸城三山**を形成している。山麓には温泉が沸き、冬期ウィンタースポーツのリゾートエリアとしても知られる。
山名は、古くは「越の中山」(こしのなかやま)と呼ばれていたものが、好字二字令により「名香山」と当て字され、それが「みょうこうざん」と読まれるようになり、「妙高山」の字が宛てられたものである[注釈 1]。
最高地点は南峰の「妙高大神」にある。昭和期までは、およそ500m離れた一等三角点のある北峰の2,446mを妙高山の標高としていた[2]。
地学的知見
北部フォッサマグナの糸魚川静岡構造線のすぐ東側に位置し黒姫山、飯縄山、斑尾山、新潟焼山と共に妙高火山群をなし山体の基盤からの高さは 1200 m、体積は 50 km2[3]で、主に輝石安山岩、角閃石安山岩を主体とする安山岩(SiO252 % - 60 %)質の成層火山であるが、高アルミナ玄武岩、角閃石デイサイトなどで山体が構成される。山体崩壊する以前の山頂は標高2,800 - 2,900 m程度であったと推測される[3]。単純なひとつの成層火山ではなく、4つの独立した成層火山が積み重なっている多世代火山である[4]。
火山活動史
4つの活動期と各活動期にはさまれた長い3つの活動休止期に区分されている[3][5]。
第1活動期
- 約30万年前の活動で山体の基底部が形成された後は15万年程度の活動休止期があった(雷菱火山[4])。
- 噴出量 40 km3
第2活動期
- 14万年から11万年前(神奈山火山[4])。
- 噴出量 20 km3
第3活動期
- 9万年前ころから6万年前(三田原山火山[4] 2800 - 3000 m)。
- 現在の妙高山火山よりも標高が高かったと推定され、第3活動期末期に山体崩壊が生じたことを示す泥流堆積物がある[6]。開析の程度は不明[6]。
- 噴出量 7 km3
第4活動期
- 活動期は「先カルデラ期」「カルデラ形成期」「中央火口丘形成期」の3つの大別される[6]。
- 約4万年前頃 活動を再開し、約2万年前頃にカルデラが形成される(妙高山火山[4])。
- 1.9 - 2万年前 カルデラ北東縁が崩壊し関川泥流を生じた[6]。赤倉山、大倉山地域でも崩壊し田口・矢代川泥流堆積物を形成[6]。
- 8000年前 大噴火により山体崩壊し、田口岩屑なだれ(上部)が発生した。以後、カルデラ内での活動となる。
- 5800年前 マグマ噴火により中央火口丘が形成され、現在に近い形となった。
- 5500年前 マグマ噴火。
- 5200年前、5000年前、4300年前に水蒸気噴火。
- 4700年前 マグマ水蒸気噴火
- 4200年前 マグマによる活動が記録され、赤倉火砕流と大田切川火砕流を残した。
- 3000年前 カルデラ内には最新の活動となる水蒸気爆発、大谷火山灰層を形成した噴火。
- 2800年前 外輪山の赤倉山(2,141.1 m)南斜面が崩壊し杉野沢岩屑流を生じる。この崩壊の原因は、噴火活動の可能性が指摘されているが対応する火山灰が見つけられていない[5]。
有史以降の活動記録はないが、中央火口丘付近の南地獄谷では噴気活動が継続している。
- 噴出量 5 km3
登山
主要な登山道に以下のルートがある[7]。
神奈山線
関温泉を起点に神奈山を経由して妙高連峰縦走線に至る到達登山道[8]。
妙高連峰縦走線
妙高連峰の縦走登山道[8]。
大倉池線
赤倉温泉妙高山線
笹ヶ峰高谷池線
笹ヶ峰集団施設地区より妙高連峰縦走線への到達登山道[8]。
・1990年、日本ジャンボリー(ボーイスカウトの大会)のイベントの一つとして、妙高山登山が行われた。
・不思議な現象だったが山頂の岩の隙間から滴り落ちる冷たい湧水が真夏に得られていた。しかし昭和30年代中頃に枯れてしまった。
画像解説
自然災害
妙高山にちなむ名称
- 国鉄・JR東日本の列車愛称「妙高」。1950年 - 1993年、2002年 - 2015年。
- 新潟県上越市・妙高酒造株式会社の日本酒「妙高山」
脚注
注釈
- ^ また、1889年の市町村制施行に伴い同地に設置された「妙高村」は1901年に他村との合併を機に「中香山村」(なかやまむら)となったが、1955年に「妙高々原村」(みょうこうこうげんむら)と改称し、1956年の町制施行や1969年の「妙高々原村」(みょうこうこうげんまち)への改称後も「妙高」の表記と「みょうこう」の呼称は維持された。2005年に同町が新井市に編入された上で改めて同市が市名を変更する際にも「妙高市」(みょうこうし)の名称が採用された。
- ^ JR東日本を経て現在はえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン。
出典
- ^ 日本の主な山岳標高(新潟県)、国土地理院、2010年12月29日閲覧。
- ^ 【TJ調査隊】なんで妙高山の標高は2446mから2454mになったの?(上越タウンジャーナル 2019年8月11日)
- ^ a b c 早津賢二, 清水智, 板谷徹丸, 妙高火山群の活動史 “多世代火山”」『地学雑誌』 1994年 103巻 3号 pp.207-220, 東京地学協会, doi:10.5026/jgeography.103.207。
- ^ a b c d e 早津賢二, 「妙高火山群」『火山.第2集』 1988年 33巻 2号 pp.169-171, 日本火山学会, doi:10.18940/kazanc.33.2_169
- ^ a b 早津賢二, 「山麓の火山灰層からみた妙高火山中央火口丘の活動と年代」『地學雜誌』 1992年 101巻 1号 pp.59-70, 東京地学協会,doi:10.5026/jgeography.101.59
- ^ a b c d e 早津賢二、「妙高火山・第IV期の活動とその噴出物 : 妙高火山群の地質記載・その1」『第四紀研究』 1975年 14巻 1号 pp.1-13, 日本第四紀学会, doi:10.4116/jaqua.14.1。
- ^ “妙高山・火打山地域自然資産地域計画”. 妙高市. 2022年9月21日閲覧。
- ^ a b c d e “妙高戸隠連山国立公園指定書及び公園計画書”. 環境省. 2022年9月21日閲覧。
- ^ 白田切川土石流災害 新潟県
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、**妙高山**に関連するカテゴリがあります。
- 郷土富士
- 頸城山塊
- 日本百名山
- 北信五岳 - 黒姫山 - 戸隠山 - 斑尾山 - 飯縄山
- ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
- 妙高 (重巡洋艦) - 帝国海軍の妙高型重巡洋艦の1番艦。1929年就役。
- みょうこう (護衛艦) - 海上自衛隊のこんごう型護衛艦の3番艦。1996年就役。
外部リンク
- 妙高山 - 気象庁
- 日本活火山総覧(第4版)Web掲載版 妙高山 (PDF) - 気象庁
- 日本の火山 妙高山 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
- 早津賢二、妙高火山群 : 黒姫・妙高火山の形成史を中心として(II)」『地球科學』 1972年 26巻 3号 pp.91-103、地学団体研究会、doi:10.15080/agcjchikyukagaku.26.3_91。NAID 110007089958
表話編歴越後百山 | |
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