読み方:しじし指示の機能をもつ語のこと。Weblio国語辞典では「指示詞」の意味や使い方、用例、類似表現などを解説しています。">

「指示詞」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

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指示語(しじご)または指示詞(しじし、demonstrative)とは、話し手のいる地点と状況をもとにしてものを指し示す機能を持つ語であり、特に代名詞限定詞として用いられる[1]日本語の「これ」「その」や英語this_、_that などは典型的な指示詞である。

指示語の使い分け

指示詞は遠近によって使い分けられる。

また、距離以外に次のような直示的情報によって使い分けがある言語もある。

さらに、直示的情報以外にも以下のような指示物の性質によって使い分けられる。

日本語の指示語

日本語の指示語は一般にこそあどと呼ばれる4系列からなる(場合によって、カ系列を加え、5系列にすることもある[2])。コ系列を近称、ソ系列を中称、ア系列を遠称、ド系列を不定称と呼ぶ場合もあるが[3]、厳密には後述のようにソ系列は中距離を示すものではない。

指示語表

事物 場所 方向 方向/人称 人称 連体詞 副詞 連体詞
コ系列 これ ここ こちら(こっち) こなた こやつ(こいつ) この こう こんな
ソ系列 それ そこ そちら(そっち) そなた そやつ(そいつ) その そう そんな
ア系列 あれ あそこ あちら(あっち) あなた あやつ(あいつ) あの ああ あんな
ド系列 どれ どこ どちら(どっち) どなた どやつ(どいつ) どの どう どんな
カ系列 かれ かしこ かなた かやつ(きゃつ) かの

「こそあ」はそれぞれ現場指示用法と文脈指示用法をもつ。

現場指示

現場指示用法は、談話の場において実際に近くにあるものを指して用いる用法である。コ系列は話し手の近くにあるもの、ソ系列は聞き手の近くにあるもの、ア系列はどちらからも離れているものを指す。

文脈指示

文脈指示用法は、話題になっているものや記憶の中にある要素を指す用法である。コ系列は談話に導入された要素や、直後に導入する要素を指す(「正解は_こう_です。まず…」)。ソ系列は、それまでに談話に導入された要素を指し、仮定した要素や不特定の要素をも指すことができる(「_誰か_来たら_その_人に…」)。また「その」には「この」「あの」にはない所有関係を表す機能がある。ア系列は記憶の中にあるものを引き出すときに用いる(「_あの_頃は良かった」)。

中古日本語における指示語

平安時代中古日本語では、こ、そ、か(あ)の3系列と、カク、サの指示副詞2系列が用いられていた[4]

脚注

  1. ^ Diessel 1999: 2.
  2. ^こそあど + か / think_leisurely”. think0298.stars.ne.jp. 2020年10月22日閲覧。
  3. ^【こそあどとは指示語のこと】上手な使い方を4つの事例で解説”. xn--3kq3hlnz13dlw7bzic.jp (2019年8月21日). 2020年10月22日閲覧。
  4. ^ 岡崎友子「現代語・古代語の指示副詞をめぐって」『日本語文法』第3巻第2号、日本語文法学会、2003年9月、163-180頁。

参考文献

関連項目