日本測地系とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 03:55 UTC 版)
日本では、2002年4月1日までは、日本測地系(旧日本測地系、Tokyo Datum)と呼ばれる測地系を用いてきた。 局所座標系の範疇に属する測地系(日本周辺にのみ適用することが前提) 準拠楕円体はベッセル楕円体楕円体中心のずれは、事実上の日本測地原点である「東京大正三角点」において、 X {\displaystyle X} 、 Y {\displaystyle Y} 、 Z {\displaystyle Z} をITRF94座標系の直交座標値、 X 2 {\displaystyle X_{2}} 、 Y 2 {\displaystyle Y_{2}} 、 Z 2 {\displaystyle Z_{2}} をTokyo97座標系の座標値とすると、次の公式で表すことができる。 ( X Y Z ) = ( X 2 Y 2 Z 2 ) + ( − 146.414 m + 507.337 m + 680.507 m ) {\displaystyle {\begin{pmatrix}X\\Y\\Z\end{pmatrix}}={\begin{pmatrix}X_{2}\\Y_{2}\\Z_{2}\end{pmatrix}}+{\begin{pmatrix}-146.414\,{\textrm {m}}\\+507.337\,{\textrm {m}}\\+680.507\,{\textrm {m}}\end{pmatrix}}} 経緯度の基準は日本経緯度原点の天文経緯度 標高の基準は日本水準原点(東京湾平均海面がベッセル楕円体面と一致) 全国の基準点座標値は三角測量網成果から決められる。離島では天文測量を用いた。 内的歪みを持ち、上記の原点から離れると歪みは大きくなる。 ITRF94の経緯度と日本測地系のそれとでは、上記の変換にあるように東京付近の地表面では400 m程度のずれが存在する。東京付近では、おおむね、日本測地系の数値から、北緯に12秒加え、東経に12秒減ずると、ITRF94の数値が得られる。 また日本測地系の基準点網は三角測量による成果に基づくため、測地系以外の要因によるゆがみが北海道や九州では5 - 10 m程度存在する(南西諸島、離島等はそれ以上の場合もあった)。このようなゆがみも考慮したITRF94との測地系変換を行うプログラムTKY2JGDが、国土地理院により公式に提供されている。 これらのずれやゆがみは、日本国内向けに1:25,000の地形図を発行するには問題を生じないが、海図の国際利用や、精密な位置情報にもとづくGISデータの整備の障害になりつつあった。
※この「日本測地系」の解説は、「測地系」の解説の一部です。
「日本測地系」を含む「測地系」の記事については、「測地系」の概要を参照ください。