読み方:にほんくみあいきりすときょうかい日本基督教団成立以前のプロテスタント三大教派の一のこと。Weblio国語辞典では「日本組合基督教会」の意味や使い方、用例、類似表現などを解説しています。">

「日本組合基督教会」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

組合教会の三元老

同志社全景と原田助社長

第一回組合教会大会親睦会と朝鮮人牧師、伝道師

日本組合基督教会、(にほんくみあいキリストきょうかい)は、戦前キリスト教会の主流派の一つで、1941年日本基督教団に統合されて消滅した会衆派の団体。

歴史

グリーン宣教師

アメリカの最初の海外伝道組織のアメリカン・ボードは、会衆派、長老派オランダ改革派などが加わり、無教派的な組織だった。日本の組合教会は、1869年のアメリカン・ボードのD・C・グリーン宣教師夫妻の来日から始まる[1]

アメリカン・ボードの関係教会には、やがて同志社を卒業した熊本バンド出身の伝道者が加わり、関西、群馬、岡山、愛媛など各地に教会が設立された。アメリカン・ボードと熊本バンドの二つが、日本組合基督教会の源流である。1874年4月19日洗礼を受けた11名によって創立された神戸公会は、当初から会衆制を採った[2]。1878年に、開拓伝道や協力活動のために日本基督伝道会社を結成した。

1880年代に、各教派が伝道組織を固めたために、伝道のために組み合わされた組織の意味として、1886年に日本組合基督教会を設立した。1887年(明治20年)12月には福澤諭吉司法大臣金子堅太郎らの招聘により、アメリカ・ユニテリアン協会からハーバード大学出身のアーサー・メイ・ナップ牧師も来日してユニテリアン主義も布教された。

明治38年(1905年)10月、本郷教会において第21回総会が開かれ、従来アメリカン・ボードより援助を受けていたミッション補助教会を、すべて組合教会で引き受け、独立自給することを決議した。

その後、組合とミッションの両方の委員の会議の結果、組合教会は自らに属する教会を明確に区別し、それらは伝道会社からの補助があったとしても、ミッションより独立自給することになった。このように、組合教会は日本で最初にミッションから独立し、自給自治を達成することになった。

やがて、ミッションと組合の間の不信感も解消され、教会側は直接伝道に携わる宣教師に伝道会社の客員として協力するように要望して、ミッションもこれを受けいれた[3]

その後、一致教会との合同の協議を重ねるも不調に終わり、同志社を拠点に活動し、「組合教会の三元老」と呼ばれた海老名弾正小崎弘道宮川経輝らの指導の下に日本のプロテスタントの中の三大教派の一つになる。1910年日韓併合時より、朝鮮総督府から巨額の資金援助を受けて、渡瀬常吉を派遣し、朝鮮植民地伝道を繰り広げた[4]。1912年には教職者142人、教会数91、教会員17816人となる。

組合教会の教職養成を一手に引き受けていた同志社神学校は1912年専門学校令による同志社大学神学部、1920年大学令による同志社大学文学部神学科へ移行することとなる。

1920年代ごろから天皇制を賛美した。1941年に日本基督教団に第三部として参加し組織は消滅する。

1935年(昭和10年)には長谷川初音が最初の女性牧師に就任する。

神学

神学的にはリベラルな傾向が強かった。1889年に指導者小崎弘道が同志社で行われたYMCA夏季学校において、「聖書のインスピレーション」と題する講演で高等批評を擁護し、聖書信仰を否定した。ここから日本のリベラルが始まると言われる。また金森通倫モーセ五書ユダヤ人の伝説や神話の寄せ集めであると主張した。[5][6][7]

脚注

  1. ^ 渡瀬常吉『朝鮮教化の急務』警醒社書店1913
  2. ^ 茂義樹『明治初期神戸伝道とD・C・グリーン』新教出版社
  3. ^ 高橋2003年、184頁
  4. ^ 中村敏『日本人による海外宣教の歩み』関西ミッション・リサーチ・センター 日本福音同盟
  5. ^ 尾形守『日韓教会成長比較』いのちのことば社
  6. ^ 中村敏『日本キリスト教宣教史』 いのちのことば社
  7. ^ 尾山令仁他『教会成長シンポジウム』新生運動

参考文献

関連項目

日本基督教団成立時の部制(1941年)
指導者 教団統理者:富田満(日本基督教会牧師) 教団議長阿部義宗(日本メソジスト教会監督) 第4部参与:千葉勇五郎 第6部参与:車田秋次 第7部参与:澤村五郎 第8部参与:土山鉄次 第9部参与:工藤玖三 第10部参与:白戸八郎 第11部参与:渡辺林太郎
11部制 第1部 日本基督教会(戦後は一部が、日本基督改革派教会 · 日本キリスト教会として離脱する。) 第2部 日本メソジスト教会 日本美普教会 日本聖園教会(戦後も残留、教団内でFM会を形成する。) 第3部 日本組合基督教会 日本基督同胞教会 日本福音教会 基督友会 基督教会(戦後も大多数が残留) 第4部 日本バプテスト基督教団 第5部 日本福音ルーテル教会 第6部 日本聖教会(1949年一部が離脱して日本ホーリネス教団を設立する。一部は残留して教団内でホーリネスの群を形成。) 第7部 日本伝道基督教団日本イエス・キリスト教会 基督伝道教会 基督宣教会 基督復興教会 日本伝道基督教団 日本ペンテコステ教会 日本聖潔基督教会 第8部 日本聖化基督教団 日本自由メソジスト教会 日本ナザレン教会 日本同盟基督協会 世界宣教団 戦後に、日本自由メソヂスト教団 · 日本ナザレン教団 · 日本同盟基督教団が離脱するが、一部はマケドニヤ会として残存する。 第9部 きよめ教会(1946年に離脱して、基督兄弟団を設立。1958年更に一部が離脱して基督聖協団を設立) 日本自由基督教会 第10部 日本独立基督教会同盟会 ウェスレアン・メソヂスト教会 普及福音教会 日本一致基督教団 東京基督教会 日本神の教会 日本聖書教会 聖霊教会 活水教会 アドベント教会 基督心宗教団 第11部 日本救世団日本救世軍
教団非加入の単立 ホーリネス系 東洋宣教会きよめ教会 その他 美濃ミッション 耶蘇基督之新約教会 日本聖公会の一部 日本灯台社 プリマス・ブレズレン イエス之御霊教会
関連項目 宗教団体法