「昏酔強盗」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
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昏酔強盗罪 | |
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法律・条文 | 刑法239条 |
保護法益 | 所有権その他の本権 |
主体 | 人 |
客体 | 人 |
実行行為 | 人を昏酔させて財物を盗取 |
主観 | 故意犯 |
結果 | 結果犯、侵害犯 |
実行の着手 | - |
既遂時期 | 財物の占有を取得した時点 |
法定刑 | 5年以上の有期懲役 |
未遂・予備 | 未遂罪(243条)、予備罪(237条) |
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昏酔強盗罪(こんすいごうとうざい)は、刑法第239条で定められた罪。人の意識作用に障害を生じさせ、反抗できない状態に陥れて財物を盗取することを内容とする。
報道では「昏睡強盗」と表記する場合がある。これは酒に限定せず薬物なども含む表現として分かりやすいことから「昏睡」を使用している。[1]
強盗罪の構成要件では捕捉しきれない行為(単なる「昏酔」は暴行によらない傷害である)に強盗罪の規定を適用するために設けられた規定(拡張類型)の一つであり、同趣旨の規定として事後強盗罪(238条)がある。両者を併せて「準強盗罪」とよばれ、強盗として論じられる。すなわち、法定刑や強盗致死傷罪等の適用において強盗罪と同様に扱われる。 暴行によって昏酔させた場合は強盗罪の構成要件(暴行または脅迫を用いて人の財物を強取する)に該当するから、昏酔強盗罪ではなく強盗罪が成立する。また、昏酔の意識障害は当罪の構成要件要素であるから、強盗致傷罪の構成要件要素とはならない[2]。
なお、ドイツ刑法では規定がなく、解釈上、暴行による強盗罪とされ、強盗罪として処罰されている。
警視庁管内では、外国人女性らがマッサージ、飲食店の呼び込みを行い店舗内で提供された一杯目の飲料中に薬物が混入され客が意識を喪失した間に現金の強盗、クレジットカード、キャッシュカードの不正利用が行われる事例が多発している。
脚注
- ^ Company, The Asahi Shimbun. “通信社の記事でも - ことばマガジン:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2024年3月29日閲覧。
- ^ 山口厚『刑法〔第3版〕』有斐閣、2015年、306頁
関連項目
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