湧別川(ユウベツガワ)とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
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ゆうべつ‐がわ〔‐がは〕【湧別川】
読み方:ゆうべつがわ
北海道北東部を流れる川。北見山地の天狗岳(標高1553メートル)に源を発し、湧別町でオホーツク海に注ぐ。長さ87キロ。上流の河岸段丘に旧石器時代の白滝(しらたき)遺跡がある。
湧別川
湧別川は、北見山地の天狗岳にその源を発し、遠軽町市街より上流では渓流河川、これより下流では激しく蛇行しながら北に流路を向け流下し、湧別町でオホーツク海に注ぐ、流域面積1,480km2、流路延長87kmの1級河川です。
遠軽町を流れる湧別川 |
水系名湧別川水系 河川名湧別川 幹川流路延長87km 流域面積1,480km2 流域内人口約36,000人 流域関係都県北海道 | ○拡大図 |
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"明治30年に屯田兵の入植が始まり、明治43年鉄道が開通し、開拓に拍車をかかり、耕地は増加しつづけました。開拓が上流域に広がったことを受けて、農地面積拡大のための森林伐採が行われました。木材は湧別川を使って河口まで流送し、木材積取船に搭載され運ばれたといわれています。"
黒曜石の石器(白滝遺跡出土) |
黒曜石の露頭 |
今から約1万2千年から2万年前の旧石器時代、狩猟を行う人々は、湧別川の源流に近い白滝村に露頭する黒曜石から作られた石器を手に、マンモスやナウマン象を追って環日本海を巡っていたと考えられています。黒曜石とは、真っ黒なガラス質の石で、「湧別技法」と呼ばれる手法により、当時としては最高級の石器に作り上げられました。
湧別川流域に初めて和人が入植・定住したのは1790年(寛政2年)と言われ、人々はまず豊かな漁業資源をめあてに、河口付近に漁番屋を置き、その後、内陸の平野部へと鍬を入れて行くことになります。
湧別川の名前の由来はアイヌ語のユベ[鮫]からという説、ユベ・オツ[蝶鮫・多い]、または、イベ・オツ・イ[魚・豊富・所]等の表現から来ているとする説があり、水産資源が豊富であったことを窺い知ることができます。
当時の湧別川流域は鬱蒼とした原生で覆われていたため、人々はまず木を伐りだして開墾し、その肥沃な土地に畑を広げていきました。つまり、開拓期の湧別川流域は、漁業と、農業と、農業を行うために副次的に生まれた林業という3つの基幹産業が原動力となって発展しはじめることになりました。
和人の入植がはじまった当時の湧別川河口はサケやマスはもちろんのこと、イトウ、キュウリ、チカ、ボラ、ソイ、ホタテなどの豊かな漁場でした。しかし、消費地からあまりに遠い辺境の漁場にあって、どれほどの大漁に恵まれても、漁獲物の大半は乾燥あるいは塩蔵品に加工され、函館や小樽の大手商業資本に安値で引き取られたといわれています。
明治時代に入り、12年に紋別戸長役場が開かれました。その頃は漁業従事者が多く、農業移民が湧別に入ったのは3年後の明治15年になります。その後、明治26年に湧別に初めて4県の団体が移民し、日清戦争で遅れた屯田兵も明治30年に入って開拓を再開、上流域へと進んでいきました。その頃の湧別川は、大雨のたびに平野部一帯を水浸しにし、洪水の前と後では流れの筋を変えることもたびたびでした。このような土地に、移り住んだ人々は、どんな作物をどの時期に作付けすべきかの手がかりすらなく、故郷で行っていた農法を頼りに試行錯誤をくりかえしました。しかし、北国特有の低温に加え、水害、風害、霜害、冷害などがくりかえし襲いかかり、一年の苦労が水泡に帰すことも少なくありませんでした。そういった中、1898年(明治31年)、全道的な大豪雨が発生し、湧別川も大洪水に見舞われました。川の増水は実に平常水位を4.6mも超えたと言われ、人々は命からがら高台へ避難し、収穫目前の作物の流失を茫然自失の体で見送ったと記録に残っています。この大洪水を契機に治水工事を求める声が沸き起こり、湧別川の治水計画が策定されることとなりました。
2.地域の中の湧別川
"湧別川流域は湧別町、上湧別町、遠軽町、丸瀬布町、生田原町、白滝村の5町1村からなる。主なイベントは「オホーツクフィッシング IN 湧別川」、「みずウォークオホーツク大会」などが行われています。
河川敷地は下流河川敷ではゴルフ場、パークゴルフ場があるが大半は採草地、上流の市街周辺には公園緑地、、パークゴルフ場が整備されています。"
湧別川流域は湧別町、上湧別町、遠軽町、丸瀬布町、生田原町、白滝村の5町1村からなり、それぞれの地域特性や歴史上の役割を生かした町づくりをすすめています。流域内人口は約36000人になります。
主な産業は、下流域の湧別町では湖沼を利用したホタテ・カキなどの増養殖漁業、中上流域の遠軽町、上湧別町ではタマネギ・小麦・馬鈴薯などを生産する農業地帯が広がり、上流域の丸瀬布町、白滝村、生田原町では主に林業などが行われています。
オホーツク・フィッシングin湧別川 |
みずウォークオホーツク大会 |
湧別原野オホーツク100kmクロスカントリースキー大会 |
流域での主な祭り、イベントとしては、流域内市町村を舞台にして、毎年7月に行われている「オホーツク・フィッシングin湧別川」があります。このイベントはその名の通り、湧別川流域の6町村が手を携えて協力し合って開催する広域イベントで、今では全国的な知名度を獲得し、多くの釣り愛好家を集めています。
7月下旬には丸瀬布町で「滝まつり」、遠軽町では「遠軽がんぼう夏まつり」などが開かれ、湧別川河川敷において花火大会などが行われます。
また、9月下旬になると遠軽町、上湧別町、湧別町の3町で河川敷を使っての「みずウォークオホーツク大会」、2月下旬には白滝村~上湧別町を結ぶ「湧別原野オホーツク100kmクロスカントリースキー大会」が行われるなど、四季を通じて河川を利用したイベントが開催され、地域社会における潤い創出の拠点となっています。
3.湧別川の自然環境
"植生は針葉樹林、針広混交林、哺乳類は貴重種のナキウサギ、鳥類はマガン、オジロワシ、魚類はオショロコマ、 昆虫類はムカシトンボ、チャマダラセセリが確認されています。地形は大部分は山地丘陵地で、低地は谷底平野と最下流部に分布する。地質は山地は粘板岩が広く分布、ほかに火山岩類、沖積層などが堆積しています。水質は一般に洗浄であり、良好な水質を保っています。"
湧別大橋付近を流れる湧別川 |
ハマナス |
湧別川は、その源を天狗岳に発し、白滝村、丸瀬布町内を渓谷の状態で貫流し、武利川、丸瀬布川等の支川と合流、遠軽町において平野となり、生田原川、社名淵川等と合流し、上湧別川を経てオホーツク海へと注ぎます。
河道内の植生は、上流域では河岸及び隣接地にエゾマツ、トドマツの針葉樹林、ミズナラ、エゾイタヤ等の混生した針広混交林が見られます。平野部では沿川に農耕地が広がり、河川沿いにはヤナギ林、ハルニレ、ドロノキ、ウワミズザクラなどの河畔林が分布するが、遠軽町付近では河畔林も少なくなり、オオイタドリ、ヨモギ類などが草原状を呈しています。
下流域では、小規模なヤナギ低木が主体となり、オオイタドリ、ヨモギ類の草原も多くなります。また、河口部ではハマナスなどの海浜植生も多く見られます。
湧別川中流域にて釣りを楽しむ人々 |
当流域は、道内屈指の清流で、上流部ではアメマス、オショロコマ、ハナカジカ、フクドジョウ、サクラマス(ヤマベ)などが多く生息しており、毎年多くの釣り人が渓流釣りに訪れます。
下流域では、エゾウグイ、ウグイが主として生息し、ウキゴリ、イトヨ、エゾトミヨ、イバラトミヨなども見られます。また、サケ、カラフトマスの放流、捕獲が行われているなど、川と魚と人が深く関わり合っている地域であるといえます。
4.湧別川の主な災害
発生日 | 発生原因 | 被災市町村 | 被害状況 |
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大正11年8月 | 台風 | 上湧別町・遠軽町 | 家屋浸水496戸家屋流失25戸死者8名 |
平成10年9月 | 台風5号 | 湧別町・上湧別町・遠軽町 | 床上浸水43戸床下浸水95戸 |
湧別川
読み方:ユウベツガワ(yuubetsugawa)
所在 北海道
水系 湧別川水系
等級 1級
湧別川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 08:26 UTC 版)
湧別川(ゆうべつがわ)は、北海道オホーツク総合振興局管内を流れオホーツク海に注ぐ一級河川。湧別川水系の本流である。
[続きの解説]
「湧別川」の続きの解説一覧
- 1 湧別川とは
- 2 湧別川の概要
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