「素っ気ない(そっけない)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
別表記:素っ気ない
「そっけない」とは、思いやりがなく温かさが感じられないことを意味する表現。
「そっけない」とは・「そっけない」の意味
「そっけない」は漢字で「素っ気ない」と書く。「素っ気(思いやり)」が「ない」ことから生まれた言葉である。
辞書的な意味では「思いやりがない状態」や「温かみが感じられない無関心な様」を指す。通常あまり良い意味では用いられない言葉だ。なお「素っ気」は現代において単体で使われることはほとんどない。「客を迎えるだけの、厚化粧だが、なんだか素っ気のない小路に化けてしまった。(井上ひさし『ナイン』より)」のように使う。素っ気ないの類語には「すげない(思いやりがない・不愛想な)」「つれない(そしらぬ顔でいる・冷淡だ)」「よそよしい(親しみをみせない・他人行儀な態度)」などがある。
「そっけない」という言い方は日常生活でもよく用いられる言葉だ。特に恋愛においては、態度や話し方が「そっけない」かどうかが、相手の気持ちを知るための重要な判断要素となる。しかし、人の心理は明解なものではない。例えば、女子の場合には、好意を抱いていても、自分に自信が持てないことから「そっけない」態度をとるかもしれない。男子ならば、相手を強く意識してしまうがあまり「そっけない」ふるまいをする可能性がある。このような男の心理は珍しいことではないからだ。これらの場合における「そっけない」は辞書的な意味だけで捉えるのではなく「裏返しの好意」という意味も含むと解釈すべきだろう。
「そっけない」は、日本のロックバンド「radwimps(ラッドウィンプス)」の9枚目のオリジナルアルバム「ANTI ANTI GENERATION」(2018年発表)に収録されている、恋愛がテーマとなった楽曲のタイトルでもある。2020年8月16日にAbemaTVで放送を開始した「オオカミくんには騙されない」の主題歌として用いられた。楽曲の特徴は、ゆったりとした曲調に切なさを感じさせるメロディ。歌詞の意味は、付き合うようになった2人だが、女性のそっけない態度に男性はもどかしい感情を抱く、といったものだ。
「そっけない」の熟語・言い回し
素っ気ない人とは
「素っ気ない人」とは、(他者に対して)無関心な態度をとってしまうタイプの人のことを指す。「素っ気ない人」は一般的にコミュニケーションが苦手な人が多いという特徴がある。そのため、どう人と接すればよいのかわからずに黙ってしまったりすることが多い。ただし、人によっては、まったく他人を信用していなかったり、そもそも人嫌いであったり、他人に興味が持てないといった人もいる。「素っ気ない人」が気になる場合には、良い距離感を意識して関わりを持つようにするとよいだろう。
素っ気ない態度とは
「素っ気ない態度」とは、周囲に見える(あるいは感じられる)素振りや考え方が、冷たく無関心であること。女性の場合、素直になれず恥ずかしいという気持ちから「素っ気ない態度」を取る場合があるとされている。だが、本当に相手に興味がないことも多いので、関係性を築きたいと思っている場合には注意が必要である。
「そっけない」の使い方・例文
・あまりにもそっけない応対をしたことに少し気が引けたのかもしれない。(多島斗志之「症例A」より引用)
・いままではそっけなかったのに、女のほうから青年に近づいてきた。(星新一「地球から来た男」より引用)
・男の態度はあまりにもそっけなくて、あえて質問をする勇気が出ない。それで震える手で膝を抱いた。(小野不由美「十二国記 1 月の影 影の海『上』」より引用)
・それをおしのけるようにして、「一人で行けば」そっけなく云った。(栗本薫「翼あるもの3」より引用)
・そんなことがあるわけがない、と自分に言い聞かせて、そっけなく答えた。(大野木寛「ラーゼフォン夢みる卵」より引用)
・いまのようにそっけない態度をとるようになったのはいつごろからかと、文四郎は考えてみる。やはり一年ほど前からである。(藤沢周平「蝉しぐれ」より引用)
・いかにして家から脱出するかに頭がいっぱいで、ラッキーにはそっけなかったのだ。(姫野カオルコ「昭和の犬」より引用)
・早く家に帰ってカルピスを飲みたがっていたせいで、いつもよりもそっけなかった。(小池真理子「墓地を見おろす家」より引用)
・「さあ、よそのことは知りませんな」案内係は急にそっけない声になった。(森村誠一「高層の死角」より引用)
・「いいわ」と、下をむいたまま、エラはそっけなくジョンに抱かれた。(森瑤子「望郷」より引用)