「金科玉条(きんかぎょくじょう)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
読み方:きんか ぎょくじょう
別表記:金科玉條
金科玉条とは、金科玉条の意味
金科玉条(きんかぎょくじょう)とは「必ず守るべき、極めて大事な、究極的な決まりごと」の意味で用いられる表現。人が「絶対的な拠り所」とするような、法律、規則、個人の信条、などを指す語。
金科玉条の語の由来・語源
金科玉条は「金科」と「玉条」を併置した表現であり、「金科」も「玉条」も「宝石や財産のように大切な、規則や法律の条文」といった意味合いの類義語である。たとえるなら「良妻」と「賢母」を並べて「良妻賢母」というように、似た語彙を並べて意味を強調する種類の表現である。
金科玉条は、前漢の文人・揚雄の「劇秦美新」に由来するとされる故事成語である。(「劇秦美新」は「文選」に収められている)。揚雄は、前漢の頃に王莽が新王朝を建国した際、新王朝における規律を「金科玉条」と形容して賞賛した。
なお「金科玉条」と同じ意味の漢語に「金科玉律」があり、現代中国語ではこちらの「金科玉律」の方が一般的に用いられている。
金科玉条の語の使い方(用法)、例文
金科玉条には、信条とする決まり事を必ず守り通そうとする決意のニュアンスを含む。押し付けられた「絶対的なルール」という意味合いで用いられる場合もなくはないが、自ら固持しようと誓った揺るがない心情の表現として用いられる場合が多い。
- 恩師の教えを金科玉条としてこれからも歩んでいこうと誓った
- 私にはレシピの分量が金科玉条であって目分量もアレンジも考えられない
- 欧米の自動車メーカーは「カーボンニュートラル」を金科玉条に電動化を推進している
金科玉条の類語と使い分け方
金科玉条の類義語としては、まずは「金科玉律」が挙げられる。これは類義語というより同義語である。
絶対に従わなくてはならない事柄、という意味では「至上命令」などの表現が類義語として挙げられる。ただし至上命令は、もっぱら指示・命令・課題などを指して用いられる表現であり、規則を重んじる「金科玉条」とは使い所が異なる。ちなみに、「至上命題」は、もともとは「至上命令」の誤用である。
規則や決まりごとについて「絶対に従わなくてはならない」という趣旨を述べる表現としては、「承詔必謹(詔を承りては必ず謹め)」などの表現も挙げられる。この「承詔必謹」は聖徳太子が制定したとされる「十七条憲法」の第三条に見いだされる。ただし「承詔必謹」は、天皇の命(詔)が絶対であることを特に意味する表現であり、やはり「金科玉条」とは使い所が異なる。
字面が似通う語彙に「黄金律」などもあるが、これは有益で深淵な含蓄のある教訓のことである。特に主にキリスト教における教えを指すことが多い。
金科玉条の英語
金科玉条は、英語では「golden rule」と訳されることが多い。ただし golden rule は日本語の「黄金律」に対応する語であり、多少ニュアンスの齟齬がある。「絶対に正しい規則」という意味で「infallible rule」と表現することはできる。なお、「絶対的なルール」という意味で「absolute rule」とでも表現したいところだが、absolute rule は「独裁的支配体制」を指す意味があって誤解を招きかねない。
読み方:きんかぎょくじょう
金科玉条とは、金科玉条の意味
金科玉条とは、守るべき法律や個人が拠り所となる絶対的なルールという意味のこと。英語では golden rule、ニュアンスを伝えるためには stick fast to~と表現されることもある。由来は中国の詩文集にある、新しく誕生した王朝と体制を賛美した一文が語源となった四字熟語である。昔の中国で発生した事柄から得た教訓でもあるため、故事成語の一つに数えられる。
金科玉条の金科、玉条は共に中国の故事が語源とされていて、日本に伝わったのは奈良時代である。金や宝石と同じように規則が大切であった時代から使われている四字熟語で、その時代を表すように金と玉は大切なもの、科と条は規律や規定、法律という意味がある。
金科玉条の語の例文や使い方、類語
例文は「彼は金科玉条を守ろうとしている。」あるいは、「私は恩師の教えを金科玉条としている。」などがあり、類語には掟や名分、正義などが挙げられる。なお、言葉の意味は非常に大切な法律や規定、個人が大事にしている決め事となるが、融通が利かない様子という意味で使われることもある。よって、良くも悪くも頑固、自我を通すと捉えられる面もあり、使い方にはポジティブな場合とネガティブな場合の両方が見受けられる。道理に則った金科玉条か自己中心的な金科玉条かでそのニュアンスが異なるため、使い方には注意が必要だ。