関東鉄道常総線とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

常総線
常総線を走行するキハ5000形(2023年7月 水海道駅 - 小絹駅間)
概要
起終点 起点:取手駅[1]終点:下館駅[1]
駅数 25駅[1]
運営
開業 1913年11月1日 (111年前) (1913-11-01)
所有者 常総鉄道常総筑波鉄道関東鉄道
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線総延長 51.1 km (31.8 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)[1]
電化 全線非電化
運行速度 90km/h[2]
路線図
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停車場・施設・接続路線
凡例 常磐線各駅停車快速 0.0 取手駅 1.6 西取手駅 2.1 寺原駅 3.4 新取手駅 4.2 ゆめみ野駅 5.4 稲戸井駅 6.3 戸頭駅 7.4 南守谷駅 9.6 守谷駅 つくばエクスプレス 11.4 新守谷駅 常磐自動車道 13.0 小絹駅 南水海道信号所 水海道車両基地 17.5 水海道駅複線単線 新八間堀川 19.3 北水海道駅 20.9 中妻駅 23.9 三妻駅 首都圏中央連絡自動車道 27.2 南石下駅 28.8 石下駅 31.0 玉村駅 33.0 宗道駅 36.1 下妻駅 38.7 大宝駅 41.0 騰波ノ江駅 43.6 黒子駅 野殿駅 -1950年頃 鬼怒川線 47.3 大田郷駅 大谷川 51.1 下館駅 水戸線 真岡鐵道真岡線

常総線(じょうそうせん)は、茨城県取手市取手駅から同県筑西市下館駅までを結ぶ関東鉄道鉄道路線である。路線名は、沿線が旧常陸国と旧下総国にまたがることに由来する。

関東平野のほぼ中央、利根川水系の鬼怒川にほぼ並行して南北に走る、東京圏の通勤路線としては珍しい全線非電化の路線。水海道駅を境に複線化されている南側は他社線との乗り換えにより東京方面への通勤を担う路線としての性格を持ち、北側の単線区間は田園地帯を走って鬼怒川沿いの集落を結ぶローカル線の性格が強い。

概要

かつては各市街地を除いて沿線のほとんどが田園地帯であったが、1960年代に東洋観光興業造成の住宅街(新取手)が開発されて以降、1970年代 - 1980年代にかけ、常総ニュータウン戸頭、南守谷、新守谷)やパークシティ守谷(戸頭、南守谷)など大規模開発によりベッドタウン化が進んだ。急増した人口に対応すべく、日本住宅公団などから資金分担を得て、全線単線であった路線のうち取手 - 水海道間を1980年代までに複線化している[3]。その結果、非電化私鉄でありながら、17.5 kmに及ぶ複線区間が存在する全国的に見ても珍しい路線となっている。

常総線が全線非電化である理由は、茨城県石岡市に所在する気象庁地磁気観測所との兼ね合いの結果で、かつては地磁気観測に影響を与えない直直デッドセクション方式による直流電化を目指し実験を行ったものの(詳細は「交流電化」を参照)、変電所が多く必要になり費用負担が大きくなることが判明、当面非電化での営業を続けるとしたためである。1990年代以降は高出力の新型気動車を相次いで新造・投入しスピードアップを図っている。2005年にはつくばエクスプレスが開業し、途中の守谷駅も東京方面への乗換駅になるなど環境が変化している。

サイクルトレイン」を実施しており、水海道駅 - 大田郷駅間で9時30分 - 14時30分に乗車する場合に限って、1人1台まで自転車を無料で列車内に積み込むことができる[4]

ICカードPASMO」「Suica」が利用できる。ただし竜ヶ崎線を含め、交通系ICカード全国相互利用サービスは対象外であり、関東地方以外で発売されている「ICOCA」や「SUGOCA」などは使用不可である[6]

鉄道むすめの「寺原ゆめみ」をキャラクターに起用している。名前の由来は寺原駅ゆめみ野駅から。

路線データ

停車駅

歴史

1911年明治44年)、常総鉄道線の敷設に際し「下館 - 水海道 - 佐貫」の計画案と「下館 - 水海道 - 取手」の計画案がほぼ同時期に申請され、両者の話し合いの結果、佐貫計画案の事業者が申請を取り下げたため現在の路線が建設された。

運行形態

普通列車と快速列車が運行されている。おおむね取手駅 - 水海道駅間の複線区間と水海道駅 - 下館駅間の単線区間で運転系統が分離されており、取手側は運行密度の高い通勤路線、下館側は少ない運行本数に快速運転を織り交ぜたローカル路線となっている。もともとは全列車が各駅停車で運行されていたが、つくばエクスプレス開業に伴い、守谷 - 下館間にて快速列車の運行を開始している。

全区間でワンマン運転を行っている。複線区間の全駅および単線区間のうち石下駅・下妻駅・下館駅では運賃収受を駅で行い、単線区間のその他の駅では運賃収受を列車内で行う。ただし、PASMO・Suicaについてはいずれも駅設置の改札機を利用する。

複線・単線両区間を直通する列車もあるが、行先表示に「水海道乗換下館」「水海道乗換取手」などと、実際にはその列車自体は直通しない行先が並列で表記されている場合がある[42]。それらの列車は水海道駅にて乗り換えのしやすい接続列車が出ることを示しており、一部の時刻表サイト等においてはこの「水海道乗換○○」表記の列車とそれに接続する列車の2本を直通の1本の列車として扱っているところもある[43]。乗換列車が守谷駅発着の場合は「守谷乗換」のような表記はされない。駅掲出の時刻表や関東鉄道が配布している路線時刻表では、水海道乗換の列車はあくまで下館(下妻)行きであり、水海道での乗り換えを要する旨が記載されているほか、守谷駅からの接続列車がある場合についても記載がある。

つくばエクスプレス開業に合わせて行われたダイヤ改正で、取手駅 - 水海道駅間の列車が原則として2両編成となった時には水海道駅を越えて下妻・下館方面へ直通する列車が約半数となったが、2005年12月のダイヤ改正以降、日中の直通運転は再び減少していた。2017年3月4日より、一部を除く日中の列車が全線直通運転となった。これにより、取手駅 - 水海道駅間の日中の運行が1両編成となった。

普通列車

取手駅 - 水海道駅間(複線区間)

水海道駅 - 下館駅間(単線区間)

快速列車

2005年8月24日から運行を開始した。運転開始当初は朝に上り3本、夕に下り3本の計3往復。2005年12月10日のダイヤ改正で1日6往復に増発され、運行時間帯が日中にも拡大した。平日朝・夕のみ取手駅 - 下館駅間を直通運転し、それ以外の時間帯および土休日は守谷駅 - 下館駅間で運行されるほか、早朝に下妻発下館行が1日1便運行されている時期もあった。全線を直通する列車も含め取手駅 - 守谷駅間は各駅に停車する。守谷駅 - 下館駅間の最短所要時間は44分[44]で、守谷でつくばエクスプレスに乗り換えることができるため、守谷以北では常総線経由で東京へ向かう時間が大幅に短縮された。ただ水海道駅 - 下館駅間からの旅客増加には成功したが、大幅な収益増につながる数値ではない。

快速といえど、先行する普通列車を途中駅で待避させての追い抜きは行わない。ただし守谷駅は追い抜き対応に改良されているほか、石下駅にも待避線を設置するスペースが準備されている。通過駅を通過する際にポイントの速度制限があり、その都度減速をしている。これを改善するため、2007年度に大宝駅へ行き違い設備の新設を行ったほか、2009年度には単線区間各駅の同時進入改良工事が実施されているが、さらなる高速化と多頻度化を求める声は多い。2011年度以降、新車投入や設備改良を行い、終日概ね毎時上下どちらか1本の1日10往復を目標に増発する計画がある[45]

利用状況

つくばエクスプレス開業後の旅客動向

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 問題箇所を検証し出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2009年10月)

つくばエクスプレス開業以前、常総線内各駅から東京方面へ向かう際は、取手駅でJR常磐線に乗り継ぐのが一般的なルートであり、取手駅の乗降客数は線内最多で、最盛期には3万人近くであった。現在は1万6千人ほどとなっている。輸送密度が最も高い区間も取手 - 西取手間であり、上り列車は取手駅に近づくにつれて車内が混雑し、下り列車は取手駅から遠ざかるほど車内が閑散としていくピラミッド型の通勤路線であった。

つくばエクスプレス開業後、取手駅一辺倒であった利用者は、つくばエクスプレス線との接続駅である守谷駅との間で分散したが、都心への所要時間が短く(つくばエクスプレス快速=秋葉原 - 守谷間約30分、JR常磐線快速=上野 - 取手間約40分)、ターミナルもより都心部に近いつくばエクスプレス線を利用する流れが強まっている。現在の乗降客数トップは守谷駅となっている。

この結果、従来守谷駅付近から常総線と常磐線で都心に向かっていた利用者をつくばエクスプレスに奪われたほか、守谷 - 取手間だけ常総線の乗車距離が短くなった分、トータルで減収となるため、ワンマン化・運賃値上げや、快速の設定で水海道 - 下館間からの利用者の掘り起こしをはかるなどの対応策を打ち出している。

輸送実績

常総線の近年の輸送実績を下表に記す。 表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

| 年度別輸送実績 | | | | | | | | ------------ | ---------------- | -------- | ------- | ---------- | ----- | | | 年 度 | 輸送実績(乗車人員):万人/年度 | 輸送密度人/1日 | 特 記 事 項 | | | | | 通勤定期 | 通学定期 | 定 期 外 | 合 計 | | | | | 1975年(昭和50年) | 398.6 | 226.2 | 337.2 | 962.0 | 5,151 | | | 1976年(昭和51年) | 411.3 | 207.0 | 328.3 | 946.6 | 4,931 | | | 1977年(昭和52年) | 413.9 | 198.4 | 345.7 | 958.1 | 4,866 | | | 1978年(昭和53年) | 422.7 | 192.7 | 336.3 | 951.8 | 4,734 | | | 1979年(昭和54年) | 429.1 | 179.9 | 347.4 | 956.5 | 4,676 | | | 1980年(昭和55年) | 445.8 | 181.9 | 357.4 | 985.1 | 4,714 | | | 1981年(昭和56年) | 453.2 | 183.4 | 346.8 | 983.5 | 4,641 | | | 1982年(昭和57年) | 467.9 | 177.5 | 351.4 | 996.8 | 4,707 | | | 1983年(昭和58年) | 479.7 | 172.8 | 350.3 | 1002.8 | 4,702 | | | 1984年(昭和59年) | 465.3 | 171.5 | 339.1 | 976.0 | 4,518 | | | 1985年(昭和60年) | 459.6 | 173.5 | 357.0 | 990.1 | 4,563 | | | 1986年(昭和61年) | 460.6 | 194.7 | 342.1 | 997.4 | 4,600 | | | 1987年(昭和62年) | 469.1 | 204.8 | 332.8 | 1006.7 | 4,607 | | | 1988年(昭和63年) | 499.5 | 214.5 | 355.5 | 1069.5 | 4,806 | | | 1989年(平成元年) | 529.2 | 230.5 | 378.3 | 1138.0 | 5,107 | | | 1990年(平成2年) | 555.6 | 262.7 | 402.8 | 1221.1 | 5,467 | | | 1991年(平成3年) | 594.9 | 286.6 | 441.0 | 1322.5 | 5,915 | | | 1992年(平成4年) | 624.5 | 295.3 | 453.6 | 1373.5 | 6,178 | | | 1993年(平成5年) | 623.4 | 304.4 | 470.0 | 1397.8 | 6,299 | | | 1994年(平成6年) | 622.3 | 313.9 | 470.1 | 1406.3 | 6,398 | | | 1995年(平成7年) | 621.8 | 315.9 | 477.8 | 1415.5 | 6,425 | | | 1996年(平成8年) | 616.0 | 306.5 | 473.5 | 1396.0 | 6,353 | | | 1997年(平成9年) | 610.0 | 296.9 | 464.2 | 1371.1 | 6,246 | | | 1998年(平成10年) | 606.6 | 293.9 | 447.6 | 1348.1 | 6,085 | | | 1999年(平成11年) | 580.9 | 286.9 | 411.7 | 1279.5 | 5,686 | | | 2000年(平成12年) | 573.2 | 274.2 | 403.7 | 1251.1 | 5,537 | | | 2001年(平成13年) | 559.7 | 260.0 | 400.6 | 1220.3 | 5,389 | | | 2002年(平成14年) | 533.3 | 243.5 | 395.7 | 1172.5 | 5,188 | | | 2003年(平成15年) | 509.8 | 241.1 | 399.6 | 1150.5 | 5,125 | | | 2004年(平成16年) | 500.6 | 239.0 | 405.5 | 1145.1 | 5,186 | | | 2005年(平成17年) | | | | 1094.5 | | | | 2006年(平成18年) | | | | 1043.1 | | | | 2007年(平成19年) | | | | 1051.9 | | | | 2008年(平成20年) | | | | 1039.2 | | | | 2009年(平成21年) | 425.4 | 184.0 | 379.2 | 988.6 | 3,680 | | | 2010年(平成22年) | | | | 945.8 | | | | 2011年(平成23年) | | | | 916.3 | | | | 2012年(平成24年) | 393.2 | 184.5 | 371.6 | 949.3 | 3,592 | | | 2013年(平成25年) | 400.9 | 186.6 | 374.9 | 962.4 | 3,625 | | | 2014年(平成26年) | 427.1 | 195.2 | 368.3 | 990.6 | 3,708 | | | 2015年(平成27年) | 424.2 | 199.3 | 365.7 | 989.2 | 3,586 | | | 2016年(平成28年) | 418.0 | 200.3 | 373.6 | 991.9 | 3,759 | | | 2017年(平成29年) | 423.2 | 199.7 | 377.6 | 1000.5 | 3,841 | | | 2018年(平成30年) | 428.2 | 205.7 | 386.6 | 1020.4 | 3,897 | | | 2019年(令和元年) | 446.6 | 211.7 | 377.5 | 1035.8 | 3,883 | | | 2020年(令和2年) | 377.4 | 141.4 | 250.8 | 769.5 | 2,770 | | | 2021年(令和3年) | 370.7 | 177.6 | 285.4 | 833.7 | 3,105 | |

収入実績

常総線の近年の収入実績を下表に記す。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年度別収入実績
年 度 旅客運賃収入:千円/年度 運輸雑収千円/年度 総合計千円/年度
通勤定期 通学定期 定 期 外 手小荷物 合 計
1975年(昭和50年) 540,062 ←←←← 599,708 8,461 1,148,231 47,622 1,195,853
1976年(昭和51年) 662,640 ←←←← 723,645 9,524 1,395,759 46,406 1,442,215
1977年(昭和52年) 670,711 ←←←← 746,877 10,919 1,428,508 54,848 1,483,357
1978年(昭和53年) 782,668 ←←←← 867,746 8,547 1,658,962 56,118 1,715,081
1979年(昭和54年) 809,526 ←←←← 886,973 9,578 1,706,077 54,430 1,760,507
1980年(昭和55年) 817,927 ←←←← 879,388 7,485 1,704,801 58,643 1,763,445
1981年(昭和56年) 910,061 ←←←← 963,676 4,111 1,877,848 66,597 1,944,446
1982年(昭和57年) 968,233 ←←←← 985,993 2,352 1,956,578 64,759 2,021,336
1983年(昭和58年) 1,033,447 ←←←← 1,047,359 2,157 2,082,963 68,984 2,151,946
1984年(昭和59年) 1,047,155 ←←←← 1,059,265 0 2,106,420 67,661 2,174,080
1985年(昭和60年) 1,029,243 ←←←← 1,122,603 0 2,151,846 70,832 2,222,678
1986年(昭和61年) 1,102,092 ←←←← 1,101,391 0 2,203,483 70,945 2,274,428
1987年(昭和62年) 838,327 332,689 1,101,016 0 2,272,367 113,888 2,386,255
1988年(昭和63年) 876,393 357,710 1,143,715 0 2,377,818 113,324 2,491,142
1989年(平成元年) 935,994 382,267 1,212,517 0 2,530,778 113,202 2,643,980
1990年(平成2年) 989,151 422,836 1,296,960 0 2,708,947 122,323 2,831,270
1991年(平成3年) 1,074,057 456,092 1,421,827 0 2,951,976 131,904 3,083,880
1992年(平成4年) 1,130,253 478,368 1,465,059 0 3,073,680 128,838 3,202,518
1993年(平成5年) 1,126,374 505,306 1,493,693 0 3,125,373 133,877 3,259,250
1994年(平成6年) 1,127,897 530,836 1,658,733 0 3,158,867 138,459 3,297,326
1995年(平成7年) 1,124,677 542,215 1,511,556 0 3,178,448 143,248 3,321,696
1996年(平成8年) 1,112,099 524,251 1,506,540 0 3,142,890 150,927 3,293,817
1997年(平成9年) 1,102,850 513,359 1,473,753 0 3,089,962 150,611 3,240,573
1998年(平成10年) 1,102,455 502,545 1,402,277 0 3,007,277 150,234 3,157,511
1999年(平成11年) 1,042,551 491,190 1,269,213 0 2,802,954 129,523 2,932,477
2000年(平成12年) 1,026,265 474,849 1,232,171 0 2,733,285 133,794 2,867,079
2001年(平成13年) 998,374 452,741 1,220,060 0 2,671,175 122,032 2,793,207
2002年(平成14年) 954,639 428,706 1,205,559 0 2,588,904 115,774 2,704,678
2003年(平成15年) 925,046 430,384 1,205,067 0 2,560,497 117,646 2,678,143
2004年(平成16年) 922,177 429,008 1,228,856 0 2,580,041 120,864 2,700,905
2005年(平成17年)
2006年(平成18年)
2007年(平成19年)

混雑率・集中率

2020年度の最混雑区間は西取手駅取手駅(7:20-8:20)で、混雑率は50%である[46]

| 年度 | 最混雑区間輸送実績[47] | 特記事項 | | | | | | | ------------ | ---------------------------------- | ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- | --------- | ---- | ---- | --- | | | 時間帯 | 運転本数 | 輸送力(1両当り):人 | 輸送量:人 | 混雑率 | 集中率 | | | | 1989年(平成元年) | 7時- | 4両×5本3両×2本 | 3510(135) | 4779 | 136% | 41% | | | 1996年(平成8年) | 7:14- | 4両×8本 | 4544(138) | 5600 | 123% | 36% | | | 2002年(平成14年) | 7:10- | 4両×8本 | 4480(140) | 4332 | 97% | 32% | | | 2005年(平成17年) | | 首都圏新都市鉄道開業 | | | | | |

車両

2両編成

料金箱や整理券発券機などは設置されていないものの、運用される車両はすべてワンマンおよび快速運転に対応している。2005年8月24日のダイヤ改正で水海道駅 - 下館駅間への車掌乗務(ツーマン)による直通運用が増加している。ただし快速列車についてはワンマン運転となっている。その後同年12月10日のダイヤ改正では利用実態に応じ2両編成の水海道駅 - 下館駅間への直通が減少している。

キハ0形

国鉄キハ20系気動車の車体新製車。新潟鐵工所製の001 - 008の8両が在籍。履歴上は新製扱い。後述のキハ310形と形態的に似ているが、側ドアがステンレス化されて窓が大きくなったほか、乗務員室ドア脇の雨樋が埋め込まれ、貫通路に幌が付くなどの違いがあった。前頭部の貫通路は在来車と同じく手摺のみであった。キハ900形以来久しぶりに行先表示器が前面に取り付けられている。取手駅列車衝突事故後に貫通路脇の手摺の使用をやめ、その代わりとして幌による連結に改造されたため、前面の印象が変わった。さらにワンマン運転に向けてワンマン化改造が施され、各ドア上部にLEDの駅名案内表示器が新設された。新製時から001+002といった固定編成で組成され、半永久連結器での連結を基本とするが、3両編成に組成される場合は非運転台側の連結器を密着自動連結器に交換の上、組成される。

キハ2100形

新潟鉄工所製の自社発注車(1993年1995年 - 1996年)。2101 - 2112の12両。自動空気ブレーキを使用しているため、在来車と併結可。2次車(2105 - 2108)以降はLED式方向幕を装備、側ドアのドアエンジンもコンパクト化されたほか、冷房の吹き出し口の増設や乗務員室扉下にルーバー新設など細部が変更されている。常総線で初めて車いすスペースが設けられた。その後、ワンマン化改造に伴い、各ドア上部にLEDの駅名案内表示器が新設された。

キハ2300形

新潟鉄工所製の自社発注車(2000年 - 2002年)。2301 - 2310の10両。基本仕様は2100形に準ずるが、電気指令式ブレーキを装備しているため、在来の他形式とは併結できない。外観上は運転席側面の小窓の有無で区別できる。その後、ワンマン化改造に伴い、各ドア上部にLEDの駅名案内表示器が新設された。ただし、3次車(2309・2310)は新製時よりワンマン運転対応である。

1両編成

すべて両運転台のワンマン車両で、車内に料金箱や整理券発券機などを有する。かつては水海道駅 - 下館駅間の限定運用であったが、つくばエクスプレス開業後に守谷駅まで乗り入れるようになり、2017年3月4日以降の日中は取手駅まで運行している。

キハ2200形

新潟鐵工所製の自社発注車。2201 - 2204の4両。単線区間の無人駅では前ドア1か所が乗降口となるため、運賃収受をしやすくするため車端部の扉を片開きとし、乗務員室側に寄せている。快速運転対応。

キハ2400形

新潟トランシス製の自社発注車(2004年 - )。2401 - 2406の6両。キハ2200形をベースに、電気指令式ブレーキ化や、保安ブレーキの二重化のほか、新製時より各ドア上部に駅名案内装置を設置した両運転台の車両。快速運転対応。

キハ5000形

新潟トランシス製の自社発注車(2009年 - )。5001 - 5004の4両が在籍。キハ2400形をベースに、新型エンジンや台車、塗装の変更など、従来車と差別化を図った。快速運転対応。

キハ5010形

2016年度に2両を導入。新潟トランシスにて製造の両運転台車。2017年2月25日より営業運転を開始[48][49][50][51]

キハ5020形

2018年度に2両を導入。新潟トランシスにて製造の両運転台車。2019年3月3日より営業運転を開始[52]鹿島臨海鉄道8000形気動車と同様、前部標識灯が上部になった。

機関車

DD502形

日本車輌製の自社発注車。DD502の1両。セミセンターキャブのロッド式ディーゼル機関車。昭和49年の貨物営業廃止後は、取手 - 水海道間の複線化工事に伴う貨車の牽引、下館 - 水海道車両基地間の譲渡車両・新製車両の回送に用いられており、稼働することは少なくなっている。このほか、臨時のイベント列車を牽引するほか、水海道車両基地内での体験乗車などにも用いられている。

関東鉄道グループのロッド式ディーゼル機関車として、他に筑波鉄道にセンターキャブのDD501形(新三菱重工製)、鹿島鉄道にセンターキャブのDD901形(日本車輌製)があった。

過去の車両

常総筑波鉄道の時代の1950年代から気動車導入を本格推進し、関東鉄道成立後に至るまで、自社発注車・国鉄払下げ車・客車や電車の改造など様々な手段で気動車を調達。特に常総線は東京に最も至近な路線であることから、輸送力増強策として総括制御の大型気動車投入が積極推進され、小田急電鉄南海電気鉄道からは、平坦線では持て余されることの多い長距離用の2エンジン気動車まで調達して無動力トレーラをけん引できる通勤仕様に改造した。1950年代-1960年代の気動車導入の旺盛さでは関西滋賀県江若鉄道と並び称される存在で、中古車の払下げ調達ではしばしば競合したという。1969年の江若鉄道線廃止時には同社からも中古車を大量購入している。

自社発注車

キハ42002形からキハ900形はすべて常総筑波鉄道時代に日本車輌製造東京支店で新製された車両である。いずれも「バス窓」で製造された。キハ500・800・900形は製造時からステップは取付けられていなかった。


転入車

廃車一覧

記号番号
1969 キサハ54、(キハ83鉾田線へ)
1970 キサハ51、キサハ52、キサハ55、(キサハ50廃車時筑波線)
1972 キハ81、キハ40084・40085
1974 キハ82
1976 キハ41021
1977 キサハ61
1978 (キクハ11筑波線へ)
1983 キサハ65・67
1984 キクハ2-4、キサハ66
1985 キクハ1、キハ615
1987 キハ754
1988 キハ551、キハ611-614、キハ703、キハ704、キハ751・752、キハ753
1989 キハ701・702、キハ721、キハ755、キハ813
1991 キハ501・502
1993 キハ801-805
1995 キハ901・902

駅一覧

全駅茨城県に所在。

快速停車駅

●:停車、|:通過

駅員

◎:終日配置、○:一部時間帯配置、×:終日無配置

線路

||:複線区間、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能)、∨:これより下は単線、∧:終点(交換可能)

駅名 駅間キロ 累計キロ 快速 駅員 接続路線 線路 所在地
取手駅 - 0.0 東日本旅客鉄道:■常磐線 快速上野東京ライン〉(JJ 10)・ 各駅停車 (JL 32)) |
西取手駅 1.6 1.6 × |
寺原駅 0.5 2.1 × |
新取手駅 1.3 3.4 × |
ゆめみ野駅 0.8 4.2 × |
稲戸井駅 1.2 5.4 × |
戸頭駅 0.9 6.3 |
南守谷駅 1.1 7.4 × |
守谷駅 2.2 9.6 首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス (TX15) |
新守谷駅 1.8 11.4 |
小絹駅 1.6 13.0 × |
水海道駅 4.5 17.5 常総市
北水海道駅 1.8 19.3 ×
中妻駅 1.6 20.9 ×
三妻駅 3.0 23.9 ×
南石下駅 3.3 27.2 ×
石下駅 1.6 28.8 ×
玉村駅 2.2 31.0 ×
宗道駅 2.0 33.0 × 下妻市
下妻駅 3.1 36.1
大宝駅 2.6 38.7 ×
騰波ノ江駅 2.3 41.0 ×
黒子駅 2.6 43.6 × 筑西市
大田郷駅 3.7 47.3 ×
下館駅 3.8 51.1 東日本旅客鉄道:水戸線真岡鐵道真岡線

駅設備

接近表示機。(2005年7月 - 南石下駅で撮影)

モバイルSuicaでの窓口精算はできない。

パーク&ライド無料駐車場

パーク&ライド駐車場として、石下駅以北にある下記の8駅で常総線利用者が無料で駐車できる駐車場がある。この駐車場を利用するには、駐車したい旨を駅係員または乗務員に申し出る必要がある。

脚注

注釈・出典

  1. ^ a b c d e f g 『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』21号 3頁
  2. ^ a b 鉄道事故調査報告書 (PDF) - 運輸安全委員会
  3. ^ 谷和原の歴史 通史編(谷和原村史編さん委員会)
  4. ^ サイクルトレイン - 関東鉄道(2017年9月24日閲覧)
  5. ^ 3月16日(金) 関鉄グループ全路線交通系ICカード導入のお知らせ (PDF) - 関東鉄道
  6. ^ グループの路線バスは2018年3月16日よりPASMOと相互利用可能な全ICカードが利用できるようになった[5]
  7. ^ a b c d e 『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』21号 9頁
  8. ^ 「地方鉄道駅設置」『官報』1926年8月21日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 関東鉄道株式会社社史編集室『関東鉄道株式会社70年史』関東鉄道株式会社、1993年3月、83頁。
  10. ^ 守谷町史(守谷町史編さん委員会/守谷町)
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』21号 10頁
  12. ^ 「走る列車で大捕物 常習トバク團三五名検挙」『日本経済新聞』昭和25年10月29日2面
  13. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』21号 11頁
  14. ^ 「私鉄年表」『私鉄車両編成表 '85年版』ジェー・アール・アール、1985年8月1日、140頁。
  15. ^常総線開業1000周年記念サイト”. 関東鉄道. 2013年12月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月16日閲覧。
  16. ^ 常総線駅窓口営業時間の一部変更について (PDF) - 関東鉄道(2010年2月4日付)
  17. ^ 関東鉄道常総線再生計画の見直しについて (PDF) - 常総市(2010年3月12日閲覧)
  18. ^ 常総線ダイヤ改正のお知らせ - 関東鉄道(2010年2月27日閲覧)
  19. ^ 常総線駅窓口営業時間の一部変更について (PDF) - 関東鉄道(2010年8月5日付)
  20. ^ 新駅「ゆめみ野駅」開業概要について - 関東鉄道(2010年12月21日付)
  21. ^ 常総線4駅の駅係員不在時間の拡大について (PDF) - 関東鉄道(2013年1月25日付)
  22. ^ 常総線3駅の無人化について (PDF) - 関東鉄道(2013年5月2日付)
  23. ^ 有人改札・窓口営業時間の短縮について (PDF) - 関東鉄道(2013年5月13日付)
  24. ^ 石下駅水没 - 茨城新聞(共同通信47NEWS)、2015年9月11日
  25. ^ 関東・東北で鉄道各線の運休続く…東武は橋りょう流出 - レスポンス、2015年9月11日
  26. ^台風第18号及び第17号による大雨等に係る被害状況等について(第8報) (2015/09/11 12:00現在)” (PDF). 国土交通省 (2015年9月11日). 2015年9月13日閲覧。
  27. ^ 9月9日~10日の関東地方大雨による影響で長期運休が予想される鉄道路線一覧 - トラベルWatch、2015年9月12日
  28. ^台風第18号及び第17号による大雨等に係る被害状況等について(第13報)(2015/09/14 6:00現在)” (PDF). 国土交通省 (2015年9月14日). 2015年9月17日閲覧。
  29. ^ 関東鉄道常総線など一部再開…関東・東北豪雨 - レスポンス、2015年9月14日
  30. ^台風第18号及び第17号による大雨等に係る被害状況等について(第17報)” (PDF). 国土交通省 (2015年9月16日). 2015年9月17日閲覧。
  31. ^ 関鉄常総線、9月16日から取手〜守谷間再開…小湊鉄道線も運休区間縮小 - レスポンス、2015年9月15日
  32. ^ 常総線運行情報のお知らせ 9月16日(水)より取手駅〜守谷駅間で運行再開 - 関東鉄道、2015年9月17日閲覧
  33. ^ 【東日本豪雨】茨城・常総市で鉄道が一部再開 にぎわい取り戻す - 産経ニュース、2015年9月18日
  34. ^台風第18号及び第17号による大雨等に係る被害状況等について(第19報)” (PDF). 国土交通省 (2015年9月18日). 2015年9月19日閲覧。
  35. ^ 常総線運行情報のお知らせ 9月18日(金)より取手駅〜水海道駅間で運行再開 - 関東鉄道、2015年9月19日閲覧
  36. ^ 常総線下妻駅-水海道駅間で代行バス 関東鉄道、28日から - 茨城新聞、2015年9月25日
  37. ^ 関東・東北豪雨:関東鉄道常総線 1カ月ぶりの全線開通 - 毎日新聞、2015年10月10日
  38. ^ 水海道-下館駅、運行本数8割に 常総線、15日から - 茨城新聞、2015年10月15日
  39. ^ 16日に全線復旧 常総線快速運行 - 茨城新聞、2015年11月16日
  40. ^常総線2割減便 コロナ拡大、利用客減少」『茨城新聞』2020年4月28日。2020年9月7日閲覧。
  41. ^特別ダイヤでの運行終了について”. 関東鉄道. 2020年9月7日閲覧。
  42. ^ LED式の方向幕で「水海道乗換○○(接続列車の行先)」の表示が出ているのは、停車の直前と停車中だけで、発車すると単なる「○○(接続列車の行先)」の表示に切り替わる。あくまで「水海道」という行先表示にはならない
  43. ^ 交通新聞社刊・MY LINE東京時刻表によれば「水海道乗換○○」となる列車は列車番号の下3桁が同数であるものの、千の位の数は異なる。
  44. ^ “常総、龍ケ崎線一部ダイヤ改正”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2017年10月17日)
  45. ^ 関東鉄道常総線再生計画の見直しについて (PDF) - 常総市(インターネットアーカイブの2012年1月18日時点のアーカイブ)
  46. ^最混雑区間における混雑率(令和2年度)” (PDF). 国土交通省. p. 5 (2021年7月9日). 2021年8月21日閲覧。
  47. ^ 草思社『東京圏通勤電車 どの路線が速くて便利か』
  48. ^常総線に新型車両デビュー!2月25日(土)に乗車&撮影会を開催!!”. 関東鉄道 (2017年2月7日). 2017年2月21日閲覧。
  49. ^「キハ5010形!乗車&撮影会」を開催 告知ポスター” (PDF). 関東鉄道 (2017年2月7日). 2017年2月21日閲覧。
  50. ^関東鉄道5010形2両が甲種輸送される”. 鉄道ファン 鉄道ニュース (2017年2月19日). 2017年2月21日閲覧。
  51. ^関東鉄道で『キハ5010形!乗車&撮影会』開催”. 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース (2017年2月26日). 2017年2月27日閲覧。
  52. ^関東鉄道常総線でキハ5020形が営業運転を開始”. 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース (2019年3月3日). 2019年3月25日閲覧。
  53. ^ 西尾恵介『所沢車輌工場ものがたり(下)』ネコ・パブリッシング、2002年2月1日、20頁。ISBN 4-87366-266-4
  54. ^ 「鉄道記録帳2003年10月」『RAIL FAN』第51巻第1号、鉄道友の会、2004年1月1日、19頁。
  55. ^ ありがとう!キハ350形最後の定期運用について【更新】 - 関東鉄道ニュースリリース(2011年8月30日)
  56. ^車両案内|鉄道情報|関東鉄道|地域のふれあいパートナー”. 関東鉄道 (2017年1月16日). 2017年2月21日閲覧。
  57. ^キハ100形「さらば!」…関東鉄道が撮影会イベント 1月8日”. レスポンス (2016年12月9日). 2017年2月21日閲覧。
  58. ^関東鉄道で『キハ100形撮影会』開催”. 鉄道ファン 鉄道ニュース (2017年1月9日). 2017年2月21日閲覧。
  59. ^関東鉄道キハ100形2両が保存先へ陸送される”. 鉄道ファン 鉄道ニュース (2017年1月16日). 2017年2月21日閲覧。
  60. ^ 駅売店 -株式会社関鉄クリエイト

参考文献

交友社鉄道ファン』2004年5月号 - 6月号 No.517 - No.518

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、**関東鉄道常総線**に関連するカテゴリがあります。

外部リンク