「陰性(いんせい)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
読み方:いんせい
英語:negative、negativity、dormant
陰性とは? 陰性の主な意味
陰性(いんせい)とは、主に医学・医療の分野において、病毒などの刺激に対する特有の症状や反応が見られないこと、を意味する語。検索の結果が陰性反応だった状況。ある病気が疑われて検査をしたが証拠は見つからなかったという状況。
2020年前後~2022年現在にかけて、一般的な文脈で「陰性」の語が用いられる場合の大半は、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の感染の有無を検査した結果「ウイルスは検出されなかった」ことを示す。
新型コロナの感染の有無を調べる方法としては「PCR検査」「抗体検査」「抗原検査」などが知られる。これらの検査では、被験者から試料(検体)を採取し、ウイルスの遺伝子やウイルスの存在を示すタンパク質などの有無が確認される。ウイルスの存在が確認されない場合には「陰性」と判断される。陰性であるということは、ウイルスに感染していない可能性が高い。ただし100%「感染していない」と断言できるわけではない。
つまり「陰性」とはどっち?
新型コロナの感染疑いについて、検査結果が「陰性」だった場合、要するに「感染していない」という検査結果が示されたわけである。
陰性と陽性
「陰性」の対義語は「陽性」である。陽性は、刺激に対する特有の症状や反応が明確に見られることである。
ウイルス検査においては、検査によりウイルスの存在が確認された場合は「陽性」である、ということになる。
偽陰性と偽陽性
新型コロナの感染者の中にはほぼ全く無症状の人もいる。検査をすれば「陽性(=感染者)」とわかるが、検査をしなければ「陰性(=非感染者)」との区別はつかない。
PCR検査も、感染の有無を完璧に判定できるわけではない。実際の感染状況とは異なる結果が出ることもある。ウイルスが体内に数個くらい侵入している程度では「感染している」状況に該当しないが、この数個のウイルスが検査のため採取した試料の中にたまたま含まれた場合、検査結果は「陽性」と判断されることになる。こうした状況を「偽陽性」という。逆もまた然りで、感染者から採取した試料の中にたまたまウイルスが含まれていない場合、本当は感染者であるにもかかわらず検査結果は「陰性」となる。これを「偽陰性」という。
陰性反応とは
陰性や陽性は医学用語として幅広く使われている言葉であるが、実際には「陰性反応」や「陽性反応」のことを指しているケースも少なくない。陰性反応とは、「細菌やウイルスに感染しているかどうかを判断するために行われる検査で、被検体が反応しない状態」を指す。つまり、「インフルエンザで陰性だった」という場合は、厳密にいうと「インフルエンザで陰性反応を示した」ということである。陽性においても同様のことが言える。検査によってインフルエンザであることの確定診断が下された場合には、本来は「検査で陽性反応が出た」と表現する。
人柄を形容する表現としての「陰性」とは
「陰性」には、人の気質や性格などが「消極的で暗い印象を与えるさま」を指す意味で用いられる場合がある。
【例】性格が陰性な人。陰性な生活を送っている。陰性な表情を浮かべていた。
この種の語義は「陰気」と言い換えて差し支えなく、現代ではもっぱら「陰気」と表現されている。
陰性水草とは
「陰性水草」は、水草(水面や水中に生える草)のうち、特に強い光が当たらない環境でも生育する水草の総称である。多量の光を提供する(ために本格的な照明を用意する)必要がなく、また生長も緩やかであるため管理しやすい、といった理由で、アクアリウムやテラリウム等の水槽にあしらう植物として人気が高い。
水性水草の具体的な例としては、アヌビアス、ミクロソリウム、ウィローモス等の種が挙げられる。
陰性T波とは
「陰性T波」は心電図の波形の一種である。収縮した心臓が元に戻る動きを示す波形を「T波」という。通常はT波は凸型の波形を示す。しかしT波が凹型の波形を示す場合もある。この凹型のT波が「陰性T波」である。