Eee_PCとは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

Eee PC

製造元 ASUSTeK Computer Inc.
種別 A5ミニノートパソコン
対応メディア 2/4/8GB フラッシュメモリー
OS Xandros / Windows XP
CPU 900MHz Intel Celeron M ULV353
メモリ DDR2-400 256MB (Eee PC 700 Surf) / DDR2-667 512MB (Eee PC 701 4G) 1GB (Eee PC 701 8G)
ディスプレイ 800×480画素 7インチTFT-LCD(LEDバックライト)
グラフィック Intel GMA900相当 (UMA)
入力機器 キーボードタッチパッドカメラ(701のみ)マイクスピーカー
デジタルカメラ 30万画素カメラ(701のみ)
外部接続 10/100Mbit イーサネットIEEE 802.11b/gUSB 2.0×3ポートMMC/SD カードリーダー
電源 リチウムイオン 4セル バッテリー 4400mAH (700 Surf) または5200mAH (701)

Eee PC(イーピーシー)とは、台湾エイスーステック・コンピュータ (ASUS) が製造・販売する低価格ミニノートパソコンの製品名、およびブランドである。読み方は前記の通り「イーピーシー」であり[1]、「イーイーイーピーシー」という記述は誤りである。

名前のEeeは当初「Easy to learn, Easy to work, Easy to play.」を表すものとされていた。後継製品では「Easy,Excellent,Exciting」に変化している。

2007年10月から台湾、11月からは米国で販売を開始した。日本では2008年1月25日に販売を開始した。

特徴

ASUSによって設計・製造された、A5サイズの低価格ミニノート・サブノートパソコンである。初期の製品では、コストと消費電力を抑えるためCPUやチップセットには既存のUMPC用プラットフォームを流用し、さらにストレージにもHDDSSDモジュール等は採用せず、システム基板上にフラッシュメモリ素子を直接搭載する等の思い切った構成を採用している点が特徴である。

コストを抑える一方で、そのハードウェア構成は通常のPC/AT互換アーキテクチャを採用したノートパソコンそのものである。同カテゴリーの製品ではこれまで、IA(x86または互換プロセッサ)やPC/AT互換機とは異なる独自のアーキテクチャを採用したり、PC/AT互換アーキテクチャであっても互換メーカー製の低電力プラットフォームの採用が主流であり、現在我々が日常的に利用している一般的なパソコン用のOSやアプリケーションの実行に際して互換性や相性・パフォーマンス等の問題に煩わされがちだった。対して、Eee PCでは基幹部品にインテル社の製品を採用した堅実な構成で固め、これらの問題を概ね払拭している。このように、新たな市場の掘り起こしも念頭に設計された新商品でありながら、ノートPCとしては手堅い構成である点も特徴の一つと言える。

Eee PCは当初、近年その市場に注目が集まり、製品化や市場開拓の模索が続く発展途上国や、新興工業国・先進国の低所得層向けに、デジタルディバイドの解消等を目的とした低価格なPCやネットワークアプライアンス等の一環として位置づけることも可能な製品とされていた。これらの製品が登場した背景には、100USドル台で販売可能なPCの設計・製造を計画し、$199以下での供給を実現したOLPC・XOの影響を抜きに語ることはできない。

しかしこれらの製品と比較すると、Eee PCは最廉価モデルでも$299からと率直に言ってかなり高価であり、発売から半年余りで累計150万台を売り上げたとされる販売実績も、より高機能・高容量で応用の容易な、有り体に言えばWindows XPの動作が現実的でより高価な上位モデルが主体である。さらに、その販路も当初謳われた発展途上国や新興工業国・先進国の低所得層ではなく、大半が北米やEU、東アジアの先進国や新興工業国の、既にメインとなるPCを所有済みのユーザーの二台目以降や、広帯域のネットワークインフラが充実したこれらの市場でPCを高度な用途に用いる事のないライトユーザーの一台目としての用途であり、メーカーや市場の当初の観測とはややずれた方向で新たな市場を掘り起こすこととなった。

このような需要を汲んだ結果、ASUSでは第二世代の製品群から市場戦略を修正し、後継製品ではEee PCの独自ブランド化と共に性能・容量の向上を図り、製品の単価をさらに上昇させている。その一方で、コモディティ化の進むPC市場をさらに推し進め、$500以下で現行のオペレーティングシステムやアプリケーションを十分に実行可能な性能・容量をもつ安価なミニノートPC(ULPC/ULCPC:Ultra Low-cost PC、ネットブックとも)という製品カテゴリーを開拓した嚆矢として位置づけられつつある。

歴史

製品ラインナップ

スペック(日本仕様)

ASUS Eee PC 4G-X / 4G-XU / 701SD-X / 900-X

Eee PC 901-X

Eee PC 1000H-X

発売日(日本)…2008年10月25日

Eee PC 1000HA

ヤマダ電機オリジナルのモデルである。Eee PC 1000H-Xと比較して、下記の点を簡略化している。

Eee PC S101

発売日(日本)…2008年11月22日

Eee PC 901-16G

発売日(日本)…2008年11月22日

Eee PC 901-Xと比較して、内蔵記憶装置が16GB SSD (Solid State Disk) に変更されている。 バッテリーも8.3時間 (901-X) より、8.1時間 (901-16G) とわずかに減少した。

Eee PC 900HA

発売日(日本)…2009年1月24日
1000HAのディスプレイを900系の8.9インチTFTワイド液晶(WSVGA 1024×600、LEDバックライト)に変更したモデルで、その他にも以下の点が変更されている。

Eee PC 1002HA

発売日(日本)…2009年2月7日

この節の加筆が望まれています。

Eee PC S101H

発売日(日本)…2009年2月7日

この節の加筆が望まれています。

EeePC 1000HE

発売日(日本)…2009年4月4日

EeePC 1000HAE

発売日(日本)…2009年4月4日

この節の加筆が望まれています。

Eee PC 1002HAE

発売日(日本)…2009年5月16日
1002HAからいくつかの改良が施されている。

この節の加筆が望まれています。

上記モデル以降に販売されたPC

海外仕様一覧

以下は台湾本国および日本以外の海外市場における仕様である。

Component Eee PC 2G Surf (700) Eee PC 4G Surf (701) Eee PC 4G (701) Eee PC 8G (702) Eee PC 900 Eee PC 901 Eee PC 1000 Eee PC 1000H
ディスプレイ 7インチ 800×480 TFT液晶(LED バックライト 8.9インチ 1024 x 600 TFT液晶 10.2インチ 1024 x 600 TFT液晶
グラフィック Intel GMA 900 相当(共有メモリ)最大解像度 1600x1200ピクセル(外付VGAモニタ使用時) Intel GMA 950 相当(共有メモリ)最大解像度 2048×1536ピクセル(外付VGAモニタ使用時)
ストレージ 2GB SSD オンボード搭載(取り外し不可) 4 GB SSD オンボード搭載(取り外し不可) 8GB Mini PCI Express SSD 4GB オンボード(取り外し不可) + 8GB Mini PCI Express SSD 4GB Mini PCI Express SSD + 8GB Mini PCI Express SSD 8GB Mini PCI Express SSD + 32GB Mini PCI Express SSD 80 GB HD
CPU 900 MHz Intel Celeron-M ULV 353相当動作クロック 571 MHz 900 MHz Intel Celeron-M ULV 353相当動作クロック 630 MHz (70 MHz x 9) 900 MHz Intel Celeron-M ULV 353相当 1.6 GHz Intel Atom45nm Diamondville N270, Socket 437 FCBG8A 1.6 GHz Intel Atom
メモリ 512 MB DDR2-400オンボード搭載(差し替え不可) 512MB DDR2-533/667SO-DIMMソケット、最大 2 GB 1GB DDR2-533/667SO-DIMMソケット、最大 2 GB 1GB DDR2-533/667SO-DIMMソケット、最大 1 GB
バッテリー 4セルリチウムイオン 4400mAh 7.4V2時間45分 4セルリチウムイオン 4400 / 5200 mAh 7.4V3時間30分 4セルリチウムイオン 4400 / 5800mAh, 7.2V3時間30分 6セルリチウムイオン 6600mAh 7.4V4.2~7.8時間 6セル
カメラ 無し 30万画素最大 640×480 30fps 130万画素
価格 台湾:NT$ 7,999米国:US$ 299 台湾:NT$ 9,990米国:US$ 349.99 台湾:NT$ 11,655欧州:€299 ニュージーランド NZ$ 579米国:US$ 399.99フィリピン:Php₱ 20,000 台湾:NT$ 13,800米国:US$ 499.99 香港:HK$ 3998 英国: £329(€410, 650相当)米国:US650相当)米国:US650相当)米国:US 549 台湾:NT$ 16,988(US$561 / £319 相当)米国:US$ 599 台湾:NT$ 19,988(US$660 / £335 相当)米国:US$ 649 台湾:NT$ 18,988(US$627 / £319 相当)米国:US$ 699
寸法 225 × 165 × 21~35mm 225 x 170 x 20~34mm 226 × 175.3 × 22.9mm 265.9 × 191.3 × 38.1mm
重量 895g 920g 990g 1140g 1330g 1450g
ネットワーク機能 10/100 Mbps Ethernet (Attansic L2)Atheros 802.11b/g 無線LAN mini PCI Expressカード 10/100 Mbps Ethernet (Attansic L2)802.11n 無線LAN mini PCI ExpressカードBluetooth
オペレーティングシステム Custom Xandros Linux Xandros Linux または Windows XP Xandros Linux Windows XP
その他 オーディオ機能: Realtek ALC6628 HDオーディオ 5.1 CODEC; 内蔵ステレオスピーカー; 内蔵マイク コネクター: USB 2.0 3基、MMC/SDHCカードスロット 1基、有線LAN、マイク、ヘッドフォン、AC 電源、VGA出力、ケンジントンロック 筐体カラー: Pearl white (Non-Surf only), Pure white (Surf models only) or Galaxy black; Lush Green, Sky Blue, Blush Pink (spring 2008)

その後の展開

ASUSでは、液晶TVにEee BOX相当の機能を内蔵したモニタ一体型PC Eee TVといった、Eeeブランドの派生製品を企画中とされる。また、Eeeブランドでの成功を元にしたNettop端末(低価格の小型デスクトップPC)としてEee BOXや、Eeeブランドとは異なるUMPCである、N10などを販売している。

日本国内では、2009年1月24日に900シリーズとして初のHDD搭載モデルとなる「Eee PC 900HA」を発売した[2]

ウイルス混入騒動

2008年10月2日に発売された「Eee Box B202」日本版モデルのDドライブがウイルスに感染していることが判明した。これに伴いASUSは「Eee Box」の全ラインナップ製品を無償で回収、交換すると発表した[3]。また、2008年9月20日に発売された「Eee PC 701SD-X」付属の30Gバイトの外付けUSBハードディスクの中にもウイルスが混入されていることが判明し、無償交換を行うと発表した[4]

注釈

  1. ^ COMPUTEX TAIPEIで登場したノートパソコン「Eee PC」を発売決定
  2. ^ ASUSニュースリリース コンパクトで大容量!動画や写真、音楽を快適に持ち運べる「Eee PC 900HA」を発表 - 2009年1月21日
  3. ^ ASUSミニパソコン新製品「Eee Box」でのウイルス混入に関するお詫び ASUSTeK Computer Inc. 2008年10月3日
  4. ^ ASUSTeK、Eee PC 701SD-X付属HDDにウイルスが混入 Impress Watch 2008年10月14日

関連項目

外部リンク