IVDRとは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

この記事に雑多な内容を羅列した節があります。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか、または整理・除去する必要があります。(2014年6月)
この記事は更新が必要とされています。この記事には古い情報が掲載されています。編集の際に新しい情報を記事に反映させてください。反映後、このタグは除去してください。(2017年3月)

iVDRメディア(左)とアダプタ(右)

iVDR(アイブイディーアール)は、Information Versatile Disk for Removable usage[1]の略であり、一般社団法人iVDRコンソーシアムによって策定されているリムーバブルハードディスクの一種。2009年10月25日、ISO/IEC にて iVDR (Standard) が国際標準規格として承認された。

2019年3月31日時点で販売は終了している。[2]

概要

「リムーバブルハードディスク」の名の通りカートリッジにはHDDがまるまる一台内蔵されている。

読んで字のごとく、コンピュータのみならず、ビデオレコーダやオーディオ機器、カーナビなど、あらゆる情報機器でのデータ共有を実現することを目指している。現在は世界に先駆けて商品化したアイ・オー・データ機器よりUSBを用いたパソコン接続用アダプターとiVDRメディアが、また日立よりiVDR対応薄型テレビWooo」やデジタルチューナーが発売されている(かつての子会社だった日立マクセル(現・マクセルホールディングス)がそれに合わせiVDRメディアの製造販売に参入している[3])。マクセルのiVDRには「iV(アイヴィ)」という愛称が、アイ・オー・データ機器のiVDRには「REC-iN(レック・イン)」という愛称が、それぞれ付けられている。

今後、カートリッジ当たりの記録容量を1.5TBに増やした製品の発売や、HDDに代わりSSDを内蔵することが検討されている。

規格

iVDRメディアの規格[4]

iVDR EXは規格を表し、それに対応したメディアをiVDR-EXと称する[5]

iVDR向け著作権保護機能であるSAFIA(サファイア、Security Architecture For Intelligent Attachment device)に対応したiVDR-S (iVDR-Secure) メディアがあり、デジタル放送などを録画する為にはiVDR-Sが必要となる。

このほか、SAFIAに対応し、カートリッジに入っていない規格 (iVDR-Secure Built-in) も存在する。日立の録画機能付テレビにおける「内蔵HDD」として使用されている。

iVDRとiVDR miniはコネクタが共通化されているが、microについてはその薄さから共通化されていない。なお、規格が誕生した当初はパラレルATA方式のインターフェイスが用いられていたが、2003年シリアルATA 26ピンインターフェイスのiVDRが発表され、以後は置き換わっている。パラレルATA方式を用いた規格は「iVDR parallel」と呼ばれている。

ATAに加え、USBに対応したiVDRメディアは「iVDR-i/O(アイ・オー)」と呼ばれる。

iVDR-EXは現状、放送業務における、ファイルベースのノンリニア編集向けメディアとして利用されている。USBモードに切り替えられる放送用あるいは業務用ビデオカメラで記録したハイビジョン映像を、USB アダプターを介してケーブル接続したiVDR-EXに転送(コピー・ダビング)し、アダプターごとコンピューターに繋ぎ変え、そこで編集作業を行ったり、あるいは全く手を付けずにオリジナル記録映像のバックアップ・アーカイブとして、カートリッジ単位で放送局のライブラリーに蓄積したりするのである。今後は、iVDR-EXメディアに対して直接、リアルタイム記録のできる業務用カメラ製品の登場が期待される。

利点

課題

経緯

主な製品

その他

HDD製造最大手の米ウェスタン・デジタル社、同大手の米シーゲイト・テクノロジー社の日本法人(日本シーゲイト)は、かつてiVDRコンソーシアムのGeneral Memberであったが、2014年8月20日現在、当コンソーシアムの会員会社に両社は含まれていない。両社のコンソーシアム脱退に関する件は公式発表されておらず、詳細については不透明である。

シャープは2012年、独自規格のカートリッジHDD「SHDD」を同社のBDレコーダーの録画容量拡張用途に採用することを明らかにした[30]。しかしiVDRとは異なり、一般的なUSB-HDDを繋いで容量を拡張する際のいわゆる「機器バインド」と同様[31]、SHDD内のコピーガードつきコンテンツは、それを実際に録画したシャープ製SHDDスロット搭載BDレコーダーでしか再生できない事から、iVDRコンソーシアムは「なぜiVDRではなく独自規格なのか」とSHDDに不快感を示している(というのも、シャープは2014年8月20日現在もiVDRコンソーシアムのExecutive Memberであり、iVDRコンソーシアム側はiVDRを搭載すると思っていたためである)[8]

脚注

  1. ^ よくある質問(一般社団法人 iVDR コンソーシアム)
  2. ^iVDR-Sカセットハードディスク販売終了!今のうちに買っておきたい!?”. sol740.com. 2022年8月8日閲覧。
  3. ^ 内蔵されるハードドライブはHGST製である
  4. ^ iVDRの規格/仕様
  5. ^ 日立マクセル 業務用製品の例
  6. ^ iVDRコンソーシアム 国内のiVDR製品 コンテンツ 2009年7月31日
    コロムビアミュージックエンタテインメント、クリエイティヴ・コアより、世界初!カセットハードディスク「iV(アイヴィ)」専用ソフト“オーパス・アルテ ハイビジョンオペラ プレミアムセレクション Vol.1”を8/19に発売!~大容量&小型軽量の次世代記録メディア「iV」で楽しむ珠玉の名オペラ集~ (PDF)
  7. ^ iVDRコンソーシアム iVDRの特徴 - どこのメーカーの機器でも再生可能
  8. ^ a b “「iVDR EXPO 2012」開催。USB接続のiVDRも参考展示”. AV Watch. (2012年5月31日). https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/536807.html 2012年6月14日閲覧。
  9. ^ ナタリー - 世界初!桃井はるこが高画質ライブ映像をiVDRでリリース
  10. ^ アイ・オー、iVDRのHDコンテンツ販売に参入 -AV Watch
  11. ^ 桃井はるこ 「しょうわ」歌謡ショー(限定版) | ポータブルハードディスク | IODATA アイ・オー・データ機器 2014年6月確認
  12. ^ GP1シリーズより、日立のテレビ事業は従前の日立コンシューマ・マーケティングからその完全子会社である日立リビングサプライ(日立LS)に移管された。既に日立LSへの移管が完了しているWoooブランドのBDレコーダー(パナソニックのOEM製品)を含め、今後WoooブランドのAV機器関連事業はすべて日立LSが担当する。
  13. ^ ITmedia マクセル、リムーバブルカセットHDD「iV」の販売を終了
  14. ^ 別売の USB-iVDR アダプターと組み合わせてパソコンでの読み書きに使用したり、USB-HDD 録画機能つきデジタルテレビ(東芝〈レグザ〉、シャープ〈アクオス〉等)や、外部 HDD を増設できるPVRに接続して放送録画用途に使用したりすることが可能
  15. ^ 上記アイ・オー・データ機器製 iVDR-S80/160シリーズの後継/容量アップ品。
  16. ^ 日立GST (HITACHI) からHGSTジャパン (HGST) への社名・ブランド名切り替えに伴う措置
  17. ^ “クリエイティヴ・コア、世界初の「iVDR」パッケージソフト”. AV Watch. (2009年7月31日). https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/306289.html 2012年6月14日閲覧。
  18. ^ “アイ・オー、iVDRのHDコンテンツ販売に参入”. AV Watch. (2012年5月31日). https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/536753.html 2012年6月14日閲覧。
  19. ^ 一方は TS モードで録画される。2番組同時録画中はチャンネル切替不可(視聴用チューナー非搭載のため)
  20. ^ VDR-R2000.G50との比較において。
  21. ^ DTCP-IP 対応機器から本機にダビング・ムーブした映像を、LANに接続されたコンピューターを経由して「RHDM-US/EX」に装着したフォーマット済 iVDR-S へムーブ後、日立 Wooo 等の機器で再生することもできる。
  22. ^ DLPA NAS Levelの規定についてはDLPA NASとは|一般社団法人 デジタルライフ推進協会を参照
  23. ^ 従来機 (HVL-AVR) であっても、あらかじめアイ・オー・データ機器のサポートライブラリで配布されているアップデーターを用意し、ファームウェアを更新することにより、REC-iN スロットに iVDR-S を差し込んで利用できる。その他、内蔵HDD容量以外の仕様が HVL-AVS 相当のものに変更される
  24. ^ USB マスストレージクラスに対応。コンピューターでファイルの読み書きを行うにはiVDRが適切な形式(NTFS, FAT32 等)で初期化されていることが条件となる
  25. ^ ハイビジョンテレビ Wooo で TSX24 モードにて録画されたタイトルは本機で再生できない。
  26. ^ かつて日立 GST から発売されていた「iS500AD」に同梱されているアダプターと同一仕様品。
  27. ^ HVL-AVR との組み合わせ時、ネットワークムーブイン機能を利用するには、あらかじめアイ・オー・データ機器のサポートライブラリから最新の「I-O DATA iVDR-S Media Server」を入手し、Windows Vista/7搭載コンピューターにインストールしておく必要がある。
  28. ^ 「iVポケット」と2.5型 1TB HDD(iVDR-S Built-in には非対応)を搭載し、iVDR-S による録画番組の持ち出しと、1TB HDD への長時間録画を両立。
  29. ^ Wooo S08/V09/K09シリーズに搭載されるUSBポートに、iVDR-Sメディアを接続した本製品をケーブル接続すると、本製品は Wooo 側から iV ポケットとして認識されるため、iVDR-S規格に準拠した方式(iVDR/TV-Recordingフォーマット)でデジタル放送を録画することが可能。
  30. ^ “シャープ、独自HDD「SHDD」搭載のBDレコーダ上位機”. AV Watch. (2012年4月17日). https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/526914.html 2012年6月14日閲覧。
  31. ^ SeeQVault対応のUSB-HDDを除く。

外部リンク