Mutually exclusiveとは - わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

排反(はいはん, : mutually exclusive)は論理学確率論における概念の一つ。2つの事象(または命題)が排反である時、それらが同時に起きる(または同時に真となる)ことはない。明確な例として、コインを1回投げた結果の集合が挙げられる。これは表か裏のいずれかになるが、同時に両方となることはありえない。

コイン投げの例では、理論上、両方の結果により集合的に網羅的である。すなわち、少なくともいずれかの結果が発生しなければならず、この二つの可能性のみで全ての可能性を網羅する。しかし、すべての互いに排他的な事象が網羅的であるとは限らない。例えば、一般的なサイコロを一度振った際の結果である1と4は互いに排他的である(両方が同時に起こることはできない)が、網羅的ではない(他の結果の可能性、すなわち2、3、5、6が存在する)。

論理学

論理学においては、2つの命題 ϕ {\displaystyle \phi } {\displaystyle \phi } および ψ {\displaystyle \psi } {\displaystyle \psi } が排反であるとは、それらが同時に真となることが論理的に不可能(英語版)であること、すなわち ¬ ( ϕ ∧ ψ ) {\displaystyle \lnot (\phi \land \psi )} {\displaystyle \lnot (\phi \land \psi )}恒真式であることを指す。 3以上の命題に対する排反性が意味することは文脈によって " ¬ ( ϕ 1 ∧ ϕ 2 ) ∧ ¬ ( ϕ 1 ∧ ϕ 3 ) ∧ ¬ ( ϕ 2 ∧ ϕ 3 ) {\displaystyle \lnot (\phi _{1}\land \phi _{2})\land \lnot (\phi _{1}\land \phi _{3})\land \lnot (\phi _{2}\land \phi _{3})} {\displaystyle \lnot (\phi _{1}\land \phi _{2})\land \lnot (\phi _{1}\land \phi _{3})\land \lnot (\phi _{2}\land \phi _{3})} が恒真式" (同時に2つ以上の命題が真となることは論理的に不可能) または " ¬ ( ϕ 1 ∧ ϕ 2 ∧ ϕ 3 ) {\displaystyle \lnot (\phi _{1}\land \phi _{2}\land \phi _{3})} {\displaystyle \lnot (\phi _{1}\land \phi _{2}\land \phi _{3})} が恒真式" (すべての命題が同時に真となることは論理的に不可能)のいずれかとなる。なお、「対ごとに排反、互いに排反(: pairwise mutually exclusive)」という場合は前者の意味となる。

確率論

確率論においては、 n {\displaystyle n} {\displaystyle n} 個の事象 E 1 , E 2 , … , E n {\displaystyle E_{1},E_{2},\ldots ,E_{n}} {\displaystyle E_{1},E_{2},\ldots ,E_{n}} が排反であると言われるのは、それらのいずれかの事象が発生すると、残りの n − 1 {\displaystyle n-1} {\displaystyle n-1} 個の事象が発生しない場合である。したがって、2つの互いに排反な事象は同時に発生しない。形式的には、 X {\displaystyle X} {\displaystyle X} が互いに排他的である集合であるとは、任意の E i , E j ∈ X {\displaystyle E_{i},E_{j}\in X} {\displaystyle E_{i},E_{j}\in X} に対して E i ≠ E j {\displaystyle E_{i}\neq E_{j}} {\displaystyle E_{i}\neq E_{j}} ならば E i ∩ E j = ∅ {\displaystyle E_{i}\cap E_{j}=\varnothing } {\displaystyle E_{i}\cap E_{j}=\varnothing } である時であり、かつその時に限る。このことの帰結として、互いに排反な事象 A , B {\displaystyle A,B} {\displaystyle A,B} について P ( A ∩ B ) = 0 {\displaystyle P(A\cap B)=0} {\displaystyle P(A\cap B)=0} および P ( A ∪ B ) = P ( A ) + P ( B ) {\displaystyle P(A\cup B)=P(A)+P(B)} {\displaystyle P(A\cup B)=P(A)+P(B)} が成立する。

事象が網羅的(英語版)であるとは、それらの可能な事象によって結果のすべての可能性が網羅される場合を指す。したがって、それらの結果のうち少なくとも1つが発生する確率は1となる。事象は同時に網羅的かつ互いに排反であるようになることもある。[1]

統計学

統計学回帰分析では、元来数値として表せないようなカテゴリカルな性質を2値のみ取るような数値に変換した独立変数をダミー変数(英語版)と呼ぶ。例えば、観察対象が男性であれば値0を、女性であれば値1を取るダミー変数を取ることができる。2つの可能な値に関連する2つの可能なカテゴリは排反であるため、いかなる観測値も複数のカテゴリに属することはない。また、カテゴリは網羅的であるため、あらゆる観測値は必ずいずれかのカテゴリに属する。 場合によっては、3つ以上の互いに排反かつ網羅的であるようなカテゴリで分類する必要がある。例えば、18歳未満・18-64歳・65歳以上のように分類する状況が考えられる。この様な状況ではダミー変数の集合が構築される。各ダミー変数は、互いに排反かつ網羅的な2つのカテゴリーを持つ。上記の年齢による分類では、ダミー変数 D1 を年齢が18歳未満の時に 1 、それ以外の場合に 0 となると設定し、別のダミー変数 D2 を 18–64歳ならば 1でそれ以外の場合に 0 を取るような変数として与えることができる。このセットアップのもとでは、ダミー変数の組 (D1, D2) は 18歳未満に対して (1,0) 、18-64歳に対して (0,1) 、65歳以上に対して (0,0) のいずれかとなる。 (ただし、(1,1) にはならない。これは、この変数の意味するところが年齢は18歳未満かつ18歳以上64歳以下という不合理な状態であるからである)。 ダミー変数は回帰分析において独立変数(説明変数)として組み込むことができる。ダミー変数の数は常にカテゴリ数より1つ少ない:男性・女性の2カテゴリでは区別するために単一のダミー変数が必要であり、3つの年齢カテゴリでは区別するために2つのダミー変数が必要となる。

このような質的データも従属変数として使用できる。例えば、研究者は説明変数として世帯収入や人種を用い、対象者が逮捕されるかどうかを予測したいと考えるかもしれない。ここで説明される変数はダミー変数であり、観察対象が逮捕されなかった場合は0、逮捕された場合は1となる。このような状況では、通常の最小二乗法(基本的な回帰分析手法)は不十分と見なされることが多く、代わりにプロビット回帰(英語版)またはロジスティック回帰が用いられる。さらに、従属変数が3つ以上のカテゴリー(例:起訴なし、起訴、死刑判決)を持つ場合もある。この場合、多項プロビット回帰(英語版)または多項ロジスティック回帰(英語版)といった手法が用いられる。

関連項目

  1. ^ Scott Bierman. A Probability Primer. Carleton College. Pages 3-4.