Step 7とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 08:14 UTC 版)
STEP6で得られた一般解から、ふるまいの悪い解を棄却する。式(2-6-1) の先進ポテンシャル A ^ a d v {\displaystyle {\hat {\boldsymbol {A}}}_{\mathrm {adv} }} の物理学的意味を解釈すると、位置 s {\displaystyle {\boldsymbol {s}}} の電流素片 i ( s , t a d v ) d s {\displaystyle {{\boldsymbol {i}}({\boldsymbol {s}},{t}_{\mathrm {adv} })}\mathrm {d} {\boldsymbol {s}}} (2-7-1) が、位置 r {\displaystyle {\boldsymbol {r}}} に作り出すベクトルポテンシャルが、 i ( s , t a d v ) | r − s | ⋅ d s {\displaystyle {\dfrac {{\boldsymbol {i}}({\boldsymbol {s}},{t}_{\mathrm {adv} })}{|{\boldsymbol {r}}-{\boldsymbol {s}}|}}\cdot \mathrm {d} {\boldsymbol {s}}} (2-7-2) であり、これを全 s {\displaystyle {\boldsymbol {s}}} にわたって積分したものが、位置で r {\displaystyle {\boldsymbol {r}}} におけるベクトルポテンシャルであると解されよう。 同様に、式(2-6-2)の遅延ポテンシャル A ^ r e t {\displaystyle {\hat {\boldsymbol {A}}}_{\mathrm {ret} }} i ( s , t r e t ) ⋅ d s {\displaystyle {{\boldsymbol {i}}({\boldsymbol {s}},{t}_{\mathrm {ret} })}\cdot \mathrm {d} {\boldsymbol {s}}} (2-7-3) が、位置rに作り出すベクトルポテンシャルが、 i ( s , t r e t ) | r − s | ⋅ d s {\displaystyle {\dfrac {{\boldsymbol {i}}({\boldsymbol {s}},{t}_{\mathrm {ret} })}{|{\boldsymbol {r}}-{\boldsymbol {s}}|}}\cdot \mathrm {d} {\boldsymbol {s}}} (2-7-4) であり、これを全sにわたって積分したものが、位置でrにおけるベクトルポテンシャルであると解されよう。 式(2-7-2),式(2-7-4)いずれの場合にも電流素片の影響が、電流素片の置かれた場所sと、位置(観測点sとの間の距離に逆比例して球対称に広がっていることが判り、非常にもっともらしい。 遅延ポテンシャルにおいては式(2-7-4)のように、観測点の、時刻tにおけるベクトルポテンシャルに影響を与える電流素片が、観測点の時刻よりも前の時刻のものであるしかも、影響が光速で伝播するとしたときに非常につじつまの合う時間遅れが生じていてさらにもっともらしい。 一方で、式(2-7-2)では、観測点の、時刻tにおけるベクトルポテンシャルに影響を与える電流素片が、観測点の時刻よりも後(未来)の時刻のものであることになり、非常に振る舞いが悪い。 大げさに言えば、先進ポテンシャルの影響があるとすると、観測点rの観測者は、未来の情報を観測(予測ではなく)出来るということを意味する。このようなことは、非現実的で、時空因果律の観点からもおかしい。したがって、先進ポテンシャルは棄却すべきである。 以上から、式(2-6-2) のAretのみが生き残るべきであると結論される。
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