Z/OSとは - わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

z/OS

開発元 IBM
最新版 V3.1 (2023年8月発表[1])
プラットフォーム z/ArchitectureSystem z等)
種別 オペレーティングシステム
ライセンス プロプライエタリ (IPLA)
公式サイト IBM z/OS
テンプレートを表示

z/OS(ゼットオーエス、ズィーオーエス)は、IBMが2001年にリリースしたメインフレーム用のオペレーティングシステムの1つ。

z/OSは1966年登場のOS/360や、その後継のMVSOS/390などの更に後継で、z/ArchitectureをサポートしたIBM System zなどで稼動する。アドレッシングは64ビットで、UNIXTCP/IPJavaなど各種のオープン標準を取り入れている。

名称

「z/OS」が正式名称で、略称ではない。「z」の由来はSystem z#名称を参照。

特徴

z/OSは、起源となる1966年のOS/360以降、IBMメインフレームの大規模用OSで、OS/360以来の上位互換性と高い信頼性可用性を持つため、製造・金融・流通・運輸・国防などの大規模システムで多く使用されている。

またメインフレーム専用OSでありながらオープンシステムの要素を多く取り入れている。64ビット対応(移植性の向上)、各種のオープン標準のサポート(EthernetTCP/IPWebC/C++PerlJavaWebサービスなど)、UNIX互換環境(UNIX System Services、USS、POSIX準拠、UNIXブランド取得)などがある。

仮想化としては、1台のメインフレーム(System zなど)を、物理分割(PPAR)、論理分割(LPAR)、更にはソフトウェア分割(z/VM)の組み合わせで、多数のz/OSを同時に稼動できる。またMVS以来の多重仮想記憶は、複数のアドレス空間を実現して通常のプログラムからは直接他のアドレス空間が見えない(アクセスできない)点で、単なるマルチタスクとは異なり、一種の仮想機械でもある。

2006年には、JavaやERPなどニューワークロード専用の廉価版であるz/OS.eもリリースされた[2]

なお、同じIBMメインフレーム専用のOSでも、z/VSEz/VMz/TPFとは別物である。また富士通のOSIV/MSPや日立製作所VOS3は、z/OS(正確には前身のMVS)と一定の互換性があるが、MSPは64ビット化はされておらず、MSPおよびVOS3にはUNIX互換環境は無い。

歴史

z/OSの各バージョン・リリースと、出荷開始時期、主な機能拡張は以下の通り。

構成

以下のコンポーネント(一部はオプション)等から構成されるパッケージでもある。

z/OS用の主要なミドルウェアには以下がある。

なおz/OSの基本となる機能は、64bit対応やオープンシステムの要素を除けば、MVSの時代にほぼ完成されているため、詳細は以下を参照。

出典

  1. ^ a b IBM z/OS 3.1, an AI-infused operating system for the next generation of computing
  2. ^ z/OS.e V1R8の発表 - 日本IBM
  3. ^ z/OS V1R11の発表 - 日本IBM
  4. ^ z/OS V1R12の発表 - 日本IBM
  5. ^ z/OS V1R13の発表 - 日本IBM
  6. ^ IBM z/OS バージョン 2 リリース 1 が実現する Smarter Computing の基盤 - 日本IBM
  7. ^ IBM IBM z/OS バージョン 2 リリース 2 -- デジタル・エンタープライズの推進 - 日本IBM
  8. ^ IBM z/OS バージョン 2 リリース 4 - 俊敏で最適化された回復力のあるプラットフォームによるイノベーションの実現

関連項目

外部リンク