「aa(エーエープラス)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/13 21:46 UTC 版)

A-A´」(エー・エーダッシュ) は、萩尾望都による日本SF漫画作品。 人間の人工の変異種である一角獣種について描いたシリーズの1作品で、同シリーズには他に「4/4(カトルカース)」、「X+Y」(エックス・プラス・ワイ)がある。

X+Y」は、第16回(1985年星雲賞コミック部門を受賞。

目次

概要

A-A´」は、月刊雑誌『月刊プリンセス』(秋田書店)の1981年8月号に掲載。45頁。

4/4(カトルカース)」は、月刊雑誌『プチフラワー』(小学館)の1983年11月号に掲載。50頁。

X+Y」は、月刊雑誌『プチフラワー』の1984年7~8月号に掲載。前編50頁、後編50頁。

『萩尾望都作品集 17 (A-A´)』小学館 プチコミックス 1984年11月 のち小学館文庫

設定

一角獣種は、21世紀初頭に宇宙航行用に開発された遺伝変異種の人間で、盛り上がった頭部とそこに生える赤いたてがみに似た髪を特徴とする。感情表現が乏しく、動きが鈍く、注意力がないという性格的な特徴がある。また、赤外線の波長を見る能力があり、脳からはアルファ波を多く出している。しかし、ストレスに弱く、きまじめに仕事を続けるが、拒食症になり餓死した例が多くあり、種としては衰退し、現代では、隔世遺伝により、その特徴をもった人間がたまに現れるが、非常にめずらしい種となっている。

現代(23世紀頃)は、宇宙航行は既に実現され、太陽系内の惑星や衛星には人類が居住している。「A-A'」では、太陽系に近い恒星プロキシマトリマンの惑星の開発計画が進められている。開発計画のスタッフは、事故に備えて地球を出発前にクローン体が冷凍保存されており、死亡した場合にはクローン体が任務を続行する。

「X+Y」では、火星の建国から80年たっており、都市はドーム内にあるが、ドーム外でも活動が可能である。火星の大気圧を300ミリバールにする方法について、学会で検討されている状態である。

あらすじ

A-A´

一角獣種の少女アデラド・リーは、ある装置の中で目覚めると「あなたはクローン体だ」と言い渡される。オリジナルのアデラドは3年前にプロキシマの第5惑星の開発計画に携わるスタッフとして現地に旅立ったが、つい1か月ほど前に不幸な事故に見舞われ、19歳で命を落としたという。しかし今のアデラドは16歳、つまり派遣される直前の記憶を持ったクローンなのである。宇宙開発においては、危険な辺境の惑星に赴くときは記憶の保存とクローンの作成が義務付けられていたのだ。

しかし再生されたアデラドにとっては、そうした話を聞かされても実感が乏しかった。彼女にすればプロキシマ第5惑星はまだ見ぬ新天地でしかなく、自分はその開発に従事するために準備を整えてきた記憶しかなかったからだ。だから彼女は迷わず現場への復帰を希望した。しかし現地で作業を進める他のスタッフたちはまったく違う気持ちで彼女のことを待ち受けていた。彼らからすればアデラドは3年間の苦楽を共有してきた友人であったからだ。なかでもレグ・ボーンはアデラドの帰還に複雑な思いを持っていた。なぜなら彼はアデラドの恋人だった。自分は死の悲しみを忘れることができないのに、恋人はよみがえった上に3年前まで時間が巻き戻り、自分のことを知りもしない。レグは16歳のアデラドをすなおに受け入れることができなかった。

惑星に到着したアデラドは徐々に受け入れられ、やがてレグの心も開いていく。再び動き出した恋人たちの時間だったが・・・。

4/4(カトルカース)

木星の第1衛星イオの第1実験都市に住む少年モリは、ESP能力の訓練を受けている。一角獣種研究の被験者の少女トリルと出会い、彼女の近くにいるとESP能力が増幅するのに気づく。モリは、次第にトリルに惹かれていくが、彼女の保護者である博士は、一角獣種は感情を持たない理想的な人間だと語る。

X+Y

一角獣種の少年タクトは、火星環境の改造を研究する研究者で、火星の学会に地球代表の一員として参加する。火星でタクトは、大学生となり学会でアルバイトをしているモリと出会うが、モリは、タクトに亡くなったトリルの姿を重ねる。

一方タクトは、偶然行った血液検査にて遺伝子がXX(ダブルエックス)であり、女性であることを告げられる。

第16回星雲賞コミック部門
1970年代 第9回(1978) 地球(テラ)へ…竹宮惠子) 第10回(1979) 不条理日記吾妻ひでお
1980年代 第11回(1980) スター・レッド萩尾望都) 第12回(1981) 伝説水樹和佳) 第13回(1982) 気分はもう戦争大友克洋) 第14回(1983) 銀の三角萩尾望都) 第15回(1984) 童夢大友克洋) 第16回(1985) X+Y(萩尾望都) 第17回(1986) アップルシード士郎正宗) 第18回(1987) うる星やつら高橋留美子) 第19回(1988) 究極超人あ〜るゆうきまさみ) 第20回(1989) 人魚の森高橋留美子
1990年代 第21回(1990) So What?わかつきめぐみ) 第22回(1991) 宇宙大雑貨(横山えいじ) 第23回(1992) ヤマタイカ星野之宣) 第24回(1993) OZ樹なつみ) 第25回(1994) DAI-HONYAとり・みき)/ グラン・ローヴァ物語紫堂恭子) 第26回(1995) 風の谷のナウシカ宮崎駿) 第27回(1996) 寄生獣岩明均) 第28回(1997) うしおととら藤田和日郎) 第29回(1998) SF大将(とり・みき) 第30回(1999) ルンナ姫放浪記(横山えいじ
2000年代 第31回(2000) イティハーサ水樹和佳子) 第32回(2001) カードキャプターさくらCLAMP) 第33回(2002) プラネテス幸村誠) 第34回(2003) クロノアイズ長谷川裕一) 第35回(2004) 彼方からひかわきょうこ) 第36回(2005) ブレーメンII川原泉) 第37回(2006) 陰陽師夢枕獏岡野玲子) 第38回(2007) ヨコハマ買い出し紀行芦奈野ひとし) 第39回(2008) 20世紀少年、21世紀少年浦沢直樹長崎尚志) 第40回(2009) トライガン・マキシマム内藤泰弘
2010年代 第41回(2010) PLUTO浦沢直樹手塚治虫) 第42回(2011) 鋼の錬金術師荒川弘) 第43回(2012) 機動戦士ガンダム THE ORIGIN安彦良和) 第44回(2013) 星を継ぐものジェイムズ・P・ホーガン星野之宣) 第45回(2014) 成恵の世界丸川トモヒロ) 第46回(2015) もやしもん石川雅之) 第47回(2016) シドニアの騎士弐瓶勉

AA, Aa, aa

学術的な記号・単位

規格・階級

正式名称

略語・略称

一般名詞・術語

固有名詞

コード・形式名

コード

形式

他の記号等を付して用いるもの

関連項目