「skyline」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
英語 Skyline
山並みと青空を区切る稜線の意味。美しいラインで流れるボディを象徴する。初代モデルは1957年4月に世に出た。SIという型式名で、エンジンはOHVの1.5L、5ナンバーに収まるサイズだった。デラックスとスタンダードの2グレードで、価格は前者が120万円、後者が93万円だった。61年5月、1900デラックスを発売。これは61年4月からの物品税改正に伴い、2L以下の税率が15%に下がったことに合わせたものだった。62年10月、SI系をマイナーチェンジ、スーパーの名を与えた。それより6か月前の4月、スカイライン・スポーツというモデルをリリースした。スタイリングを担当したのはミケロッティで、イタリアにデザインを依頼した最初のケースとなった。ボディスタイルはコンバーチブルとスタイリッシュなクーペ。エンジンは1.9Lの94ps仕様を搭載していた。しかし、コンバーチブルで195万円という値段が影響したのか、計画した60台は売れなかった。
63年9月、1.9L型はグロリアに移行、スカイラインはS50という型式名の、小さいセダンに変わった。エンジンは1.5Lで、シャシーにノーグリスアップ・システム、つまりメンテナンスフリー化を採用したことがエポックメーキングだった。デラックス車が73万円、4か月後に発売したスタンダード車が62万円。このクルマをベースに、ホイールベースを200mm延ばし、グロリア用の直6・2Lエンジンを載せたGTを64年3月に発表した。実際はホモロゲーションモデルの少量生産車だったが、第2回日本GP(64年5月)でポルシェ・カレラ904と一騎討ちを演じ、一躍有名になった。その市販版ともいうべきS54B・2000GT(89万5000円)が65年2月に、S54A・2000GT-A(80万円)が9月に発売になった。これがスカGの始まりである。
68年8月、ニッサン・スカイラインとして3代目(C10系)がデビューした。スタンダードとデラックス、エステートがあった。10月には2000GTを発売。69年2月、GT-R登場。Rのイニシャルは、レーシングマシン並みの実力をもち、即実戦にも出場できるパフォーマンスの高さを物語った。エンジンはレーシングカーのR380用をデチューンしたS20型直6・DOHC・4バルブ・1989cc。最高出力160ps/7000rpm、最大トルク18.0kg-m/5600rpm。最高速度200km/h、0→400m16.1秒を誇った。8月に1800シリーズ、70年10月には2ドアハードトップをリリースした。
72年9月、4代目(C110系)が世に出た。ケンとメリーの広告で一世を風靡したクルマである。73年1月にGT-Rを発売したが、レース出場はなかった。生産台数も200台に達しなかった。77年8月、フルモデルチェンジ、5代目(C210系)へ。この世代では、80年4月、2000GTに初めてターボを積んだのが注目だった。ワゴンも久しぶりに復活した。ディーゼルGTも出た。81年8月、6代目誕生。R30という型式名で、セダンと2ドアハードトップ車に加えて、5ドアハッチバックモデルを初めて市販化した。直4・DOHC・2L・150psエンジン搭載のRSも登場。83年8月にはターボRS(190ps)、84年2月にはターボRSの空冷インタークーラー(205ps)仕様を追加設定した。
7代目(R31系)は85年8月デビュー。ハイソカーヘと軌道修正、セダンと4ドアハードトップをそろえ、86年5月には2ドアクーペを追加。3段切り替えのアジャスタブルショックアブソーバー、世界初の4輪操舵システムHICASの採用がこの時代にあった。89年5月、R32のコードネームをもつ8代目に進んだ。ボディタイプは4ドアのピラードハードトップとクーペで、一時止めていたGT-Rも復活した。2ドアクーベボディに280psの2.6LDOHCツインターボエンジンを搭載、アテーサ4WDシステム仕様もあった。同じシステムのGTS-4も登場。
93年8月、9代目(R33系)に変わった。4ドアセダン、2ドアクーペともに3ナンバーのボディとなり、エンジンは2LのSOHC、2.5LのDOHC、そのターボの3機種。スーパーHICASは電動式に進化し、クーペには電子制御アクティブLSDも採用した。GT-Rは95年1月に新型デビュー。
98年5月、10代目発売。4ドアセダン、2ドアクーペという車種体系に変化はないが、ホイールベースが従来型より55m短縮、クーペも全長寸法が60mm短くなった。新GT-Rは99年1月に発表。2ドアクーペをベースに、フロント、サイド、リヤにエアロパーツを組み込みらしさを演出、角度調整式のリヤスポイラーや前後ディフューザーが目新しかった。エンジンは2.6Lの直6・DOHCツインターボ・280ps、ミッションはゲトラグ製6速MT。駆動方式はアテーサE-TSによる4WDだった。
2000年8月、マイナーチェンジ、内外装を変更した。エクステリアではラジエーターグリル、バンパーなどが新デザインに変わった。インテリアではシート生地が新しくなり、ペダルはアルミ製になった。R34型GT-Rでは、VスペックがVスペックⅡに進化した。エンジンフードは素材がアルミからNACAダクト付きのカーボンに変更、全車に大径リヤブレーキを採用した。
11代目V35が大胆にイメージを一新、前モデルからわずか3年でフルモデルチェンジ、2001年6月にデビューした。象徴的だった丸いテールランプがなくなり、直列6気筒エンジンも排除。新型はFMパッケージ、つまりフロントミッドシップという思想のもと、前後長の短いV6エンジンを前車軸より後ろに搭載するという手法をとった。燃料タンクも後席床下に置き、バッテリーをエンジンルーム後方に移すなど重量物を車両中心に配置することで、前後重量配分が52対48となり理想値に近づいた。
V6エンジンは、2.5L・215psと3L・260psの2種。ターボ付きはない。ミッションは2.5L系が4速AT、3L系がシーマから実用化が始まった5速ATで、両車ともマニュアルモード付き。駆動方式はFRの2WDだけ。定員5人。価格は265万円から333万円。
9月に4WDモデル250GT FOURを追加設定した。4WDのシステムは、スノーシンクロモード付きアテーサE-TS。つまり、発進時の前後トルク配分を50:50に固定して、発進を容易にする機能を組み込んだ機構である。2002年1月にも3.5Lエンジンを新採用、8速エクストロイドCVTと組み合わせた350GT-8を追加、バリエーションを増やした。
2003年1月、11代目発表時にはなかったクーペタイプが復活した。セダンよりフェンダーの張り出しを大きくして全幅が65mm広がり、全高は75mm低く、ロー&ワイドなボディを強調する。エンジンはセダンの350GT-8と同じV6・VQ35DE型1機種だけだが、パワー8ps、トルク1kg-mプラスの高出力型を積む。ミッションはマニュアルモード付き5速ATか6速マニュアルを選択できる。6速車にはブレンボ製ブレーキと18インチタイヤが付くほか、ハンドブレーキを採用。センターコンソールのデザインやメーターパネルもAT車とは微妙に違う。標準の350GTと、本革シートなどに変更したプレミアムの2グレードがある。セダンも同時に内外観を一部改良し、メカニズム的にはサスペンションとブレーキシステムを変更した。2003年6月にはそのセダンにも6速MT車を設定した。
なお、R34型のGT-Rは2001年5月にMスペックを追加、2002年1月に限定1000台のニューバージョンを発表したが即日予約完了、2002年8月をもって生産を終了した。
※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。