岸田政権、今度は〝退職金増税〟勤続20年以上が標的!?「いまになって長期で安定した働き方否定…倫理的にも問題」識者(2/4ページ) (original) (raw)

政府税調は答申のなかで「退職金の支給形態や労働市場の動向に応じて税制上も対応を検討する必要が生じている」と指摘している。

荻原博子氏

荻原博子氏

実際に見直すとどうなるか。国税庁の資料では、勤続30年で退職金を2500万円受け取るモデルケースの場合、所得税および復興特別所得税額は「58万4522円」となる。勤続20年以上の優遇措置がなくなったと仮定して夕刊フジが同じ条件で試算すると「89万822円」で、30万円以上も増えてしまうのだ。

経済ジャーナリストの荻原博子氏は「退職金課税の見直しは、単なる増税目的に過ぎない。企業に30~40年勤め上げた50代には大きな打撃で、少しでも多く老後のたくわえを必要とするなかで、退職金が目減りする影響は大きい。再就職しても所得が好転するケースは官僚の天下りでもない限り、民間の大半ではめったに考えにくい」と強調する。

政府税調の答申では、退職金以外の所得控除について、フリーランスなどと比べ会社員の負担軽減効果が大きい仕組みの検証を要請した。共働き世帯よりも専業主婦の世帯の方が優遇されている現状にも触れ「働き方に中立的な税制」を求めている。