【鍾馗(しょうき)】魔物退散・破邪の神をシンボルにした藤沢樟脳【宇陀市 薬の館】 (original) (raw)
はじめに
奈良県宇陀市は江戸期に、大坂道修町とともに発展した薬の街。宇陀市歴史文化館 #薬の館 を入ると壁に掛けられた #鍾馗(しょうき)が怖ろしい顔をしてこちらを睨みます。#藤沢樟脳
目次
本文
宇陀市歴史文化館「薬の館」
(34.48141026230255, 135.93259702476524)/奈良県宇陀市大宇陀上2003/最寄駅は近鉄榛原(はいばら)駅から大宇陀行バス大宇陀高校前下車歩10分
薬の館は、文化3年(1806)から薬種問屋を営んできた細川家の屋敷跡で、細川家からは藤沢(フジサワ)薬品(家庭用医薬は第一三共ヘルスケア、医療用医薬はアステラス製薬に継承)の創業者(藤澤友吉)が出ており、現在は藤沢薬品に関する資料を中心に展示しています。
宇陀市は、日本書紀・推古十九年(612年、夏五月五日)に記述された、菟田野の薬猟(うだののくすりがり) で知られるように、古来より、代表的な生薬・葛(くず)の他、多様な和漢生薬の産地。
江戸期には農間稼ぎ(のうかんかせぎ、農業の合間の仕事)の普及拡大によって、製薬と売薬が発展し、宇陀市は、大坂の道修町(どしょうまち)とともに中心地となりました。
藤沢樟脳のシンボルマーク鍾馗(しょうき)
薬の館に入って目を奪われるのが、壁に掛けられた鍾馗(しょうき)の彫り物。
樟脳を売り出した藤沢薬品初代(友吉)が(大阪)源八工場へ向かう途中、天満橋の道具屋で、破邪の剣を掲げた鍾馗(しょうき)像を見つけ、その病厄を防ぎ退ける効能を訴えるのにうってつけと、シンボルマークに採用したそうです。
薬の館 鍾馗(しょうき)
ド迫力。防虫・カビ除け効果の樟脳(しょうのう)ですから、これだけの見た目に実際の効果が加われば、商売は大成功ですよね。
薬の館 鍾馗(しょうき)像①
邸内の蔵を利用した展示室にもう一体。
薬の館 鍾馗(しょうき)像②
薬の館 鍾馗(しょうき)
藤沢樟脳で検索すれば、今でも販売されているパッケージに、鍾馗(しょうき)が描かれています。その原画。
髭面の怖ろしい顔をした破邪の神様が、ズイッと来たら、どんな魔物でも逃げてゆくでしょう。
・・・何となく、疫病退散の牛頭天王(スサノオ)の姿に似せているんじゃないの?と思うのは私だけでしょうか。
そこは商売ですからね。🤭
藤沢樟脳 商標に使用した鍾馗(しょうき)の原画