「BeReal」国内広告プランが判明 利用者の97%が14~27歳、MAU430万 (original) (raw)
フランス発のSNS「BeReal」が日本で広告事業の本格展開を始めた。現時点では電通グループのCARTA MARKETING FIRM、サイバーエージェントなどの5社が広告の販売代理を手掛ける。国内最初の広告主は「Netflix」だ。日本はMAUが430万人、DAUは300万人とまだ規模はそれほど大きくはないが、若年層特化型という特徴を持つ。若者にアプローチしたい国内広告主の開拓を進める。
フランス発の新興SNS「BeReal」は2024年7月から、日本で広告事業の本格展開を始めた。最初の広告主はNetflix(東京・港)だ
アプリから通知が届いたら2分以内に写真や動画を撮影して投稿する。投稿しなかった場合、他の利用者の投稿を一時的に見られなくなるなどのペナルティーが科せられる。突発的に投稿を促されるため、加工などをする余裕がなくありのままの写真や動画が投稿される。
こうした独自のルール設計により、脚色されないリアルな写真や動画が投稿される「映えないSNS」として話題を集め、利用者を増やしつつあるのが「BeReal(ビーリアル)」だ。一種のゲーム性を伴う新しい仕組みが受け、若年層を中心に利用者を拡大している。
日本でも利用者が増えているとされてきたが、2024年7月に日本で広告事業を本格化したことを機に、国内利用者の実像が明らかになった。日経クロストレンドが入手した媒体資料によれば、月間利用者数(MAU)は430万人、1日当たりの利用者数(DAU)は300万人となっている。
利用者の97%が27歳未満
規模こそ、他のSNSに比べればまだ小さい。だが、その属性は特筆に値する。利用者全体に占める14~27歳の割合は実に97%。圧倒的な若年層特化型SNSになっている。また、通知をきっかけに投稿する仕組みゆえに、利用者の40%が通知を受け取った直後の2分以内にアプリを起動するのが特徴だ。
BeRealは27歳未満が利用者の97%を占める。媒体資料を基に作成
実際、日本でも通知を受け取った利用者が一斉にスマートフォンを取り出し、写真や動画を撮り出す、異様ともいえる光景を生み出している。
これらの特徴を武器に、BeRealが日本で広告事業に参入した。参入時期は24年7月だが、営業活動の本格化は同年8月からと見られる。
というのも、当初はテストを目的に、第三者のネットワーク型広告経由の広告掲載から始めたからだ。ところが、ネットワーク型広告経由で掲載される広告クリエイティブに、BeRealの経営陣は納得できなかった。
一般的なネットワーク型広告は販促などを目的とした、広告然としたクリエイティブが中心。「脚色のない写真や動画が投稿されるBeRealの世界観に、いかにも広告というクリエイティブは合わないとBeRealの経営陣は判断した」とCARTA MARKETING FIRM(カルタマーケティングファーム、以下CARTA、東京・港)取締役の大橋徹氏は明かす。
そこで、「適切な広告クリエイティブが出稿されるように、広告代理店を通じた独自フォーマットの純広告の販売へと方針を切り替えた。これを機に、電通グループである当社にも販売代理の声がかかった」(大橋氏)。現時点での国内の販売代理店はCARTA、サイバーエージェントなど5社になっているという。
「『TikTok』は若年層が利用者の中心だったころから広告事業を展開し、その後、主要なマーケティングプラットフォームに成長した。そうした成長性に期待して、販売代理への参入を決めた」と大橋氏は狙いを語る。
BeRealの広告事業は2つの商品で開始
国内で販売する広告商品は現時点では「フル・テイク・オーバー」と「トライアルプラン」の大きく2つとなる。
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