開業税理士のひとりごと (original) (raw)

令和6年4月1日に開業して半年が過ぎました。

この半年は本当にわからないことだらけで大変でした。

幸い以前の事務所から引き継がせてもらったお客様がいたので関与先0件での開業でなかったのですが。

事務所の職員として勤務していたときは基本的には顧客対応と職員教育だけ行っていればよく、経理的な業務や総務的な業務は全て総務の方たちがやってくれていました。

いざ自分でやるとなると、まずは経理をやらないといけない。帳簿をつけることは一応本職でもあるので問題はない。ただ、請求書の発行や振込等はほとんどやったことがなかったです。振込は忘れると信用問題にかかわるので、とにかく請求書が来たらすぐに振り込んでいました。今は基本的には自動引落できるものは自動引落にしたり、定期支払についてはインターネットバンキングに毎月〇日に振込の登録をしたりすることで特に困ることはなくなりました。

しかしながら、毎月の顧問料の請求や顧問料の口座振替についてはいまだに慣れません。月初に請求書の発行と口座振替の手続きを行い、月末に入金という流れですが、入金されるまでは不安しかありません。入金されなければご飯が食べられなくなってしまうので・・・

総務業務についても書類の郵送一つとっても最初は郵便料金すらわかっておらず、インターネットで調べたりしていました。

また、ホームページの作成や名刺・封筒の作成なども全てが初めてのことで何をやるにも時間がものすごくかかりました。

最近、様々な会合で先輩税理士の方とお話する機会が増えましたが、よく言われるのは「事務員を雇わないの?」ってことです。開業した最初の1~2か月はやることが多すぎて事務員がいれば楽なのに・・・と思っていましたが、今は必要最低限のベースは出来たのでとりあえず1年は自力でやってみようと思っています。

あっ、でも年末までに掃除担当の事務員“ルンバ”さんを雇い入れる予定です(笑)

私事ですが、中学校三年生の娘がいます。

中三といえば受験。

夏休み明けから定期テスト、学力調査があり、さらには毎日の宿題など・・・

日々勉強に勤しんでいます(たぶん)。

さて、税理士にとって受験勉強といえば税理士試験!

猛暑の8月の初旬(たまにお盆明けのときもありますが)に全国各地で試験が行われます。多くの人が9月から来年の受験科目を決めて、独学であったり、専門学校に通ったりしながら、その8月に向けての勉強を開始します。

僕の場合は会計事務所で通常業務を行いながらの受験勉強でした。

参考までに当時の一日のスケジュールですが、

AM5:30 起床

AM6:30 出社。その後勉強開始。

AM8:30 勤務スタート

昼休みに30分ほど勉強。

PM5:30 就業時間終了

大原簿記学校で授業がある日

PM6:30~9:00 授業のち帰宅

授業がない日

PM7:30頃まで残業のち帰宅

よく税理士試験の1科目の合格までの年間勉強時間は500~600時間と言われています。働きながらその時間を確保しようとすると1日2時間勉強をしないといけません。勉強を始めた当初は朝が苦手で夜勉強をしていましたが、夜だと「疲れた」とか「眠い」とか様々な言い訳をつけてなかなか勉強ができなかったり、事務所で勉強していると他人の目が気になったりしていました。そこで勉強時間を朝、しかも事務所で行えば就業開始までの時間は強制的に勉強せざるを得なくなり、また誰も出社していないので他人の目も一切気にならない。

苦手だった早起きもこの生活を続けて習慣化されると意外と苦ではなくなるんです。

確かに確定申告期間中の超繁忙期は大変でしたが、受験勉強と仕事のバランスがうまくとれているときは日々充実してくることがわかりました。逆にバランスがとれなくなるとどちらか一方のことが気になり、充実感がなくなる・・・

といった生活を約8年間続けていました。

正直、もうその生活には戻りたくないですが・・・

ただ、この生活で早起きができるようになったことは一番の収穫です。

人それぞれ勉強の仕方はあると思いますが、僕は朝の勉強をおすすめします!

だって世の中には「朝活」の本はいっぱいあるけど「夜活」の本ってないですよね?

世の中には“先生”と呼ばれる職業がいくつもあります。

学校の先生、お医者さん、政治家など・・・

税理士や弁護士、司法書士などのいわゆる士業も“先生”と呼ばれます。

僕自身もクライアント企業の方、金融機関や提携企業の方、さらには同業の税理士の方から“先生”と呼ばれることがあります。

僕はこの“先生”と呼ばれることになれておらず、また若干の抵抗感があります。

というのも、僕の中では“先生”と呼ばれる方は立派な偉い方々というイメージがあり、僕はそのような人間ではないのでというのが一番の理由です。

ただ、以前、税理士試験の受験をしていた頃に、とある司法書士の先生から言われたことがあります。

「“先生”と呼ばれるということは責任の重さを表すもの。だから“先生”と呼ばれることは嫌とかではなく、身を引き締めることができるもの」

ということです。

世の中には“先生”と呼ばれることで勘違いをし、誰とは言いませんが(西のほうの某知事さん・・・?)偉そうにしている方たちも一定数いると思います。

まだ“先生”と呼ばれることにはむず痒さがあるものの、“先生”と呼んでいただける方から期待されており、責任ある仕事をさせていただいているという気持ちを常に忘れずにいたいと思います。

ただ、もし僕が勘違いをし偉そうにしていたらおっしゃってください。

決して「俺は“先生”だぞ!」ということは言わないと思いますので・・・(笑)

34歳にして税理士試験にチャレンジしました。

税理士試験の概要を簡単に説明すると・・・

会計科目2科目と税法科目9科目の計11科目のうち、会計科目2科目と税法科目3科目の合計5科目に合格することで税理士試験合格となります。なお、税理士試験は科目合格制となり、1度受かった科目は半永久的に合格扱いとなります。ちなみに、各科目の平均合格率は15%前後となります。

まずは上記の概要を確認し、1年で1科目合格、ただ1年はつまずく可能性があるだろうと思い、40歳になる年である6年後の税理士試験合格を目標に立てました。

性格上、通信教育で自分を律しながら1人で勉強していくのは難しいと思っていたので、仕事終わりに大原簿記学校に通学するという方法を選びました。

仕事もかなり忙しかったですが、とにかく授業だけはサボらずに行くことを目標に通いました。

朝6時半に出社し、8時半の勤務開始までの時間に勉強し、夜は週2で大原に通い授業を受けるという生活でした。そんな生活を支えてくれた家族には感謝しかないです。

この生活は今思うととても充実していたと思います。

勉強したことがそのまま実務につながることもあったし、新たな知識を得ることもありました。朝起きるのが苦手だった僕が朝早起きするのが苦にならなくなったことが一番かもしれません(笑)

そんな努力の甲斐もあり、途中椎間板ヘルニアで入院・手術するというアクシデントもありましたが、最初の3年間で3科目(簿記論・財務諸表論・消費税法)合格することができ、当初の計画通りに進んでいました。

「なんだ、意外と簡単に税理士試験合格できるかも」と正直思っていました。

しかし、そんなに甘くありませんでした。

ここからが本当に大変でした。

次にチャレンジした法人税法。これが本当にきつく、理論で覚えることは多いし、計算も今までにないくらいのボリュームでした。よく人間の脳は20歳を過ぎたころから脳細胞が減っていくという話を聞いたことがあると思いますが、まさにそれを実感した期間でした(笑)。本当に覚えられない、一番ひどいときは大原の授業が終わって駐車場まで歩いているときに「今日の授業の内容なんだっけ?」ということがありました。

それでもいろいろな勉強の仕方を研究したりもしながら、何とか4度のチャレンジで法人税法も合格し、その後2度のチャレンジで次の相続税法も合格し、当初の計画からは2年ほど遅れましたが、8年で税理士試験に合格することができました。

この8年間は今後の自分の税理士人生において基礎を作った期間になると思います。

まだまだ勉強しなければいけないこともたくさんあります。税法も毎年のように新しくなっていきます。

これからも日々精進し、お客様の役に立てるよう頑張っていきます!

僕が税理士業界に足を踏み入れてまもなく20年になります。

20年前の僕は税理士という職業のことを一切知りませんでした。もちろん、簿記の資格も持っていませんでした。

学生時代に中小企業診断士の勉強を独学でやろうとしていた時期がありましたが、会計分野で全く意味がわからず挫折しました。アメリカでの留学での会計学の授業で何となく貸借対照表損益計算書の仕組みがわかるようになりましたが、まさかそれを職業にするとは当時の僕は思ってもいませんでした。

そのような僕が求人誌を見ていて「なんか面白そうな感じの会社だな」という軽い気持ちで履歴書を送った会計事務所が独立までの20年間お世話になった事務所でした。

そこで初めて触れた簿記の勉強も楽しく、会計事務所の仕事も大変なこともいっぱいありましたが、充実していました。ただ、あまりの忙しさに惰性となっていた部分もあり、気が付けばその事務所での在籍が10年となっていました。

とある日、設立2年目で非常に野心的で業績を伸ばしている会社の担当となりました。それまで何とか業務をこなしていましたが、その会社の担当となってから自分自身に会計、税務の基礎がないことに気づかされました。

「このままではマズい!」と思い、その会社の専務に悩み相談をしたところ、「税理士を目指したほうが良いよ」とのアドバイスを頂きました。

この業界にいれば税理士になろうと思うことが当たり前なのかもしれませんが、当時の僕は税理士になろうという気持ちは一切なかったし、税理士が1人事務所にいれば今までどおりの業務は続けることができるしそこまで大変な思いをしなくても・・・と思っていました。

その当時34歳。

税理士試験の勉強を始めるにはちょっと遅めかもしれなかったけど、自分のスキルアップのためにも、その会社に必要とされるためにも一念発起しました。

そこから様々な苦労がありましたが、8年でなんとか税理士試験に合格し、当時は想定していなかった自分の事務所を持つことなりました。

あのときあの会社の担当になっていなければ、あのときあの専務に相談していなければなどなど・・・

様々なことが結びついて今に至っている。

その気持ちを忘れずに今後も一人前の税理士になれるよう日々精進していきます!

はじめまして、静岡市清水区で税理士をやっている山田 貴弘です。

このブログでは僕がどのような考えで仕事をしているかやどうして税理士になったのか等皆さんに自分のことを知っていただくために、また自分への備忘録として書いていきます。ちなみに文章を書くことは昔から苦手なので、意味がわからなかったり、中身がなかったりすることもあるかもしれませんが、そこはこれから書き続けることで上達するはずです、きっと・・・。

さて、まずは自己紹介を。

昭和54年3月に北海道で生まれ、高校まで北海道帯広市で過ごしました。

大学入学を機に静岡へやってきました。

大学では教育学部で教育実習にも行きました。

大学卒業後、約1年アメリカへ留学し、語学と経営学の基礎を学び、帰国後に静岡市内の100円ショップに就職しました。

その後、静岡市内の税理士事務所で約20年間勤務し、令和6年4月に静岡市清水区で独立開業しました。

あらためてざっくりと経歴を書いてみると今自分が税理士をやっていることを昔の自分が見たら「なんで?」と思うかなと。

このあたりの深堀りもいずれしていこうかと思います。

とにかく、このブログを書くということをまずは続けること。

Roma was not built in a day.