五十路を曲がって消化不良 (original) (raw)

娘の誕生日の朝、学校に送り出した後、小豆を炊き、皆の好物のお汁粉を作った。お腹を空かせて帰って来た娘と皆でおやつに食べた。「おいし~」と喜ぶ子供たちの笑顔が嬉しくてツイツイ2膳食べた。それが午後5時過ぎ。そして、それを皮切りに普段は絶対に食べない量を食べ続けた…。

夕飯は我が家の祝い膳定番の手巻き寿司。そしてお腹が一杯だったのにも関わらず、せっかくの誕生日だからと、その日何度目か分からないバースデーソングと共にケーキを食べた。ラズベリーソースのかかったチーズケーキ。とっても美味しかった。そして翌朝、よせばいいのに残ったあんこで餡バタートーストを作って食べた。

私は母譲りで若い頃から消化器系が弱い。でもフランスで田舎暮らしを始めてからは外食の機会が極々限られているからか、胃腸がストライキを起こす事も稀になっていた。喉元過ぎれば熱さを忘れる。胃もたれの症状を忘れていた。

だから、餡バタートーストを食べた後、胸に熱くなるような痛みを感じて焦った。父には心臓病があり、開胸手術もしているので、もしや、と思ってネットで症状を調べてみると、どうやら胸やけの様だった。もちろん身に覚えはある。薬を飲んだら、随分楽になり、安心したのが良くなかった。そこで自制をきかせるべきだった。

だけれど、手巻き寿司用に買ったサーモンは何と丸々一尾だったので鮮度が落ちない内に消費する必要があった。家族三人でサーモン一尾は買いすぎだというのは分かっていた。でも、生食できるサーモンを近所のスーパーで見つけるのは至難の業で、誕生日に合わせた様にセールになっていたそれは一尾丸ごと買えば普段の半額だったから、買う以外の選択肢はなかった。二食分は切り身にして冷凍したけれど、残りを食べるべくその日の夕食はポケとムニエル。喜々として皆で舌鼓を打ったは良かったが、すでに胃もたれを起こしていた私の胃腸は受け止めきれなかった…。

それからの数日間、食べる量を減らし咀嚼回数を増やし何とか回復へともっていこうしたが、五十路を過ぎた胃へのダメージは殊の外大きかった様で、いつまで経っても胃もたれ感は解消されなかった。

仕方がないので暫くは消化の良い物だけの食事に切り替える事にした。

水で炊いたオートミール、素うどん、お粥を交互に二日間食べ続けて、ようやく胃の存在を殆ど感じなくなった。おかげで少し減量もできたが、1週間以上の不調は流石に辛い。

食欲の秋。お若い皆様は胃腸が元気な内に存分に美味しい物を楽しんで頂きたいと思いますが、五十路を曲がった皆様におかれましては、デリケートな消化器系をくれぐれも労わりつつ、お互い暴飲暴食は慎みながらまいりませう。