ソーリーベイベー (original) (raw)

先週「ビッグコミック&ビッグコミックオリジナル青年漫画賞に応募する」との日記を書いた。
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タイトルの通り、僕と嫁さんは共同で11/30〆切のビッグコミック&ビッグコミックオリジナル青年漫画賞を目指す。ただ、その前に僕にはクリアしておかなければならない大きな壁があった。

すなわち、酒だ。

当方酒好きである。酒好きなどというものは上を見ればキリがなく、酒を飲み始めて25年ほどしか経っていない僕なぞは所詮ひよっこの域を出ないであろうが、それでも日常的に酒を摂取することを僕は愛していた。

酒の味も好きだが、たちの悪いことには酔っ払うのが何より好きで、一人で飲んでいて楽しくなり過ぎて家の中でゲロを吐いてしまったこともある。飲んで飲んで飲みまくった末に訪れるあのスーパーサイヤ人感、それが欲しくて毎回つい飲み過ぎてしまう。

ただ、この頃は酒を飲んでスーパーサイヤ人になれる機会も減ってきた。10回飲んで1回なれれば良い方ではないかと思う。ではあなたは何のために飲むのか、と問われれば答える術はない。惰性で?つらさをごまかすため?どのようにでも言えるが、酒を飲むのに特に理由は無い、というのが本当のところだ。

では酒を飲む理由も無いのだからやめればいいじゃないかと人は言うし、僕も1000回ぐらい同じことを思った。しかし、やめられない。なぜか。酒をやめる理由もまた特にこれといってないからだ。やめてもやめなくても同じならやめなくてもいんじゃね?

そう言えば数年前「近頃酒を飲んでも飲まなくても同じだ」と言いつつ酒を飲む父の横で「じゃあ飲まんでいいやん」と直言したことがあるが、今になって父の気持ちがよく分かる。飲んでも飲まんでも同じならむしろ酒を飲むのだ。それが酒飲みの正当な理論であり、悲しい性なのだ。
そんな父(80歳)は変わらず、痛風を押してプリン体0のクソマズビールを日々ガブガブと飲み、最近では「ワシは120歳(長寿日本記録)まで生きる!」と息巻いている。老いてますます盛んだ。どうぞご自由に。あなたならできる。
なお、兄も近頃痛風の症状が出た。次は僕の番か…。

ともあれこの度、酒を愛する僕の自堕落な日常に「青年漫画賞を目指す」という一つの楔が打ち込まれた。それでまず考えるべきはやはり酒のことだった。〆切は11/30であるが、このまま酒を飲み続ける生活を続けていては絶対に間に合わない。毎日毎日酒を飲んで、ベロベロに酔っ払って、飲んでない時に気まぐれに漫画を描いて、そして「ああ今回もまた間に合わなかった」と、全くみっともない後悔を繰り返すのはもう嫌なんだ。
つまり、僕に酒をやめる正当な理由ができた。

ただ、酒を完全にやめるのが無理であることは42年間自分と付き合ってきて僕もわかっている。普段の生活に限ればきっと酒はやめられるが、人と会う時、友人と飲む時、会社の会食や飲み会では絶対に我慢できないので、そこでは盛大に飲んでいいことにした。

決心したのが先週の日曜日(9/29)で、次の月曜日にいきなり会食があったのでそこでは酒を飲みまくったが、先週火曜日以降今日までアルコールは一切口にしていない。
1週間以上経ったが実に良い感じだと思う。アルコールの代わりにはもっぱらノンアルビールとロックグラスに炭酸水と柚子の原液を混ぜたものを飲んでいる。それでも酔っ払った感じになるので不思議だ。炭酸に柑橘入ってれば飲んだ感じになるのかな?酒を飲んでないので夜でも車を運転できるし、急な買い物にも対応できる。家族でナイトドライブを楽しむこともできる。飲み過ぎて動くのが嫌になる、あの最低な状態になることもない。あと、金があまり減らない。

ただ、夜遅くまで起きてられるとか、朝早く起きられるとか、一番期待した効果は得られなかった。もともと酒飲んでた時から早寝早起きで、21時頃子供と寝て4時台、遅くとも5時台には起きていたので、酒をやめることでもう少し遅くまで夜更かしして漫画を描き、同じぐらいの時間に起きられればと思っていたが、夜は子供と一緒に横になると変わらずコテンと寝てしまう。それでいて起きる時間は変わらない、どころかむしろ遅くなっている気がする。酒を飲んでいないので長く眠るための体力が有り余っているのかもしれない。そして酒の代わりに何か発散させたいという気持ちから久々にスプラトゥーンにまで手を出してしまっている。ブラスター種を初めて使ってみたところ大層楽しい。

客観的に見て酒をやめて良いことも悪いことも起こっているが、しばらくは酒のなくなった空白をどう埋めればいいのかわからんところもあるので、ゴタゴタするのだと思う。夜起きとくためにはどうしても昼寝が必要なんだと、酒をやめてこのほど理解した。

そして個人的には酒をやめて起こった上記の諸々はほとんどどうでもよくて、自分で酒をやめると決めて(条件付きだが)、その通りやめられたことが何より嬉しい。自分で決めたことを全てやり通していた中学時代の自分に戻れたような気がして、自分が憧れた自分の状態に少し近づけた気がして、それが何より嬉しかった。
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親父じゃねえけど、オレもまだまだやれるじゃん。
さあ、漫画を描くべ!