東京都立大学理系数学の傾向と対策 (original) (raw)

①概要

東京都独自の都市構想に基づいたユニークな学科を有し、少人数指導で質の高い教育が受けられる東京都立大学の理系数学は例年各分野から典型的な問題が多く出題されます。しかし求値問題のみならず、高度な記述力が要求される問題や証明問題も多く出題されるため数学全般に対する理解力が必要となっています。全問記述式なのでしっかりとした論理展開に基づく記述ができるように練習しておきましょう。

前期日程試験の時間は75分で大問は全部で3題あります。数理科学科志願者のみ共通問題に加えて専用問題が課されます。専用問題の大問数も3題で理科と合わせて150分で解答することになります。

②傾向

過去6年間に出題された分野を表にまとめました。(前期日程)

(丸は理系共通 星は数理科学科専門 黒は大問の中の一部として出題 白は大問全体で出題)

この表を見てみると、数学ⅲの微分積分や数学Bのベクトルといった分野が主に出題されていることがわかります。特に微分積分は理系共通問題の中で毎年出題されていることがわかります。

難問や奇問といった類の問題は少なく典型的な標準問題が中心に出題されますが、理系共通問題は75分で3題解答するため時間的な余裕はあまりありません。なので素早く正確な計算力が必要となります。まずは各分野基礎力をしっかり身につけて、そのあと標準的な問題集で頻出分野である微分積分やベクトルをしっかり演習していきましょう。そのあと、複素数平面や確率、数列などの演習をしていくと安心です。特に現役生は微分積分の演習が遅れがちですので、少なくとも夏休み前までには数学ⅲの教科書を一通り終えて夏休み中には入試対策に切り替えたいところです。

数理科学科専用問題は共通問題よりもやや難易度が高めです。整数の性質や定積分と不等式、数列などの分野の応用問題がよく出題されています。また、理系共通問題よりも論証力を要する問題も多く出題されています。標準的な問題集よりもワンランク上の問題集での演習が必要です。

以上で終わります。ここまでお読みいただきありがとうございます。この記事は現役都立大生が書いています。都立大に関することや、受験に関することは質問を受け付けています。