PCエンジンDUO RGB出力追加~その3~ (original) (raw)
PCエンジンDUOのRGB出力追加で、ここまでにAV端子の8ピンへの交換方法を紹介しました。
続いて、RGBアンプモジュールを取り付けます。
配線する前にモジュールは予め基板に固定しておきます。なるべくビデオチップ(HuC6260)に近い位置に固定しましょう。
モジュールを基板に貼り付けたところ
私は、写真のようなアクリル両面テープを使って基板に接着しています。ある程度厚みがあり、基材が絶縁体でできているものであればOKです。
アクリル両面テープ
そして、DINコネクタからモジュールにジャンパ線を接続します。
ジャンパ線は後からシリコンで固定しますので、ここではマスキングテープを使って仮止めしておきます。
基板裏面
基板表面
お次は、モジュールに電源を供給するための配線を行います。
なお、その際に映像の縦縞対策としてビデオチップのアナログ電源のパスコンを増量します。
10μF程度のバイパスコンデンサを使うと効果があることがわかっており、私は積層セラミックコンデンサを2階建てにして使っています。
パスコンはチップの足の直近に取り付けないと意味がありません。そこで、+側は、41番ピン(アナログ+5V電源ピン)に直接半田付けし、アナログGND側は39番ピン(アナログGNDピン)から取ります。少々強引ですが、電気的にはこれが最適解です。
チップ電解コンデンサを取り付けたところ
なお、HuC6260のピン配置はこちらのサイトで公開されており、以下のようになっています。
HuC6260
モジュールへの電源供給は、半田付けしたセラミックコンデンサから延ばすと簡単です。
電源をモジュールに供給する
そして最後に、RGBS信号が出力されているビデオチップからモジュールにジャンパー線を飛ばします。ここでしくじると本体を壊してしまう可能性がありますから、細心の注意を払いましょう。
RGBS信号線をモジュールに接続したところ
なお、RGBS信号が出ているピンは以下の通りです。
- CSync : 44番ピン
- Green : 47番ピン
- Red : 49番ピン
- Blue : 51番ピン
そして仮組して、スキャンコンバータ(OSSC)を接続して電源ON。
スキャンコンバータ(OSSC)を通して映像を確認
Yes! 起動画面が表示されました。
映像の質としては、THS7314を使った時と変わりありません。
せっかくなので、映像をコンポジットビデオと比較してみます。
まずは、RGBS出力の画面。
OSSC (Open Source Scan Converter)
お次は、コンポジットビデオをエアリアのCLIMAXでHDMIに変換した画面。
コンポジットビデオ出力(AREA CLIMAX)
CLIMAXはかなりチューニングしたのですが、まあこの程度です。
これだけでも違いははっきりと判ります。
そして実際のゲーム画面。縦縞は無いようです。
ゲーム中の画面(1)
ゲーム中の画面(2)
せっかくなので、もっと安価に手に入り画質も良いODV GBS-Cでも試してみます。
Mcbazel ODV GBS-C
お値段的にはRetroTINKやOSSCの1/4以下なのですが、この映像。GBS-8200 + GBS Controlという組み合わせの完成品版ということです。映像遅延も比較しないと判らない程度です。
開いた口が塞がりません
一時期は話題騒然になり品薄になりましたが、現在のところ安定して供給されています。今後はこちらが本命になっていくのでしょう。Amazonでは暫く価格も1万1千円前後で一定でしたが、輸入品のため今後の値上げは間違いなく、見つけたら即ゲットしておいて損は無いと思います。
ということで、実験としては成功です。
今回はデータシート通りの回路で実験してみましたが、次は電気的特性を調べて、きちんとSCART規格に合うものかどうかを検証してみたいと思います。
SCART規格の説明やケーブルの結線図も作成する予定です。
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次の記事へと続きます。