「精霊の守り人」の再読記録 (original) (raw)

守り人シリーズ1「精霊の守り人」を久しぶりに読んでいます。
前に読んだのは2019年なので5年ぶり?
大好きでどハマりしたのに精霊の守り人はともかく2巻目以降は結構記憶が曖昧だったので今回はメモを残しながら読んでみました。

〜あらすじ〜
女用心棒バルサが橋を渡っている時向こうの橋を渡る牛車から人が落ちるのを目撃し、川に飛び込んで助ける。
助けられたのは新ヨゴ国の第二王子チャグムだった。

その母(第二妃)からお礼をしたいと言われ招かれたバルサは、チャグムが不思議な生き物の子を宿していて、それを理由に実の父である王から何度も殺されそうになっていると打ち明け、チャグムの用心棒を依頼する。

否応ない状況でチャグムを引き受けたバルサは火事を装い王宮から忍び出る。
星読み博士たちに気づかれて王の槍たちはバルサたちを追い始める。

バルサは路上で生活する兄妹の便利屋を頼り、旅支度の買い物をさせる。
その後追っ手が迫る頃に旅立つがすぐに王の槍たちに取り囲まれてしまう。
バルサは戦いの最中王の槍がチャグムを殺すつもりがないことを知ると、その隙を狙い反撃。
しかし深手を負ったバルサはチャグムに薬草師である友人のタンダに助けを求めるよう送り出す。

タンダの元に運ばれ介抱されたバルサはチャグムのことを相談する。
その頃タンダの師匠であるトロガイは狩人たちに狙われながらも国の建国史にも関わる精霊の正体を探っていた。
王宮では聖導師が優秀な星読みであるシュガに国の裏側の仕組みを打ち明ける。

少しづつチャグムの体に異変が起こり始める。
冬を越すために引越しを終えたチャグムとバルサ、トロガイとタンダ。
シュガはこの頃古い書物を読み解き、新ヨゴを作った王は非常に気が弱く、ナナイというものがこの地に導いたこと。
その王は水妖を倒してこの地の王になったというのが偽りだったと知る。
どうやら100年に一度ニュンガロ・イムが人間に卵をうみ、夏至になると産卵する。 その卵を狙ってラルンガという土の妖が現れるというのが真実だったのだ。

冬を越して夏至が近づく。新ヨゴでは日照りが続いて作物が育たない。
そんな中チャグムの体にさらなる変化が起きて青池を目指し始める。 卵の最後の成長を促す青池に咲く花を食べたところで、チャグムたちは王の盾に囲まれる。
シュガがナナイの自伝を読んで青池のことを読み解いたのだった。
チャグムを人質とすることで王の盾の攻撃をさせず、星の宮に全員で向かうことになるがそこにラルンガが襲う。
戦いの中王の盾の一人をタンダがかばう。
傷を負ったタンダを助けにチャグムを離れたバルサだが、その間にチャグムの中の卵が意思を乗っ取って歩き始める。

ラルンガから卵を守る方法を知るべくトロガイと王の盾モンは星の宮に戻り、残されたタンダとバルサ、ジンとゼンがチャグムを探して守るためチャグムを追いかける。
星の宮に戻った2人はシュガと話してトロガイはラルンガから卵を守る方法を閃く。
しかし戻る時間はないのでタンダが気づくように水の民に言付ける。
チャグムに追いついたバルサたちはラルンガに襲われるが、その最中チャグムは卵を産む。
水の民の言付けは最後までタンダに全て届かなかったがタンダはヤクーの民謡を思い出し空にいた鳥なージに卵を投げた。

無事戦いを終え日照りが終わる。
モン達がチャグムを迎えにやってきて第一皇子がなくなりチャグムが皇太子になったことを告げる。
バルサ達はチャグムを王宮の近くまで送り届けタンダの気持ちに気づいているバルサは一度自分の戦いへの欲求のようなものと向き合うため故郷のカンバルに向かうことを決心する。

〜面白いポイント〜
・とにかく出てくる人物が魅力的。
バルサやタンダは言うまでもないが、バルサの敵方のシュガやモンも必要とあれば力を合わせるところが好き。
・戦いのシーンの臨場感。文章が上手いのでスピード感がありつつ情景がしっかり浮かぶ。
・タンダ達との穏やかな暮らしのシーン。ほっこりする。
・成長していくチャグムの姿。よくあるわがままで反抗的な子供が成長していくのではなく、ずっと理知的で賢いのがいい。 その反動で爆発した時の姿がいじらしかった。
・運命に翻弄されたバルサが同じような運命を背負ったチャグムを通じて養父であるジグロの気持ちを知っていくところ

〜学びのポイント〜
1)過去を正しく伝える人がいなくなる社会全体の損失
2)歴史は簡単に強者によって変えられる