2024年8月 回転すし (original) (raw)

お盆休みに厚木市内の回転寿司屋にいった。息子は高校時代のサッカー部のOB会出席のため居らず、妻と息子の嫁さんのMさんの3人である。前回はコロナ禍前だったから久しぶりのことである。この間に一見、店内の様子は同じだったが、寿司が口に入るまでのやり方がすっかり変わっていた。以前は回転するベルト上に皿や容器に入った様々な寿司やデザートその他がゆっくり目の前を回っていた。食べたいものをそこから各自取り上げる様式だった。ところが、今回はタブレットで希望の品の写真と数量等をクリックするのである。ここまでは、よく行くレストランなどと同じでよかったが、それからが困った。しばらくすると注文品がベルトに運ばれてやってくるのであるが、5-6品注文すると老いの悲しさ、名前の一部を忘れてしまうのである。他人の注文品を取ってしまう恐れがあった。Mさんがいてくれて助かった。「お父さん、それ違いますよ。」と注意してくれるのである。高齢者向け自動車運転免許証更新時に実施される認知検査を思い出した。そこでは例えば、1枚の絵に4種類の動物、牛、兎、鶏、ライオンが示され、次の図には家庭内でよく使われる洗濯機、テレビ、テーブル、掃除機等の4種類といったように異なるカテゴリーの図が4枚、計16の物品が示される。これをメモしないで覚えておくよう言われる。次に簡単な足し算、引き算、掛け算等の問題を数分間実施後、先に示され覚えておくように言われた図の物品の名前を書きだすのである。数年前のテストでは16の物品名を全部覚えており100点だったが、3年前の時は90点くらいであった。来年が更新の時であるが、悔しいが免許は返上しようと今のところ考えている。

嫁さんのお陰で、他人の注文品を取らずに済んだ。以前の方式では人気のない品は取り上げられないから何回でもベルトの上をぐるぐる回っており、そのうち寿司が干からびてしまう。ずいぶん、破棄された寿司も多かったのではないか。それに比べ今の方式では注文品だけ、ベルトに乗せるのであるから無駄がない。でも、我々と同じように覚えきれず間違って、他人の注文品が取られてしまうこともあるのではないかと要らぬお世話であるが心配になった。どうも、これからは老人夫婦だけで回転寿司店にはいきずらくなってきた。