SIMPLE (original) (raw)

そんなに大したことではないけれど、気になったら改善したくてたまらない!ということは無いでしょうか。

私は普段家事をしているなかで、違和感であったり、使いにくさのようなものであったりを感じたらすぐに対処したくなるタイプです。そのため頻繁に断捨離や、引出しの整理をしています。

ここ数日、気になっていたのがカトラリー類を入れている引き出し。大きく分けて3つのテリトリーに分けていました。

一番奥が箸置き・箸・軽量スプーンのエリア、真ん中がフォークやスプーンのエリア、手前がキッチンペーパーというふうに分けていたのです。問題はないのですけれど、なんとなく違和感。フォークは毎日使うものではないのに一番取りやすい場所にいる。逆に毎日のように使う軽量スプーンや箸が一番奥にいる。引出しは構造上すべてを引き出せるわけではなく、奥の数cmは引き出すことができません。これは入れ方を再度検討した方がよいのでは?

…ということで、たまたまセリア(100円均一)にいく予定がありましたので、ついでに引出しのサイズを採寸いたしまして。ちょうどいい大きさのクリアケースを4つ購入してきました。

整理した引き出しがこちら。奥からフォーク、スプーン、軽量スプーンと箸、箸置きに変更しました。そして今まで寝かして置いていたキッチンペーパーは斜めに置くことに。完全に存在を忘れていて斜めにしか入らない…!と思っていたのですが、斜めにしても問題なく使用することができ、むしろ使いやすくなりました。

我が家ではメインとなる料理に合わせて箸置きを使い分けています。けれどここ最近、取りづらさから やや適当になっていたんです。けれどこれなら簡単に選べるので良きですね❀

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昨年箸置きについて綴りましたけれど、今も変わらず箸置きを使う生活ができていてなんだかほっとしました。1年たっても、私の中での「良い手間」は変わっていないようです。

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ちなみに、もう1セット(2つ)新しい箸置きをお迎えしたいなぁと思っています。今週末にはかっぱ橋道具まつりがありますから、それにお邪魔したいなぁと。箸置き以外にも、いくつかほしいものがありまして❀

箸置きは、御目出度い日に使えそうなデザインを購入したいなと思っています。お正月といったハレの日にも使えて、できれば日常的にも使えるようなものが良いなぁと。和食にあうデザインの箸置きと出会えると嬉しいなぁ❀もし、いけたら購入品をまたこちらで綴りたいと思います!

では、今回はこの辺で❀

少し前に三谷幸喜監督映画の『ラヂオの時間』をみました。撮影当時と今ではラジオのポジションや、時代背景が大きく異なるとは思います。それでも今に通じるメッセージを読み取ることができ、とても面白い作品でした。

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これまで三谷幸喜監督の作品を食わず嫌いならぬ、見ず嫌いしていた私。これは良い機会ということで、三谷幸喜監督の他の作品もみてみました❀まず今回は『THE 有頂天ホテル』について、ネタバレ交えて綴っていきたいと思います。

あらすじ

舞台となるのは『ホテル・アバンティ』という高級ホテル。今日はいつにも増して忙しい大晦日の夜を迎えようとしていました。

ホテルの副支配人の新堂は、アシスタントマネージャーの矢部、そしてもう一人の副支配人の瀬尾たちを含めた多くのホテル従業員と、忙しなく動きまわっています。その夜、ホテル・アバンティでは、カウントダウン・パーティや この一年で功績のあった人物を表彰する『マン・オブ・ザ・イヤー』の授賞式が開催される予定でした。

しかしカウントダウン・パーティに出演するはずだったアヒルのダブダブが逃げ出し、垂れ幕の”謹賀新年”の文字が”謹賀信念”と間違っていたりと、さまざまな問題が発生します。更に新堂はたまたま元妻と再会し、その際に嘘の大見栄をはって『マン・オブ・ザ・イヤー』の受賞者は自分であると言ってしまったのです。1つついてしまった嘘はどんどんと膨らんでいってしまいます。

一方、客室係のハナは息子を母親に預けて今日も遅くまで仕事に取り組んでいます。しかし、彼女はホテルに現在潜伏中の政治家・武藤田の元愛人だったのです。武藤田はクリーンなイメージで人気がありましたが、横領の疑いをかけられホテルに身を潜めていたのでした。ハナは武藤田に見つからないように気を付けながら仕事をしていましたが、また別の不倫カップルの別れ話に巻き込まれていくのでした。

さらにさらに、シンガーソングライター志望のベルボーイ只野はこの日が仕事の最終日でした。歌手になる夢を追いかけながらベルボーイをしていましたが、28歳になっても誰からも評価されず田舎に帰ることにしたのです。

仕事を終え 今まで使用することのできなかったラウンジでゆっくりしていると、昔の友人である なおみ と再会します。彼女は只野と違いキャビンアテンダントになるという夢を叶えたようでした。2人が談笑しているところに、アシスタントマネージャーの矢部がやってきて、あまりに多忙なため もう1日だけ手伝ってほしいと頼まれます。最初こそ断ろうとしますが、只野は流れで仕事を手伝うことになりました。

只野は大物演歌歌手 徳川を部屋に案内することになり、なおこは徳川と近づくことで只野の歌手になりたいという夢の足掛かりになるのではと応援します。しかし徳川は、舞台に上がることを極端に怖がり、子どものように泣きわめき、死にたがっているようで…。

様々なトラブルが重なり合い、ホテル・アバンティはさらにさらに大忙しになるのでした。

THE 有頂天ホテル

感想

登場人物がとにかく豪華で、なにより多い。ですが不思議とキャラクターがかぶるという様子はなく、それぞれがきちんとキャラクターとして成り立っているのがすごいなぁと思いました。

ざっくり感想を言うと、面白かったです。いろんなトラブルが起きて、このままじゃ収集がつかないぞー!って思っているところで、風船がシュンシュンと萎むように解決していくのはなかなか爽快なものがありました。笑いあり、ほっこりあり でありながら、ちょっと風刺もきいている。 喜劇 という言葉がよく似合う映画だなぁと感じました。

ただ個人的にはそれらがあまりに多すぎて とっ散らかっているように感じるというか、怒涛の流れに付いていけないというか、そんな感覚はありました。情報過多といえばしっくりくるかしらん。

それでも2時間少しの映画が、あっという間に感じるくらい退屈することはありませんでした。うん、面白かった。

よもやま話

以前、三谷幸喜監督が脚本をされた大河ドラマ新選組!』を全話みたのですが、『THE 有頂天ホテル』には同じ役者さんが多く参加されているようでした。

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私が気がついただけでも、ベルボーイ只野役の香取慎吾さん、政治家の武藤田は佐藤浩市さん、そのほかオダギリジョーさん、伊東四朗さん、戸田恵子さん、生瀬勝久さん、川平慈英さん、熊面鯉さん、麻生久美子さん、阿南健治さん、相島一之さん…きっと他にもおられると思います。

大河『新選組!』が2004年、そして『THE 有頂天ホテル』が2006年ですので、なんだか同窓会のようにも感じました。『新選組!』で近藤勇役を演じた香取慎吾さんと、芹沢鴨役を演じた佐藤浩市さん。史実では芹沢鴨は道半ばで新選組の面々に暗殺されました。要は近藤さんは芹沢さんを直接ではないにせよ暗殺したわけです。

しかし映画では自死をしようと考える武藤田(佐藤浩市さん)を、直接ではないにせよ助けるのは只野(香取慎吾さん)です。その後、武藤田が只野を抱きしめているシーンは感慨深いものがありました。まるで転生した2人をみているようでした。たまたまかもしれませんけれど。新見錦役を演じられた相島一之さんと仲良く(?)しているシーンもよかったなぁ…。三谷監督は意図していないかもしれませんが、とても嬉しくなるシーンでした!

はてさて、今回はこの辺で❀

観光地や駅にいくと、スタンプが置いてあることがありますよね。あると、別に集めているわけでもないのでに押してしまうっていう方、おられるんじゃないでしょうか。私もその一人で、旅行先でスタンプ台をみつけると とりあえず白い紙に押してみる…なんてことが。

最近はそのスタンプがデジタルになってるってご存じでした?今回はそんなデジタルスタンプ「エキタグ」について綴っていきたいと思います❀

エキタグとは

エキタグとは、駅などに設置されたNFCタグをスマートフォンで読み込むことで、アプリ内のデジタルスタンプ帳にスタンプを収集することができる。そんなアプリです。しかも無料ですよ、無料。

www.ekitag.jp

最近、駅でこんなマークみたことありませんか?

アプリを起動させて、エキタグを収集するボタンをタップし、このマークにスマホをかざすだけでスタンプがゲットできるっていう仕組みです。設置場所は駅の改札内や改札外と様々ですが、改札や切符売場付近にあることが多いです。アプリ内で設置場所が記載されているので、調べてから行くと安心だと思います。

スタンプ帳や白い紙が手元にあればいいですけれど、出先だと持っていないこともありますよね。これだと旅行先でもスマホ1つでスタンプを収集することができます。スマホだと常に持ち歩いているし、いつでもデータを見返すことができるのも嬉しいポイントですよね。

またスタンプにインクがちゃんと付いていなくて、きれいに押せなかった…という悲しいスタンプあるあるも回避できます。それが面白かったり、味だったりもするんですけれど、私のような収集癖のある人間だと”いかにきれいに取るか”が重要になってくるので、ありがたいです。

アプリ内では↑こんな感じで、自分が集めてきたスタンプを確認することができます。駅にあるスタンプだけではなく、ある区間を移動しきったらもらえる特別スタンプなんかもあるので、集め出したらはまってしまうと思います❀

実際に集めたスタンプはこんな感じです。1色の昔ながらのスタンプであったり、カラフルだったりと、スタンプのデザインは様々です。スタンプを収集した日も記録されているので、旅の思い出を振り返るのにも良いのではないでしょうか❀

ちなみにこの画像↑はアプリのスタンプ画面をスクリーンショットしたものですが、これをSNSなどでUPすることも許可されています。(エキタグHPのQ&Aより https://ekitag.virtual-agent.plus/FAQ/qa/QA00025/ )

私のように旅行記録をブログやSNSでUPしている人には嬉しいですよね❀

私のスタンプコレクション

実際に私が集めたスタンプたちの一部がこちら。

9月に行った立山黒部アルペンルート・松本と鉄道博物館の道中で集めたスタンプたちです。立山黒部アルペンルートでは実際の紙に押すスタンプを集めながら、エキタグも集めておりました。スタンプの柄は同じでしたが、色が違う…!これは収集癖のある人にはたまりませんね!

全国各地の様々な路線で導入されてきていますので、もしお出かけ先で見つけたらぜひチャレンジしてみてくださいませ❀

エキタグをしったきっかけ

そもそもどこでエキタグのことを知ったのか…と申しますと。最近当ブログではおなじみになってきた鉄道系 YouTubeチャンネルの西園寺チャンネル。こちらで紹介されていたので気になっておりました。

www.youtube.com

夫は以前からエキタグのことは知っていたようですが、とくに集めることはなかったようです。しかし立山黒部アルペンルートを巡ることが決まり、いろいろと調べているなかで、これまた西園寺くんの動画で立山黒部アルペンルートにもエキタグがあることを知ったのです。

普段 使う駅であれば、またいつでも集められるからとスルーできるのですが、立山黒部アルペンルートは次はいつ巡ることができるかわかりません。デジタルスタンプなら、プリントアウトして旅行ノートに貼り付けることもできるし…ということで集めはじめたわけです。

これがね、結構楽しいんですよ。アプリ内でどこの駅にエキタグがあるのかを簡単に調べることができるので、おでかけ先にエキタグがあるかを調べたり、実際に集めたエキタグを見ながら旅の記憶を辿ったり。またJR東日本さんのスタンプラリーなどに参加することがあれば、平行してエキタグも集めていきたいなぁなんて、決まってもいない旅行を妄想するのも楽しいものです。

普段のお出かけや旅行がちょっと楽しくなるかも?なエキタグの紹介でした❀

埼玉県 さいたま市にある鉄道博物館にお邪魔いたしまして。前回は鉄道ジオラマと ビューレストランでの食事について綴りました。今回はその続きについて綴っていきたいと思います。

歴史ステーション

鉄道が日本で開業したのは1872(明治5)年。当時、海外の技術を日本に取り入れ文明開化の1つとして鉄道は日本全国へと広がっていきました。そして今、日本の鉄道技術は海外に輸出されるようになりましたね。

たった150年ですが、鉄道に関する歴史はとても奥深いものです。歴史ステーションでは大きく6つの時代に分けて、鉄道の広がりや、技術の進化について学ぶことができます。

各時代ごとに、当時の切符販売所や改札が再現されていました。

開業当時の再現は、もうどこを撮ってもおしゃれ…!さらに当時の世情にも触れることができ、面白かったです。

反対側はこんな感じ。当時使用されていたものでしょうか。

制服の展示もありました。かっこいい!

新橋駅のジオラマ。新橋駅といえば、以前 旧新橋停車場に行ったことがあります。

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錦絵などでみていた世界がこうして再現されているのも面白いですね。0哩標識があったのはこの辺かね、なんて言いながら見ておりましたよ。

時代が移るにつれて、デザインが少しずつ変わっていきます。

改札の奥には、当時を再現した映像が流れているのですが、この映像も興味深かったです。登場人物の来ている服装なんかが、着物からスーツ、洋装と変わっていくんですよね。

当たり前だろうと言われてしまいそうですけれど、当時は印刷技術というものはありません。大量の切符を手書きするわけにもいきませんし、偽造されてもいけません。であれば、切符や定期券はどのようにして作られていたんだろう?考えてもみませんでしたが、こうやって展示をみてみると「なるほど!」といった発見があって勉強になりました。そもそも定期券っていう概念があったんだなぁ…と。

こちらは蒸気機関車明細図。とにかく細かくて美しい…!そしてこういった資料がきちんと保存されていることがびっくりでした。

新たに覚えたこととしては、蒸気機関車の車輪が1つならA、2つならB。この明細図は車輪が3つなので型はC〇〇みたいな感じになるそうな。別で夫が「デゴイチは…」と解説していましたが、D51型蒸気機関車のことを言っていることが分かりました。ほうほう

こちらは信号機。車両からでも見やすいようになのか、とにかく大きかったです。

3つ目の時代に移りまして。運賃表が現れました。行き先が随分と多いですが、どの駅も聞いたことがありますね。当時と今では場所の違いはあるかもしれませんが、各駅にも歴史があるのだなぁと感じました。

裏側はこちら。こまごました備品が増えてきていますね。

女性が列車を待っていたり、サラリーマンらしき人々がスーツだったり。でも着物の御老人もいたりで、時代の移り変わりを感じます。

個人的に一番響いたのがこちら。車内の灯をとるためのピンチガス灯ですが、デザインがとてつもなくおしゃれ!機能性だけを考えればこういった装飾は不要なのですが、あえて装飾があるところにグッときますねぇ❀

更に次の時代。最初のものと比べて随分と現代に近づきましたね。

駅員さんとお話するときの穴は今でも見かけます。裏側の引出しの雰囲気なんかも、随分と近くなってきました。

改札はこんな感じ。私がまだ幼ち園児くらいのころ。最寄り駅は有人改札の駅でした。駅員さんに切符を渡して出入りするんですが、そこにこういった駅員さんのスペースがあったことを思い出しました。

今でも有人改札の駅を使うとこういったスペースがありますが、木材だったものが変化して、いまのデザインになったのか…と思うと、すべてのものが少しずつ変化しているのだなぁと感じます。

崎陽軒シウマイ弁当の売り子さんがいました。

当時と今ではシウマイ弁当のパッケージが異なるようです。これはこれでシックでいいなぁ❀

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次の時代へ。

改札は新幹線を待っている映像になりました。

切符販売所のなかも随分とメカメカしくなりましたね。でも電卓ではなく そろばん を使っているところが 好きポイントでした。

鉄道にはあまり詳しくないですが、ヘッドマークが結構好きです。名前にぴったりなデザインがなされているヘッドマークって、レトロで素敵だなぁって。ネーミングセンスもいいですよね。北斗星とか銀河とか、願いが込められている名前のものが特に好きです。

実は後半はかなり駆け足で巡りまして。かなりゆっくりと見ていたため、3つ目の時代で閉館時間が刻一刻と近づいておりまして…。今回は他のエリアで見たいところがありましたので、後半は次回ゆっくり見ることにして、次のエリアを目指します。

立山トンネルトロリーバス

鉄道車両年表のところにはつい最近、乗った立山トンネルトロリーバスの展示がありました。

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立山トンネルを走るトロリーバスは2024年11月30日までということで、それにまつわる展示のようです。部品などが展示されていましたよ。

右上のポスターを現地で見ていたので、なんだか感慨深いです。

「南正時 作品展 Lの時代 国鉄特急、大集合!」

以前、旧新橋停車場にお邪魔したときに「ブルートレイン 夢の旅路へ」という展示がされていました。鉄道写真家の南正時さんの写真を中心に、ブルートレインに思いを馳せるといった展示でした。

今回も南正時さんの作品展ということで。1970年代から1980年代末までの特急列車をテーマとした写真が約90枚も飾られるということで、なかなかにボリューミーでしたよ❀

そもそもLの時代ってなんぞや?という話なのですが、当時 運行本数の多い昼行の在来線特急は”L特急”という愛称で親しまれていたんだそう。鉄道の進化と共に、長距離を早く移動することができる特急が求められ増えていく。それがどんどんと新幹線に移り変わり減っていく…そういう時代の変化も解説で知ることができました。

どの写真も時代の流れや、美しい景色が見ることができるということで、夫は大はしゃぎでしたよ❀

よもやま話

お昼過ぎくらいに到着した鉄道博物館。写真展を見終えたのは閉館の10分ほど前でした。数時間ではやはり館内全部を見つくすことはできず…!今回も館内の全貌を知るということにはなりませんでした。そんなわけで、割引券ももう1枚ありますので、近日中にもう一度お邪魔することになると思います。

そのときは、もう開館時間には到着して丸一日かけて館内をまわりたいなぁと思うのですが、それでも時間が足りないんだろうなぁ…。お食事処も素敵ですし、駅弁を食べられるスポットもありますし。食事だけでも楽しそうなんですよ。お土産物屋さんもチラっと拝見したんですが、お菓子のケースがまた可愛らしくって。どれもこれも欲しくなってしまうから困ります。

はてさて次はいつになることやら。今回はこの辺で❀

旅行好きの私と鉄道(旅行も)好きの夫。一緒にあちらこちらに行くようになって4年の月日がたちました。お互いに旅行好きという根底は同じでも、行きたい場所や旅先でしたいことは異なります。一緒に旅にでることで、自分一人の旅ではしなかったような経験ができていると思います。

私の中で一例をあげるとしたら鉄道関係。乗り物に対してほとんど興味のなかった私ですが、今では少しばかり夫のいう鉄道話が理解できるようになってきました。(たぶん2割くらい)

今回は、埼玉県さいたま市にある鉄道博物館に行って来ましたので、そのことについて綴っていきたいと思います。

1回目の鉄道博物館

実は鉄道博物館は今回が初めてというわけではなく、2回目です。

今年のはじめにJR東日本さんで開催されたスタンプラリーイベントに参加し、なんやこんやで50駅コンプリートいたしました。集めたスタンプ数に応じてご褒美がもらえたのですが、そのコンプリート特典として抽選応募みたいな企画があったんですね。それがなんと当選しまして。そんなわけで、鉄道博物館のナイトミュージアムにお邪魔したわけです。

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”ナイト”ミュージアム ですから、通常営業ではありません。閉館後の鉄道博物館内を散策できるということで、普段の雰囲気とはまた違った館内を写真におさめることができて、とても楽しかったです。

基本的に展示物はじっくりと見たい派の私と夫。1つ1つ、解説を見ながらまわっていたところ、車両ステーションというエリアでほとんどの時間を費やしてしまいました。ナイトミュージアムの際に割引券を2枚いただいたので、また改めて他のエリアも見にこようということになりました。

鉄道博物館

そんなわけでやってきた2回目の鉄道博物館

祝日に行きましたが、テーマパークあるあるの身動きが取れないほど人が多いというわけではなく。やはり小さなお子さんと一緒に来られているファミリーが多かったですが、ほどよい距離感を保って館内を見てまわることができました。

汽車の車輪のようなロゴがかわいいですよね❀

鉄道ジオラマ

夫がまず行きたいと言っていたのが 鉄道ジオラマ のエリア。

なんと幅が約23m×奥行 約10m。日本最大級の鉄道ジオラマです。車両が置いてある場所があったり、ターミナル駅があったり…。走っている電車も在来線だけでなく、貨物車や新幹線と様々でした。

個人的に好きなポイントが川と橋。橋と言ってもそれぞれデザインが異なっていてとても興味深かったです。

こういう営みが感じられるようなジオラマっていいですよねぇ❀

街の中心部のジオラマも素敵です。

このジオラマは時間ごとに解説をしてもらえます。椅子に座ってゆっくりとジオラマを眺めるのも、景色を眺めているみたいで良かった❀鉄道の1日の流れを解説しながら、もし線路に何かが落ちてしまったときは?とか踏切でトラックがひっかかってしまったら?というトラブルに、鉄道がどのように対応しているのかといったことも解説されていて、大人でもなるほど~と思うところがたくさんありました。

個人的には夜のジオラマが好きです。ライトアップされた建物と、その世界を走る鉄道たちが綺麗でした!

ビューレストラン

夫が空腹ということで、ビューレストランへとやってきました。

結構がっつりメニューを注文したようで。こちらは列車乗務員まかない丼の「ハチクマライス」。パワーが付きそうなおかずがたくさん乗っていて、美味しそうですね❀

私が頼んだのはこちらのよくあるスナックBOX。ポテトとチキンは夫とシェアしながらアメリカンドッグをペロリ。普段いただくポテトやアメリカンドッグよりカリカリめで、結構おいしかったです❀

そしてそして、以前から食べてみたかったスジャータのバニラアイスクリーム。

最近では見ることが減りましたが、車内販売で売られているアイスクリームなのですが…カチコチであることが有名ですよね。私もやってみたかったんです!開けたばかりは結構固かったです。他の食事を食べて…と暫く置いておくと、良い感じに溶けてきて、それ以降は濃厚なアイスクリームとして楽しむことができました❀

鉄道博物館のすぐ横では新幹線が走っています。そのため、ビューレストランでは座席によっては新幹線の通過を楽しみながら食事ができるんですね。

私と夫も窓際ではありませんが(夫曰く、窓際は未来の鉄道ファンに譲りたいとのこと)、外が見える座席に座りまして。そこからときたま通過する新幹線を楽しみながら、食事を楽しむことができました❀

よもやま話

新幹線といっても、その種類によって塗装されている色やデザインが異なりますよね。”こまち”とか”はやぶさ”とか”つばさ”とか。私は「この色がこの新幹線」というのを未だに覚えることができていません。

ビューレストランで食事をしながら、通過していく新幹線を眺めていると、あちらこちらから「はやぶさ!」とか「つばさ!」という子ども達の声が聞こえてきます。まだ5歳くらいの子でもパッとみてわかるようで、すごいなぁ…と感心しておりました。

幼い頃に何かに熱中して好きになる。もしかしたらそれは小学生にあがる頃には忘れ去られてしまう記憶かもしれませんけれど、そういう経験が1つでもあるというのは素敵なことだと思います。もちろんそのなかには夫のように三十代後半になってもその世界が大好きで、きっとこれからも大好きであろう人物もいるわけですから。

はてさて、今回はこの辺で。次回も鉄道博物館について綴っていきたいと思います❀

シーリングワックスってご存じですか?

溶かした蝋にスタンプを押して封緘している封筒を見たことがある方は多いのではないでしょうか。封筒の綴じ目に綺麗なスタンプがあるだけで、より一層おしゃれに見えますよね。

今回はそんなシーリングワックスについて綴っていきたいと思います。

シーリングワックス と 私

今から10年以上前、実家の母の影響でフェリシモという通販サイトを使用していたことがあります。今はどのような仕組みになっているのかは知りませんが、当時は商品を単品で購入する(そういう商品もあったかと思いますが)…というわけではなくて、コースに加入するんです。

たとえば「クマのぬいぐるみを作ろう」みたいなコースがあるとしたら、クマのデザインが6種類くらいあるんです。毎月、その6種類のうちのどれかが家に届く。何が届くかは、届いてからのお楽しみでした。

当時は買い物欲を方々にまき散らかしていたので、いくつかのコースを注文していました。結局作ることなく、お別れしたものが多かったですけれどね。どれもデザインが可愛らしくって、みているだけでも楽しかったものです。

今でも使用しているものもいくつかあって、数百色の色鉛筆は日常的に使っていますし、フェルトで作ったマグネット入りスイーツは冷蔵庫に張り付いています。

そんななか使ってはいないけれど、処分できなかったものがあります。ここ数年は部屋の装飾品となっていたものなのですけれど、それがシーリングワックス。

こちらが蝋

そしてこちらがスタンプ。まるでチェスの駒のようで可愛いく、飾っているだけで楽しい。

スタンプの柄はこんな感じ。うさぎ や小鳥、薔薇などがあります。

チャレンジしてみよう

正式にいつ購入したのか…すら覚えていませんが、ずっと使いかたが分からずに保管していたシーリングワックス。使いかたといっても、蝋を溶かして、スタンプをおすだけなのですけれど。購入した頃にチャレンジしてみたら、蝋を溶かすのが上手くいかなかったんですよね…で、そのまま装飾品となっていたわけですけれど。

この間、ふとノートをデコレーションしていたときのこと。ここにシーリングワックスのスタンプが可愛いだろうな というようなことがありました。そして我が家にはエンボスヒーター(簡単にいうと工作用のドライヤーみたいなもの)があることを思い出しました。エンボスヒーターなら、シーリングワックス…溶かせるんじゃね???と。

はい。できました。マスキングテープの上に垂らしたシーリングワックスには見事に、スタンプをおすことができました!

しばらくおいて、固まったところで外してみるとこんな感じです。よく見るやつ~!と1人狂喜乱舞。読書中の夫を何度も呼び出し、スタンプの実況中継をするくらいには歓喜いたしましたよ。だって10年以上使えていなかったものが、やっと使えたんですもの!!!

無事、デコレーションのパーツとして活躍してくれています。マスキングテープの上に作ることで、取り外しが可能です。外してから両面テープやボンドなどで、本来つけたかったところに貼り付ければ安心です。慣れるまでは失敗することもあると思うので、こうやって作っていこうと思います❀

折角使えるようになったのであれば、あちらこちらに使いたい。手紙を出したい…という欲求が高まっています。

ウサギのスタンプも可愛い。

TikTokなどを見ていると、ときたまシーリングワックスの動画が流れてきます。最近のシーリングワックスは粒状のワックスなのですね。1色ではなく複数のカラーを混ぜたり、グルーガンを用いて透明のスタンプを作ったり、いろいろな方法で作られているのを見ると楽しくなります。

私の場合は、写真↑のような古典的なデザインが好きなので、このままですけれど。プレゼントの紐をとめたり、手紙やデコレーション以外でも使ってみたいなぁと思っています。

よもやま話

2024年10月1日から郵便料金が変更され、今までより少し値上がりしましたね。

大学図書館に勤めていたときのこと。私はILLという業務を担当していました。ILLとは簡単にいうと、依頼者(大学の生徒さんや先生方)がみたい論文や図書が自校にない場合、他大学にお願いして借してもらったり、コピーしたものを送ってもらったりするというサービスです。送ってもらうこともあれば、こちらも送ることがある。相互に協力しましょうねっていうサービスなんですね。

そこで重要になってくるのが郵便料金。依頼を受けて相手校に送るとき、できるだけ早く、安い方法で発送してあげたいわけです。領収書の紙の不要な部分を切り落として、1gでも軽くしたり、図書を送るときは出来るだけ軽い箱を選んだり…。今は専業主婦で、郵便を送ったりすることの皆無な私ですが、なんとなく今でも郵便料金は気にしてしまいます。

文通になんとなく憧れがあって、今も文通をされている方の話を聞くと、風流だと感じます。待つ楽しみ、不便が故の楽しみ、みたいな。スマホが1台あれば、メールも電話もできる。ラインでは無料でリアルタイムに会話ができるし、ビデオ電話もできる。そんな世の中で、あえてアナログにするのがいいですよね。

郵便はこれからどんどん衰退していってしまう…なんて言われていますけれど、手紙を送りあう文化は衰退しないで残っていってほしいものです。

お人形遊びって しましたか?

私も幼い頃は人並みにしていたと思います。あまり遊んだ記憶というのはないのですが、おもちゃ箱にセーラームーンのお人形やリカちゃん人形なんかがあったように記憶しています。

ただ薄ぼんやりした記憶のなかで、私は何故か人形よりも家や家具の配置の方にこだわっていたんですよね。家にはお風呂があって、トイレがあって、キッチンがあって…とシルバニアファミリーにそれらを再現し、家を作り上げていくことに楽しみを覚えていたようです。

ですから、人形に対して愛着を持つようになったのは最近になってきてからかもしれません。最近、他にやることが多くてできていませんが…。続き、やりたいよぅっ!

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はてさて話を戻して、お人形 にまつわる映画『バービー』を観ました。感想をネタバレ交えて綴っていきたいと思います。ただ今回の映画、ジェンダーギャップについて描かれておりますので人によってはセンシティブに思われる方も多いかもしれません。また少々辛口に書いておりますので、ご了承願います。

あらすじ

アメリカ合衆国玩具メーカー マテル社が発売し、世界的にヒットした着せ替え人形バービー。バービーが発売されるより以前の人形は赤子を模した人形、要は世話をする対象としての人形ばかりでした。しかしバービーは十代後半の女性の人形です。人形は自分達の憧れを反映する対象となり、バービーは世界を変えたのでした。

バービーがすべえてを変えた。そして変化は続いた。どれもがバービー。バービーは何者にもなれる。ただの水着姿の女の子から、可能性はどんどん広がった。お金や家を持ち、車や仕事も持った。女性たちだってこうなれるはず。その影響は少女たちに広まった。可能性は無限。なりたいものには、何でもなれる。バービーのおかげで性差別や不平等は解消…とバービーは信じてた。バービーランドは夢の国だし、夢は壊しちゃダメ。そんなバービーが今日も幸せに暮らしている。

バービーランドは夢の国です。様々なタイプ・職種のバービーとケンたちが暮らす世界です。主人公のバービーは定番型のバービー。美しい美貌とプロポーション。彼女は毎日、ハッピーに暮らしています。バービーランドでは大統領も、お医者さんも、ノーベル賞をとるのもバービー達です。一方、ケンたちはというと陽気で快活な性格でバービー達を盛り立てますが、どこか情けなく下品な下ネタばかりで、所詮はどこまでいってもバービー達の盛り上げ役なのでした。

バービーの毎日は完璧です。朝起きて、前日の飲みすぎがたたることなんてありません。トーストを焼きすぎてしまうことも、牛乳の賞味期限切れになっていることもありえません。ましてや自分の死について考え、ブルーになるなんてことありえないのです。なのに、ある日起きてみると バービーは、なんとなく調子が悪いのです。

「私のかかとが地面についてるの、つま先立ちじゃない…」

しかも、いつもはピンと伸びたつま先立ちの足が、ベタ足になってしまっています。こんな足では、いつも履いているヒールは痛くて歩けません。

バービーは他のバービー達に相談し、”へんてこバービー”を訪ねることになりました。彼女は、子どもに髪を切られ顔に落書きされてしまったバービーです。バービーランドではちょっと変わり者扱いをされ、町外れに住んでいます。彼女に事情を説明して、どうすればいいか聞きに来たのです。

「私は定番のバービーで、深く考えるタイプじゃない。でも今朝は変なことばかり」

へんてこバービーはこの世界の秘密を知っており、バービーのベタ足をなおすためには、現実世界に行って持ち主に会う必要があると言います。バービーは行くことを渋りますが、気がつけばバービーの太ももにはいつの間にかセルライトが。これでは完璧とは言えません。

バービーは持ち主を探すため、人間世界へと旅立つ決心をするのでした。しかし、バービーが旅立って少しした頃。ハプニングが起きました。なんと車に、ブロンドの髪に美しい筋肉をもったケンが乗り込んでいたのです。バービーはケンに戻るように言いますが、結局はケンはバービーと共に人間世界へと行くことになったのでした。

人間世界に辿り着いたバービーとケン。ローラースケートで道を颯爽と走る2人は多くの人の視線が突き刺さります。それは、好意的とは言えませんでした。バービーは自分に向けられる視線に対して、不快感と羞恥を覚えます。しかしケンはむしろ注目されることに酔っているかのようでした。

工事現場の前を通りすがったとき、バービーはさぞ多くの女性たちが働いているだろうと思い彼らに話しかけます。しかし女性は一人もいません。働いているのは男性ばかり。しかも下品な返事をされてしまう始末です。バービーは自分が思い描いていた人間社会と、現実の違いに気付き始めるのでした。

バービーは自分の持ち主であるサーシャを探すことにしました。バービーが思いを馳せると、サーシャの記憶が届きます。そして彼女が学校にいることがわかり、バービーとケンは学校へと向かうことにするのでした。

一方、現実世界のマテル社では新しいバービーについて、会議が行われていました。自立したバービーは…なんて話しているの社長や重役たちは、皆おじさんばかりです。そこへ、バービーとケンがバービーランドから現実世界に来てしまったことが知らされ、大騒ぎです。一刻も早く、バービーをマテル社に連れてきて、バービーランドに返さなくてはなりません。彼らはバービを捜索するために動き始めるのでした。

バービーとケンはサーシャの通う学校へとやってきました。そしてバービーはサーシャを見つけ出したのです。そして、自分がバービーであることを伝えますが、サーシャは怪訝な顔をしています。

サーシャ「バービーは迷惑だよ」

バービー「迷惑?なぜ?

「いいよ。教えてあげる。あんたは女の気持ちを逆なでする」

「その逆でしょ?」

「最悪な手本だよ。性的だし、その体系を理想化させた」

「それは定番タイプのバービーだけ。ほかにもいろいろいる」

「あんたは何?」

「私は定番タイプだけど」

フェミニズムを50年 後退させ、女子の自信を奪い、大量消費をあおり、環境破壊してる」

「私は女の子をハッピーでパワフルにしたいの」

「元々パワフルだし、バービーはとうに卒業した。このファシスト!」

会えたことを喜びハグされることを期待していたバービーですが、その期待はすべて打ち砕かれ、更に自分の存在がいかに時代遅れでナンセンスな存在かを説かれ、バービーは落胆し涙を流しながらその場を後にするのでした。

その頃、ケンはとある女性に声をかけられました。敬語で時間を聞かれるということに衝撃を受けていたのです。バービーランドでは自分に対して敬語を使われることも、頼られることもありません。そこでケンは現実には男社会があることを初めて知るのでした。そして図書館にある男性にまつわる本を数冊手にして、学校を一人で後にするのでした。

「”男社会”は初耳だ。それって男と馬が仕切ってる?道が開けた」

ケンはバービーランドと現実社会の男性では、扱われ方が正反対であることに気がつきます。現実社会では社会は男性が中心に回っています。

ケン「高度で高収入な仕事をくれ」

サラリーマン「MBAが要る。博士号も」

「”男”でも?」

「今の時代、逆に不利だ」

「男社会を回せてないのか?」

「そんなことない。回してるさ、それをうまく隠してる」

ケンはバービーランドに戻り、ケンたちにこのことを知らせなければと思いつき、バービーを置いて一人旅立つのでした。

バービーはついにマテル社の人間に見つかってしまったようでした。サーシャの目の前で、バービーが専用の車に乗せられていくところを目にしました。それを迎えにきた母にぽつりとつぶやきました。

迎えにきた母親はマテル社の会議室の受付をしている女性でした。そのため、バービーがバービーランドからやってきていたという事実を知っていたのです。母親はバービーを助けようと車を降りますが、目の前で車は去って行ってしまうのでした。

バービー「すべてが逆よ。男は私を品定め。女には嫌われ、変人扱いで逮捕される」

バービーは迎えの車がマテル社であったことに安心しきり、一連のことを彼らに愚痴ります。そしてついにマテル社の最上階にある会議室にやってきたのでした。社長や重役たちは、バービーに箱に入れば元通りになると言い、バービーに箱に入るようにすすめます。

バービー「女性の偉い人に会いたい。CEOは?」

CEO「私だ」(高齢男性)

「財務部長は?」

「僕だ」(男性)

「業務部長、バービー担当は?」

バービーも元に戻れるのであればと箱に入ろうとしましたが、その前にバービーには やりたいことがありました。マテル社で活躍する女性社員に会っておきたかったのです。しかし、重役にいるのは男性ばかりです。

バービー「女性はゼロ?」

CEO「君の考えはハッキリ読めた。私としても遺憾だ。女性で成り立つ会社なのに。90年代には一人いた。…もう1人いたな。いつか別の時に。つまり2人はいた。女性が築いた礎で、このそそり立つビルができた。ジェンダーレストイレは山ほどあるし、皆女好き。私は母から生まれた、立派な息子。女のおばさんの甥っ子だ。親友はユダヤ人。とにかく…箱に入れ、このアマ!……ポリコレ違反?」

バービーはここから逃げ出すことにしました。彼らを騙して部屋から抜け出し、とある1室へとやってきました。ビルのとある1室なのに、一軒家のキッチンがあるようです。そこで一人の老婆が作業をしているようでした。彼女は考え事には食卓が一番であり、仕事も、それ以上のこともしていると言います。そしてバービーを見て言うのでした。

老婆「あなた変わったみたい」

バービー「今は見た目が完璧じゃないから…」

「そうかしら。そのままで素敵よ」

「人間界は思ってたのと違う」

「それは当然、その方が面白い」

バービーと老婆が話していると、部屋の外で物音がしました。バービーを探しているCEO達が近くへとやってきてしまったようです。老婆の助言を受けてバービーはマテル社から抜け出すことができました。

マテル社の目の前には1台の車が止まっていました。サーシャとサーシャの母 グロリアがバービーを探してやってきていたのです。すぐさまバービーは車に飛び乗って、逃げ出すのでした。車中で3人で何があったのかを話していた時のことです、グロリアが最近バービーで遊んでいたことを告白します。

グロリア「最近寂しくて、バービーを見つけて…」

サーシャ「寄付したはず」

グロリア「人形遊びしたり、お絵描きした。楽しもうと」

バービー「で?」

グロリア「悲しくて変な気分に。絵も変になった。あなた(バービー)にはなれないから、私に似せたの」

バービー「死を考えたり、セルライトができた絵を描いた?」

グロリア「描いた!”死を考えるバービー”」

バービー「それよ!」

グロリア「セルライトのも…!」

バービー/グロリア「「あなた/私 のせい?」

バービーの異変はサーシャではなく、グロリアの影響だったのです。

バービー「女性に謝るわ。人間界をよくしたと思ってた。実際はひどい有様ね」

グロリア「でもバービーは夢をくれた」

バービー「私は女性の味方よ」

サーシャ「女は嫌われてる。男も女もお難を嫌ってる」

バービー「本当?」

グロリア「それは言い過ぎ」

サーシャ「目を覚まして」

マテル社はバービー達のすぐそこまで追ってきています。何とかグロリアのドライブテクニックによって撒くことはできましたが、このままではいけません。

バービーは3人でバービーランドに向かうことにしました。来た道を帰り、辿り着いたバービーランド。しかしそこはバービーが知る世界ではありませんでした。

ケンは現実世界では家父長制であり、社会の主権的地位にあることは男性であることを知りました。今までバービーランドでは軽くあしらわれていたケンたちは、溜まっていた鬱憤を晴らすべく、他のケンたちも巻き込み男性優位の社会を作り始めたのです。

そしてこれまで総理大臣や権威ある職種についていたバービーたちも洗脳されたかのように思考を辞め、メイドや、ケンのマッサージ、ガールフレンドといった役割にかえられてしまっていたのでした。そしてそれに疑問すら持っておらず、幸せすら感じているようでした。バービーたちの家はケンたちに占領され、バービーランドはケンダムへと変わってしまったのでした。

バービー「変化なんか望んでなかった」」

グロリア「変わって当然よ、それが人生だもの」

「そんなの怖い。変化はイヤ、私の人生には必要ない。イヤよ。変化なんか要らない。ここに座って待つ。リーダー系のバービーが正気に戻って混乱がやむまで」

「気持ちは分かる。人間やってるとよくそう思う」

「もうほっといて。自分の混乱した世界に帰ってよ」

サーシャ「諦めるの?」

バービー「そうよ」

サーシャ「同情しかけたけど結局ダメなバービーだね」

グロリア「もう帰ろう」

そうしてグロリアとサーシャは来た道を戻っていくのでした…

バービー

感想

バービーの家は眩しいくらいピンク色に埋め尽くされ、まさにバービーの世界でした。バービーは人形ですから、階段を使うことはありません。2階から1階へは滑り台を使うか、ふわりと空を舞って そのまま車に乗り込むのです。確かに人形遊びをしていると、階段をちまちま降りることはしませんよね。そういった人形らしい動きが、見せ方として面白かったです。シャワーシーンも浴びている様子だけで実際は浴びてないし(水は出ていない)、飲食もふりだけ。だからコップに口は付けないというのも表現として面白かったです。

バービー人形にはいろいろな種類がいるというのは、ときたまニュースで拝見していました。性別や体型、肌や髪の色にバリエーションがあるだけでなく、車いすに乗っていたり義肢をつけているバービー、ダウン症をテーマにしたバービーと本当に様々です。ですから映画の中でも車いすに乗ったバービーやマーメイドのバービーなど本当にさまざまなバービーが出てきていました。その辺りも多様性に配慮してきたというマテル社の歴史をわかりやすく伝えられているように思います。

はてさて内容について。ラストのネタバレになってしまいますが、バービーランドの大まかな流れとしては女性(バービー)中心社会→男性(ケン)中心社会→女性(バービー)が中心の社会に戻るが、男性(ケン)達にも少しずつ権利を渡す社会となっています。ラストは性別は逆ですけど現実みたいですよね。

バービーが自分を取り戻すために、グロリアが励ますシーンが印象的でした。

バービー「私はもう美しくない」

グロリア「とてもきれいよ」

「定番レベルの美しさじゃない」

「でも美しい」

「見た目もダメだし、賢くなくて魅力がない」

「賢いよ」

「脳外科医でも飛行士でもない、大統領でもない、最高裁判事でもない。私には何の能力もないの」

「女でいるのって苦行よね。あなたは美しいし、頭もいいのに劣等感に苦しむなんておかしい。女は常に素敵じゃないといけない。でもなぜかうまくいかない。スリムでも痩せすぎはダメ。”痩せたい”は禁句。いうなら”健康的になりたい”、でもスリムじゃなきゃダメ。お金は持つべき、でもガツガツしちゃダメ。偉くなれ、偉ぶるな。リーダーになれ、でも下の意見を聞け。母親業は楽しめ、でも子ども自慢はダメ。キャリアは持て、でも周りの世話もしろ。男のワガママに付き合え。指摘すれば文句扱いされる。美しくいろ、でもやりすぎるな。男にモテすぎると女友達の脅威を与える。目立っちゃダメ。常に感謝すること。世の中不公平だけど、それは飲み込んで感謝しろ。老けちゃダメ。失礼なのも、気取るのも、自己中も、挫折もダメ。失敗も、怖がるのも、はみ出すのもダメ。苦行だし、矛盾してる。でも評価も感謝もされず、結局うまくいけなくて、女が悪いせいにされる。もうウンザリ。自分だけじゃなく、あらゆる女性たち全員が人に好かれようと苦労するのを見たくない。そしてそれが全部人形にも当てはまるわけ?あなたは女性をかたどったそんざいだから?ならお手上げ」

この言葉をきっかけに、洗脳されたバービー達は本来の自分達を取り戻します。

まずは「めっちゃわかるわ…」という気持ち。「女はこうであるべき」という圧はどの国にもどの年代にも多かれ少なかれあるでしょう。ジェンダーギャップについて深堀するつもりはありませんが、そういう圧へのストレスが言語化されることで、自分の中でカタルシスが起こる。良いシーンだと思います。

その反面、これは”女”だけに当てはまるわけではなく、”男”にだって当てはまる話ですよね。”女でいるのって苦行”っていうよりは”社会で生きていくのって苦行”のほうが、本来の言葉なのかもしれません。この映画の特性やシーン上、仕方のない構図なのですけれど。なんかひっかかるものも、ありました。

バービー「男社会での理不尽な女性像を言語化したら、洗脳が解けた」

そしてこのシーンで洗脳が解かれるのはバービーも同様です。彼女もまた”自分は定番バービーで美しく完璧な存在でいなければならない。そしてそれ以外は何の能力もなく、賢くない”という呪いを打ち破って立ち上がる…みたいな。私はどちらかというと、こちらのシーンの方が刺さるものがありました。

自分に当てはめて考えるような美貌を持ち合わせてはいませんけれど「私には何もない」という呪いは、私自身も感じるものがあるので、バービーのように打ち破れたら…と思いました。

もちろん映画のラストにはバービーだけでなくケン(男性たち)が救われるターンもあります。ほんの少しですけれど。だから最初から最後まで「女上げ、男下げ」というわけではないです。でももう少し平等に近づけてほしいなぁ…とは思ったものです。

テーマはジェンダーギャップ、そして着地点としては”何者か”である必要はない。といったところなのでしょうか。私は私、ケンはケンみたいに、自分でいることが幸せであるということなのでしょう。でもその私を構築するのは内的要因だけでなく、外的要因もあって難しい問題だなぁと。

そもそもこの映画とどこまで真剣に向き合えばいいのかが私にはわからなかったんですよね。フランクに接したらいいのか、それとももっと深く考察した方がいいのか。考察しだしたら、それなりにあると思うのですが そこまで深くもないよなぁ…と。

例えば終盤にバービーがこれでもか!とシャネルで埋め尽くされているシーンがあるんですね。シャネルは女性の自立の象徴であって、男性社会に頼らないで生きていく…的なことなんだろうなぁと思うのですけれど、ここまであからさまだとただの宣伝なのか…?と思ってしまったり。シーンごとのメッセージ性がかなり強いので、素直に表面だけ見ていればいいような気もする。

またラストが恋愛エンドではないところも、最近のブームだからやっているのか、それともそれが伝えたかったメッセージなのか…。いや、まぁそういうメッセージを伝えるためのシーンでそれがブームなので両方っていうのは、理解しているんですけれど。本当にそれが伝えたかったメッセージなの?って思ってしまうんですね。恋愛エンドにしない=女性の自立ではないので、そこのところは 履き違えないでほしいなぁなんて思いましたね。

音楽も良いし、衣装も可愛いし、まぁ概ねハッピーエンドだし、良かったといえば良かったです。ただCEO達のシーンは本当に不気味で不快だったので、その辺りは次は飛ばしてみたいと思います。

あ、そういえば今回も吹替で見たのですが、ナレーションが榊原良子だったのは個人的に好きポイントです。榊原さんといえば、『風の谷のナウシカ』のクシャナの声や『機動戦士Zガンダム』のハマーン・カーンなどの声をされています。榊原さんのお声、好きなんですよねぇ❀

高橋留美子さんの『犬夜叉』では殺生丸様の母上の声もされています。原作を読んでいたときから、これはもう榊原さんしかいないのでは…?と思っていたので、本当にお声を当てているのを見たときは嬉しかったものです。もう想像通りの、いえそれ以上の御母堂様が見ることができて、幸せでした…❀

よもやま話

冒頭で少し触れた、幼い頃に持っていた人形の中に1体バービー人形があったことを覚えています。確か、車のおもちゃについてきたものだったと思います。ショッキングピンクのボックスカーと褐色の良い肌に抜群のプロポーションをもったバービー人形。それまではセーラームーンの着せ替え人形で遊んでいたので、スタイルの差を子どもながらに感じました。

そこで日本人と海外の人では肌の色も体型も違うんだなぁ…なんて。今にして思えば、人それぞれだと分かるのですが、当時の自分が知っている世界は極端に狭いですし、調べようもなかったですからね。それくらいバービー人形のプロポーションは衝撃的でした。それが理由かはわかりませんが、あまりに自分とはかけ離れたバービー人形で遊ぶことはほとんどなかったように記憶しています。

ですのであまりバービー人形との思い出は無いのですけれど、これからバービー人形がどのような変遷をたどっていくのかは、遠巻きながら見守っていきたいなぁと思っております。