第86回全国都市問題会議 姫路 福岡教授 (original) (raw)

基調講演

青山学院大学教授 福岡伸一

生きている事は動的平衡

子供の頃昆虫オタクだった。

蝶々はサナギになる

サナギを開けるとドロドロの液体

開けるとそこで終わる

変身の前は一度破壊がある。

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人付き合いが苦手

両親に顕微鏡を買ってもらった。

アゲハの羽は紙に書いた絵ではなく

顕微鏡で見るとモザイクタイルのように出来ている事に感動する。

オタクのメンタルは好きなものにハマり追求する。

顕微鏡の原点がどこにあるのか気になった。

昭和のど真ん中で調べるのに図書館に行ったりして、なかなか大変だった

オランダが元になった

デルフト

真ん中に教会と市役所があった。

アントニ・レーウェンフックが顕微鏡を作った。

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いろんなものを顕微鏡で見ながらノートに記録していた。

この世界は目に見えないもので溢れている。

我々の体は小さな箱から出来てる。

精子が生命の種になってあるところまで調べた。

ネットで調べられるが、工程、過程が飛ばされてしまっている。

フェルメールが生まれた レーウェンフックと交流があった。

花びらのようなものが細胞

膵臓の破片を顕微鏡で見た。

ミクロな部品であるタンパク質

2万種ある。

ミクロな世界で研究する

分子研究学者

機械論的なメカニズム

要素 還元主義

機械論的に物事を見すぎると

システムのダイナミズムが見えなくなる。

動的平衡の生物学にいった。

小発見

GP2 タンパク質

細胞の表面にアンテナのように突き刺している。

実験動物のマウスを使う

GP2遺伝子ノックアウトマウス

GP2が作れなくなったマウス。

GP2がないとどうなるのか?

ノックアウトマウスを作るのは時間がかかる。

たくさんの研究費がかかる

3年ぐらいかかる

どこにも異常が見当たらない

元気に走ってる。

時間をかけたら異常が起こるかもと様子を見た

寿命の後半になっても異常ない

子孫を残す

平常で正常そのもの

ものすごい時間と研究費をかけたのに何も起こらない。

発想の転換をする必要がある

機械と同じと考えているから問題が起こらない

一つ部品がなくても生命は生きれる。

生命は機械ではない、生命は流れ

生物がくしゃルドルフシェーンハイマー

今では忘れ去られている学者

彼の思想から再検証した。

こらが動的平衡論に繋がった。

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生き物は毎日食べ物を食べる

食べ物は生命とは違う

100年前は機械論が当たり前

食べ物とにんげんは

自動車とガソリンの関係と一緒

それはそうかもしれないが

食べ物のインとアウトの収支が合う必要がある

近代科学はミクロの方に向けて行った

小さな粒子

人間もネズミも

食べ物も原子の塊

ミクロに印をつける事は誰も考えられなかった。

マーカーで色をつけると例えられる。

99%

少しだけ重炭素がある。

食べ物を食べると

生物の体に色々なところに散らばって行った

食べ物と生物ではそのような現象が起こっている。

体重を測ると

最初と変わらない。

ネズミから出てくる全てのものを集めて標識物はどこにいくのか調べた。

食べ物を体に取り入れると

今までのものと入れ替えられていた

車とガソリンのような単純なものではなかった。

1年経つと今までのものはすっかり入れ替わってある。

1番早く入れ替わるのは

消化管

うんちの主成分は自分自身の体が出ている。

一年後にあってお変わりありませんねといっても

生物学的には別人になっている。

私たちの体は個体というよりは流体

生きている限り入れ替わり続ける。

動的でありながら絶えずバランスをとり続けている

動的平衡

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作ることよりも壊すこと

変わらないために変わり続ける

環境がかわっても平衡を取れるのは

動的平衡をとっているから

生きてる事は絶えず入れ替わってある。

都市やまちづくりでも動的平衡は起こり続けてある。

これだけの変更があるのに、私たちは保たれているのか?

相補性

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一つのピースがなくなっても

相補性が変わらない限り

私たちの体は変わらない。

どうして生物は絶え間なく分解を繰り返すのか?

絶えず作り替えなければならないのか?

アンリ・ベルクソン

生命には物質の降ろうとする坂を登ろうとする努力がある。

生物は

エンドロピー増大の法則

に抗している。

エンドロピー

乱雑さ

机を片付けてもすぐに乱雑になる。

建造物もつくっても

いつかは作り直さないといけない。

細胞は常に酸化している。

自分自身を壊している。

それで作り替えている。

自分自身の秩序を守っている。

動的平衡は古いものが新しいものに取り替えられる

新陳代謝よりももっと動的

生命現象はあらゆるものが壊される事前提で作られている。

生命では作りたてでも壊すことがある。

この辺を生物に学ぶなら

あらかじめ壊される事を予定してつくる

それを理論化したもの

合成と分解が絶え間なく起こっている。

連続的に起こるとどうなるか?

合成より壊す方が進んでいるので生命には寿命がある。

ある個体が死ぬ事で新しい個体に繋いでいる。

死は最大の利他的な行為

大阪万博で

福岡伸一パビリオンを作ってる

いのちの動的平衡

弱肉強食ではなくて

利他的な存在