YAPC::Hakodate 2024 にて「クレジットカードを製造する技術」というタイトルで登壇してきた (original) (raw)

YAPC::Hakodate 2024 にスピーカー、そしてスマートバンク社がブーススポンサーをしているのもあり、技術広報の目的も持って参加して参りました。YAPCにはYAPC::Asisaの時に1回と、前回のYAPC::Hiroshimaと合わせて3回目の参加で、今回もYAPC独特の熱量を感じながら楽しい時間を過ごさせてもらいました。

発表内容について

「クレジットカードを製造する技術」というタイトルで発表させていただきました。カードに設定している情報の生成方法やICチップの設定、そして国際ブランドとどのようにカード製造のプロジェクトを行なっているかという、カードに関する製造の一旦をまとめた内容になります。
※ 自分が発表中に引用した仕様などはEMVのサイトからも閲覧できます。

speakerdeck.com

B/43 という自社プロダクトでカード発行事業を行なっているのもあり、今までのカードの製造を通して培ってきた知見をどこかで発表したいと思っていたので、その夢が一つ叶い非常に嬉しかったです。

登壇中は、ほぼ満席で多くの方に聞いていただけて、本当に感謝でした。また、資料を公開後の反響も大きく、さらに沢山の方に見ていただけたようで、発表して良かったなと心から思っています。

発表後の反響

ここまで、拡散されると思っていなかったので、シンプルに嬉しい...! 普段知る機会のない内容という部分とクレジットカードという身近な決済手段を題材にしたのが興味を持っていただけるキッカケになったのかなと思っています。

ブクマ数

10/11時点で1700ブックマーク越えておりました、1000ブクマ超えは始めてで自分も驚きました。 コメントを見る限り、クレジットカードのこういった裏側の情報は目にする機会が中々なかったので、勉強になったという声が多かったです、資料公開してよかった!b.hatena.ne.jp

Xでの反応

エンジニアの方や、そうじゃない職種の方々にも届いたようで、めちゃくちゃ嬉しいですね。

発表内容推敲の経緯

先に書いた通り、カード発行会社でしか普段知らない、触らない技術は弊社の中でいくつもあるので、どこかで発表したいなという思いがありました。そういった意味ではYAPCのようにテーマ広くプロポーザルを受け付けてくれるイベントはありがたかったです。

そしてYAPCでの登壇に関しては、前回のYAPC::Hiroshimaで同僚の @shohei1913 がベストスピーカーをいただいていたことや、社内全体で登壇熱が高まっていること、そしてCTOもプロポーザルを出しましょうと背中を強く?押してもらったのもあり、よっしゃやるぞ!と準備を始めました。

力強く背中を押してもらう様子

スマートバンク社にはコードレビューに限らず、ブログの執筆や登壇に際してのネタだし & プロポーザルのレビューなども積極的にフォローしてくれる良いメンバーと文化があります。やるぞと宣言した後も @osyoyu やキーノートで登壇した @moznion がシュッとネタ推敲に付き合ってくれて、これは絶対通るプロポーザルだと力強く押してくれたのはありがたかったですね。

ネタ推敲に付き合ってくれる同僚たち

元々は自分が開発を担当したカードを製造するプロジェクトについてを中心に発表しようと思っていましたが、せっかくなので、カードに設定する情報なども含めた内容にした方が面白かろうという所でプロポーザルをまとめた所、無事発表につながってよかったです。

登壇の振り返り

実は登壇直前まで、ちょこちょこと資料を修正しておりました。最初に作った資料で発表練習を試みた所、35分超えになってしまい、これはアカンと大幅に資料を削ったりしていました。以下は泣く泣く削った部分です。削った部分はまた機会を見つけて発表していこうと思います。

また、当日は下記のように沢山の質問をいただきました(記憶が曖昧な部分もあるが...)BIN帯の話をしたので、そのあたりのご質問や、SIMの仕組みと非常に似てますねといった声も会場の方から有り、似たような仕組みで他の業界でもやってるんだなと自分も勉強になりました。

・BIN桁数でアカウントレンジ桁数(=発行可能枚数)が決まるので、BIN桁数大きいと少なくなる、BINが枯渇したらイシュアはどうするのか? ・カード番号が重複したり、昔使われていたBINがあてがわれる場合などはあるのか? ・カードと決済端末の相性などで不具合が起きることやバグを踏むときなどはあるのか? ・フィールドテストは具体的にどんなことをやっているのか?

スライド作っている時はマニアックすぎて誰もついてこれないかも...と思いもしたのですが、意外と鍵の輸送部分の話を面白く聞いてもらえたり、身近なクレジットカードの裏側が聞けて勉強になったと懇親会で声を掛けていただいたりと、最後は多くの方に興味を持ってもらえたようで、ほっとしました。

登壇前夜 & 後夜

実は、今回YAPCで登壇させていただいた自分と osyoyu、moznion、数名の同僚はAirbnbで借りた宿泊施設に一緒に泊まっており、前夜祭が終わった夜、宿に帰った後も最後まで登壇資料を作成したり、壁打ち的に話を聞いてもらうなど最後まで登壇内容と向き合いながら、皆んなでワイワイ過ごせたのが何気に楽しい思い出になりました。

明日登壇する人たち3人と同じ宿だとピリピリ感が心地よい #yapcjapan

— 三谷 昌平 | SmartBank (@shohei1913) 2024年10月4日

また、YAPCが終わった後も、感想戦として自社ブース運営の感想や、それぞれのトーク内容のフィードバック、ベストスピーカーへの労いや、次のYAPCに対して皆んなでやっていくぞと決意を固めるなど大いに盛り上った(多分 AM 4 ~ 5時ぐらいまで)ので、地方でのカンファレンスに参加される皆さんは、Airbnb等で一緒に泊まるのもオススメです。

トークやブースについて

個人的には前夜祭で発表されていた、デジタルIDウォレットに関する発表が自社の事業に関係するのもあり、興味深く聞かせていただいたのと、同僚でもある moznion のキーノートが彼らしさ全開であり、個人技の時代、量が質を生む、コンフォートゾーンから出続ける、といった金言と笑いもセットで非常に印象に残りました。

デジタルIDウォレットが切り開くHigh Assurance Identity Proofingの未来 - Speaker Deck Develop to Survive - YAPC::Hakodate 2024 Keynote - Speaker Deck

また、ブースではカケハシさんから美味しいコーヒーをいただいたり、DELTAさんが提供されていた コスト削減クイズ王決定戦! のコンテンツが自社サービスの宣伝も絡める形で運用されていて、凄いなあと思ったり。

個人的な反省

今回自社でブースも出していたため、日中はブースに立つことも多かったのと、YAPCのタイムテーブル上、最後のセッションだったので、自分の登壇までソワソワしながら過ごす結果となり、少ししかセッションを聞きにいけなかったのが残念でした。

その他

【重要な自社PR】

今回は登壇も兼ねての参加でしたが、個人的に一番の目的だったのは自社の技術的面白さを参加者の方々に知ってもらい、スマートバンク社やプロダクトB/43へ少しでも興味をもってもらうことでした。そこに関しては一定の成果を得られたと手応えも感じています。

ブースを出させていただいたのもありますが、スマートバンク社は本気で技術広報をしながら採用に繋げていきたいと思っています、まだまだ事業成長のためにバックエンドエンジニアを中心に多くのエンジニアを求めております!

これからも中々世に出てこないようなFintechやカード発行事業の裏側を分かりやすく、面白く伝えたり、テックカンファレンス自体を盛り上げていきながら、良い自社のPR活動に繋げていきたいと思います。

今回の発表やブースにて、少しでも興味を持っていただいた方は是非カジュアル面談させてください、技術的な話も大好きなので、お話した内容をもっと詳しく聞きたいなどの動機でも全然OKです!

smartbank.co.jp

最後に

感想としてはめちゃくちゃYAPC良かったし、楽しめたなあとシンプルな感想が浮かんできます。予想以上に発表内容に興味持ってくださった方も多かったので、もっと情報発信していこう!というやる気にもなりました。

また、会社としてもベストスピーカーを2年連続輩出できたのも、非常に誇らしいですね、次回のYAPCでも登壇できるように自分も話すネタを今から準備していこうと思います。

改めて、YAPCを運営してくださったスタッフの方々、本当にありがとうございました!