金子みすゞ「日本語を味わう名詩入門2 金子みすゞ」矢崎節夫・萩原正好編 (original) (raw)

“上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。

下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。

中の雪
さみしかろな。
空も地面もみえないで。”

金子みすゞ「日本語を味わう名詩入門2 金子みすゞ」矢崎節夫・萩原正好編、あすなろ書房
読書期間:2024/8/24
近藤康太郎「百冊で耕す」の百冊選書から読んだ本、二冊目です。

「積もった雪」を引用しました。

見えない部分に気づけること、そのやさしさを感じます。

わたしは小児科でアレルギー外来をしています。
以前、食物アレルギーになったら原因の食物を除去するしかないと考えられていました。
この20年くらいで、少しずつ食べていくことでアレルギーが治る可能性が上がることが分かってきました。
(リスクを伴うので医師の診療のもと行ってください)

アレルギーがない人は普段意識せずに食べています。
しかし、アレルギーが人にとって、原因食物を少しでも食べるのは不安なことです。
お母さんが提供することは不安だろうし、少量提供するのも手間がかかります。
ものごころがついた子は、食べることを嫌がることも多い。

ちょっとずつ食べ続けて暫くしたら、食物経口負荷試験(どれくらい食べれるかチェックする)をします。
食べれたかどうか、どのくらい食べれたか。
その結果を気にしてしまいます。
でも、それまでに本人や家族がお家でやってきたこと、
見えない部分に気づき、それを言葉にして、共有できるといいなと思いました。