江戸むらさき特級との再会 (original) (raw)

江戸むらさき

お久しぶり!冷蔵してます。

昭和40年代~50年代、つまり半世紀前のお話です。

実家の食卓にはいつも「江戸むらさき」という海苔の佃煮が置いてありました。今でこそ開封後は冷蔵庫に入れますが、当時は常時食卓に置いてあったような?記憶があります。(さすがに夏場は冷蔵してたかな?)

当時桃屋の「江戸むらさき」には2種類あって、緑色のラベルの方が安価。そちらを購入することもありましたが、我が家ではだいたいこの特級でした。ちょっと贅沢感もありますし(特級!ですから)、醤油の風味がストレートに来るんです。

両親は醤油味が大好き、しかも母親の地元、東京の醤油味がメイン。関西や九州の方からしたらいわゆる「からい」味が好みでした。

少し前の米不足のニュースを見て、そういえば近所のスーパーマーケットはどうなっているのかと米売り場を視察。ちゃんと売っていて、何なら新米も売っていて、ひとまず安心し、ふと周囲の商品を見たら、この「江戸むらさき特級」に何十年ぶりかで再会。

わ~まだ売っているのか~。懐かしい!

ラベルもビンの形状も当時のままです。

私が小学校高学年の頃に「ごはんですよ!」という別の海苔の佃煮が発売されて、テレビCMにくぎ付け。ラベルもポップでかわいいし、(江戸むらさきのラベルは子どもには地味~)渋る母親に頼んで買ってもらいました。

早速夕飯で食べてみると、父親が開口一番に

「甘い!こんなの食えねえ。かあちゃん、いつものヤツ。」と散々なコメント。

私が選んだ手前、父親の発言は聞き捨てなりません。が、実は私も「ずいぶん甘いなあ・・・」と思って食べていました。

それ以来、我が家では「ごはんですよ!」は一度も食卓にはのぼることはなく・・・。亡き父の入院グッズにも必須アイテムでした。

「これがねぇ(ない)と病院の飯が食えねえからよ。」

平成に入り、自分も家庭を持ち、幼い子どもたちが喜ぶかと「ごはんですよ!」を買ったこともありましたが、それほど受け入れられず・・・。また私も減塩の食事を考えるあまりに、佃煮を敬遠するような食生活に変わり、海苔の瓶詰から何十年も遠ざかっていました。

というわけで、久しぶりの再会は本当に嬉しくて、即買い。

茶壷をイメージしたという素敵なフォルム、ラベルの紫色もゴールドのラインも黒い海苔と相まってとってもおしゃれ。早速おにぎりの具に使用すべく、開封一番ちょっと味見。

あ~そうだった。こういう味だった。あれ?こんなに出汁が効いていたっけ?あ、鰹節が入っているのか・・・。

桃屋のサイトを読んで開発秘話も知り、ふ~んとお勉強。甘いと思っていた「ごはんですよ!」はトロミと旨味を追求した商品というのもわかりました。

海苔の佃煮のラインナップに「海苔の佃煮 あまいですよ!」があって、ずばり甘味を追求したものもあるのかとそれはそれで驚いたりして・・・。

還暦を過ぎた私だからこそ、育った味がしっくりくるのかもしれません。

そうだ、今度施設にいる母親にお土産で持って行こうっと。