第19回言語処理若手シンポジウム(YANS2024) 参加報告 (original) (raw)
はじめに
第19回言語処理若手シンポジウム(YANS2024) に参加したので報告します。私はYANSへの参加は(学会自体の参加も)初めてでしたが、ポスター発表やハッカソンにも参加させて頂きました。この報告は、これまでYANSに参加したことがない皆さんに向けて書こうと思います。
https://yans.anlp.jp/entry/yans2024
YANS2024プログラム(概要)
- 2024年9月4日:シンポジウム1日目
- 留学交流会
- ハッカソン
- 2024年9月5日:シンポジウム2日目
- チュートリアル1 「ニューラルネットワークの損失地形(NII 佐藤竜馬先生,講演資料)」
- ポスターセッション (1)
- ポスターセッション (2)
- スポンサーセッション
- ラウンドテーブル
- スポンサーセッション
- ポスターセッション (3)
- 「ネットワーキングの極意(友達の作り方)」
- 2024年9月6日:シンポジウム3日目
- ハッカソン報告会
- チュートリアル2「生成AIの二大潮流と自動運転(荒居秀尚先生,講演資料)」
- ポスターセッション (4)
- ポスターセッション (5)
- 目指せ国際会議!
- 招待ポスター
- クロージング
各イベントの詳細
留学交流会
学生に向けた 海外留学のメリット や 補助 について学べました。言語処理学会は30周年を迎えるにあたって、今年から海外留学支援制度が始まったそうです(詳細はこちら )。海外留学が頭に無かった私にとっては、考えさせられる交流会でした。
ハッカソン
OpenAI APIを用いて言語芸術生成を行うハッカソンでした。テーマは2種類で 大喜利 と 川柳 のそれぞれ8チームに分かれて生成を行いました。チームでの開発が終了した頃に、YANS委員の方から 551HORAIの肉まん の差し入れが…!肉まんのおかげで一気に会場が和やかな雰囲気になりました。ちょうど18時ごろでお腹の空いたタイミングだったのもありとてもありがたかったです。
さて、ハッカソンに話を戻します。私のチームは先輩方に引っ張ってもらったおかげで大喜利部門の優秀賞を取ることができました。私がわからないことがあっても先輩方に教えて頂き役割分担などの指揮もしてくださったので感謝しかありません。お疲れ様会としてチームで食事ができたのもとても良い交流会になりました。私自身は学部3年生で自然言語処理の「いろは」をやっと学び始めたところなので、正直、ハッカソンに参加すること自体に勇気がいりました。でも、ハッカソンを通じて良い交流ができた上に、すごい先輩方の様子を間近で見ることができたので、勇気を出して参加して本当に良かったと思っています。
ハッカソンの様子と賞状(開発中の写真の奥にもこっそり肉まんが写っています)
チュートリアル
チュートリアル1では 佐藤 竜馬 先生 による 「ニューラルネットワークの損失地形」。チュートリアル2では 荒居 秀尚 先生 による 「生成AIの二大潮流と自動運転」 の講演が聞くことができました。slack上で質問ができ、気になったところを聞くこともできるので非常に勉強になりました。
ポスターセッション
ポスターセッション1〜5と招待ポスターの各1時間ずつありました。一般のポスターセッションである「ポスターセッション1〜5」は各セッションで40件ずつの発表がありました。発表件数が多いので、あらかじめプログラムを見て、自分の研究に活かせるようなポスターを選んでおいてから積極的に聞きに行けると良いと思います。参加者限定slackで事前にポスターを共有してくださる方もいらっしゃるので、ポスターを見てからどのポスターを聴講するかを決めるのもいいかも知れません。
「地図情報を用いた謎解きの生成に向けて」のポスター / 私の発表の様子
私はポスターセッション3での発表でした。タイトルは 「地図情報を用いた謎解きの生成に向けて」 で、大規模言語モデルに「地図情報やテキスト情報」を入力して「謎解きのクイズ」を自動生成する研究についてお話ししました。まだやり始めたばかりの研究ではありますが、多くの質問や意見をいただけて本当にありがたかったです。いただいたコメントは今後の研究に活かしたいと思います。ポスターを聞きにきてくださった皆さん、ありがとうございました。
来年以降に初めて発表する方へ:
1時間話しっぱなしなので水分補給は必須です。また、いただいたコメントや質問をメモできるような紙とペンも用意しておくといいと思います。
スペシャルセッション「ネットワーキングの極意(友達の作り方)」
今回のスペシャルセッションのテーマは 「ネットワーキングの極意」 。YANS委員の方が登壇されて、これまでに自分自身がやってきて良かったことをお話ししてくださいました。 「大学の所属を超えて学会で知り合った人と気が合って一緒に研究を始めた」 という体験談が印象に残りました。今の私にはベテランに見える方々もはじめは私のように仲間がいない状態から研究を始められたのかなと思うと、私自身も今回のYANS2024でできたネットワークを大切に研究に励んで行きたいと感じました。
目指せ国際会議
下記の6名の方が登壇してくださいました(五十音順)。
- 相田太一氏(都立大)
- 赤間怜奈氏(東北大)
- 加藤大地氏(東大)
- 塚越駿氏(名大)
- 古橋萌々香氏(東北大)
- 森下睦氏(フューチャー)
大学3年生の私にとっては国際会議はまだ遠い話ですが、発表体験談を聞き国際会議のメリットや発表に挑む上での気持ちの保ち方などを聞くことができました。その中でも、始めはクオリティーが低くてもやり遂げることが大切という言葉が印象に残っています。海外という場で発表することで新たな出会い、新しい自分が見つかるのではと感じました。
ラウンドテーブル
4〜5人のグループに分かれ研究分野やキャリアについて話し合いました。私のグループでは企業の方の話も聞けて、どのような人材を求めているかなど細かい話も聞けました。少人数のグループなので質問も聞きやすく、気になったことがあれば小さなことでも質問しやすい雰囲気だったのがとてもありがたかったです。初めて参加される方も、積極的に質問したり意見すると良いと感じます。
スポンサースタンプラリー
スポンサーブースを4カ所回るとオリジナルのラバスト(ラバーストラップ)、さらに、10カ所回った人から抽選でオリジナルTシャツがもらえるという企画もありました。私は7カ所しか回れなかったので残念ながらTシャツには応募できなかったのですが、一緒に行った研究室のメンバーはTシャツにも当選していました(Tシャツは会場である梅田スカイビルをモチーフにしたデザインとのこと)。ラバストもTシャツもYANS委員の方々がデザインされたそうで、どちらもとても人気でした。
スポンサーブースでスポンサーの方々とたくさんお話しできるだけでもとても良い機会なのに、こんな特典までついてくるなんて、と驚きました。
YANSストラップ / YANSティーシャツ
クロージング
ポスターセッションでの「デモ賞」「奨励賞」「スポンサー賞」が発表されました。私の研究室からも奨励賞を受賞することができました。スポンサー賞では副賞としてiPadやイヤホンなどの豪華商品があり驚きました。
おわりに
言語処理若手シンポジウム(YANS2024)に参加することができ非常に良い経験になりました。学会という場所がどのような場所なのかよく分からず構えていた部分もあったのですが、実際に参加してみると温かい雰囲気で非常に楽しく過ごすことができました。ハッカソンやラウンドテーブルでもさまざまな分野の人たちと話すことができ、新しい出会いも増えました。
YANS2024運営委員会・スポンサーの方々、本当にありがとうございました。楽しく学べて今後の研究に活かすことができる、素晴らしい3日間でした。