Seiko Epson V501とSHIOJIRI Y121C (original) (raw)

小学校入学祝に買ってもらった腕時計があります。
ALBA Trailmasterシリーズです。
そのころは、デジタル時計が私(あたし)的に恰好よく見えて、
それに反して与えられたアナログ時計を、すぐには好きになれなかった記憶があります。
「大人になりゃあ、デジタルよりも針のほうがいいって、思うようになるもんなんだよ」
なんて言われましたが……言い得て妙というかなんというか、全くその通りでした。

もう来年度で満17年を迎えるわけですが、
使っていた時期が時期なだけに、中の機械も相当ガタが来ているわけです。
一緒に風呂に入ったり、一緒にこけて時計を地面に叩きつけたり、落としたり……。
ケースも、私は時計屋さんにこの時計を持って行ったことがなく、
電池交換を初めっから自分でやっていたので、ずたずたです。

3年前にとうとう動きが悪くなって、時計屋に持って行って修理をお願いしました。
ところが、うまく動かないまま戻ってきました。
修理代5,000は高い……(これでも2,000円ほど安くしてくれたそうです
定期的なメンテナンスをしないと、よろしくないようですね(汗

1回もメンテナンスに出さなかったせいか、機械の状態が酷かったようで、
錆が少し来ており、洗浄を2回もしたと聞きました。
中学の時に一緒に風呂に入ったら、中が相当曇って止まったりしたこともありましたが……
もう防水機能もさようならしているでしょうね、なんたってケースにひび入ってるしね(汗
先にも触れたように、何回も衝撃を与えているので、緩むところは緩み、
何度か締め付けたこともあって、機械の側もよたよたです。

それで、車は掃除してもらったので、原因は回路部分だろうと踏んで、交換することにしました。
そっくりそのまま交換もできますが、それじゃあんまり淋しいので、一部だけ交換です。
……なにせ17年連れ添った仲なので、苦渋の選択です……回路大事に取っとくよ……

私の持っているALBA Trailmasterの機械は、Seiko EpsonのV501です。
側がへたっているのが分かるでしょうか。
竜頭を利用して電源を開閉する部分を押さえる箇所が、金属疲労で虫の息です。

犠牲側の機械は、SHIOJIRI Y121Cです。
調べると、塩尻工業が上がってきましたが、90年にセイコーエプソンに吸収合併されたそうですね。
なるほど機械がそっくりなわけです。
Y121Cのほうは、秒針用の車の軸受けが金属でできていました。
どちらの機械も、軸受けに石は使われていません。

交換後の、Trailmasterの様子。
金属の歯車は、パッと見た感じでは秒針・分針・時針用の3つのようでした。
時計屋さんに出しただけあって、錆はきれいさっぱりなく、
犠牲側が鈍い光を放っている片方で、驚くほどきれいに輝いていました。
後の車はプラスチック製でした。
側の穴から、白いのが見えていますが、プラスチックの車の軸です。
以前に、似たような時計をばらした時、ほとんどの軸を折ってしまったことがあります……トラウマです。
今回は慎重に慎重を重ね(汗)、無事に受けを戻すことができました。

ケースは大きなひびが1か所あり、そこから水が入りそうです。
ばね棒の部分も何回か割れており、白くなっているのは私が修復したところです。
蓋には、SHIOJIRI LTD.と刻印されており、97年でも塩尻工業の名前は残されていたんだなぁと思いました。

今のところ快調に動いています。
修理の際に、ゴムパッキンも交換してもらっていますが、
前述のとおりケースがひび割れているので、雨の日はちょっと避けたほうがいいのかもしれません。
それにしても、車と土台は同じとはいえ、回路を交換してしまったというのは、心持ち淋しいような気もします。