朱い夏 (original) (raw)
鬼百合や弾け咲く瞬(とき)今朝も見ず
雨が上がった朝、ぱっとオニユリが咲いた。今年は玄関近くのプランターや花の鉢から茎が20本ほど立ち上がっている。自然に増えたものだ。二三日したら花が10個以上になってきて賑やかになった。豪快で気分がいい。アゲハも頻繁にやってくる。
ヤブカンゾウも咲き始めている。これもまた炎のような黄赤。二つ合わせて力のある花が玄関近くで踏ん張っている。
(木、火、土、金、水で森羅万象を説明するもの)からきているのだという。
こんなチャンスに頭の整理をすると、次のような関係になる。
木・・・青・・・東・・・春 ―――青春
火・・・赤・・・南・・・夏 ―――朱夏
土・・・黄・・・中央・・・土用(季節の変わり目)
金・・・白・・・西・・・秋 ―――白秋
水・・・黒・・・北・・・冬 ―――玄冬
青春、白秋など人生の時季をも表現している。
夏の赤は太陽のイメージだろうか、まさかスイカという訳ではなかろう。もちろん人の働き盛り期をさす。朱夏にはオニユリもカンゾウも、そしてカンナもふさわしい。私などとっくに白秋もすぎて玄冬だ。
昔誰かの本で林住期というインドの人生区分が話題になったことがあった。学生期、家住期、林住期、遊行期となっていて遊行期は「人生の最後の場所を求め、遊ぶように何者にも囚われない人生の最終盤」だとネットにあった。遊行したいものだが、庶民はなかなかそうはいかない。
昨日お隣さんからカサブランカを2茎いただいた。「雨が強そうだから、切ったほうがいいと思ってね…」とのこと。開いているのが1つ、蕾がまだ4つほどある。挿すと直ぐに家中に香りが充満してきた。
そういえば、オニユリは匂ったかな?あまり記憶がない。庭に出て嗅いでみたら、臭わない。これは見る百合なのかもしれない。