日本における生肉・生レバー(肝の膾)食の歴史を問う件 (original) (raw)
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目次
日本の肉の生食の伝統?
まとめ 腸管出血性大腸菌について 腸管出血性大腸菌についての @y_tambe 先生のツイートをまとめました。 11304 pv 149 13 users 2
また、自分が、初めて牛生レバーを食べた年齢を思い出してみてほしい。それは何十年前のことだろう?…20-30代の人ならば「子どもの頃からあった伝統」と思うかもしれないけど、それより上の世代はどうなのか? 少なくとも僕の子どもの頃は、先に「生肉はだいたい危険」と言われてた。
鯨食も戦後の食糧難の時期からしばらくを除けば細々としたものだったようですが。それでも捕鯨禁止に対する反発はとても強いですし。 RT @y_tambe: 日本の生肉食に、本当に伝統や歴史と呼べるものが、どこまで存在するのか、日本の食文化史をきちんとしてる研究者の話が聞きたい。
あと韓国南部の一部地域(チェジュ島/済州島など)で「豚生レバー食」が伝統的に行われてたけど、(この辺りの話になると、変な人が寄って来そうで気が進まないけど)こういった風習が、いわゆる日韓併合とか満州国のときに、日本にもたらされたとかの可能性はないのか。また沖縄ではどうだろうか。
韓国の豚レバー生食の伝統の例としては、チェジュ島の支配者層で、屠殺した直後のまだ温かい生レバーを食べるというのがあったらしい。周辺のいくつかの地域でも、同じような例があったそうだ。この手のは単なる美食というよりも儀式的な意味合いも強かったのだと思う(続
続)ただし、ヒトが肉を生食した場合、牛や鶏と比べて、ブタがもっともハイリスクなのは、当時から変わってない。ブタの場合でもっとも危険なのは「有鉤条虫」という寄生虫(サナダムシの仲間)。虫卵や成虫を食べると、嚢虫という状態でヒト脳内で増殖して命に関わる。(続
続)で、韓国では日韓併合時代になって、この有鉤条虫(嚢虫)症への対策が始められてる。当時の日本の感染症学は、世界的にもトップクラスだったし。ただこのことは、衛生環境を改善する面と同時に、現地の伝統文化に対する介入や破壊につながった面もあったことだろう。(続
なお、ブタ有鉤条虫は、今のところ、日本では沖縄を除く地域には存在してないが、輸入食品(韓国産キムチなど)に付いていた虫卵を食べて発症したと疑われる症例が見られる(沖縄では発生頻度は高め
もう一つ、牛レバーなどを「食文化」として考察していこうとする場合、「薬食」としての側面があった可能性も考えていく必要があるんじゃないか、と。
漢方では、クマの胆嚢「熊胆(くまのい/ゆうたん)」あたりが有名だけど、ウシの胆嚢「牛胆(ぎゅうたん)」を、その代替品的に用いることがある。ウシだと胆石を用いる「牛黄(ごおう)」の方が知られてるかな。まぁいずれも生では使わない(薬の材料としての保存性の問題があって)
萬葉集
長歌の「鹿の歌」ですね。「我が肉(しし)は/み膾(なます)はやし/我が肝は/み膾はやし」って部分がある。祝歌ではなく、庶民を鹿に見立てて、その苦しみと悲しみを詠ったもの、という解釈もあるようで…。 RT @sikano_tu 生レバー食は万葉集にもあるんだと。まじか。