漢字仮名交じり (original) (raw)

漢字仮名交じり

選挙期間に目に止まるのは立候補者の名前である。漢字平仮名交じりがほとんどである。「石破茂」が「石破しげる」といった具合である。確かに印象が違う。平仮名は柔らかな感じや親しみやすさを加え、漢字との対比で視覚的な効果もある。画数も少ないから覚えやすく書きやすい。読み間違い、書き間違いのリスクも減る。何かと理にかなっているのである。英語なら立候補者はアルファベットで表記される。日本語にすればすべて片仮名である。漢字平仮名交じりにならないところがおもしろい。

日本語は漢字、平仮名、片仮名を使い分ける。必要なら漢字には平仮名か片仮名で振り仮名を付ける。仮名に付ける振り漢字はない。日本語の学習者からすると厄介な言語だろう。日本語は英語のように分かち書きをしないから、平仮名だけの文では語と語の区切りが判別しにくい。漢字仮名交じりにすることで視認性が高まる。一見複雑な文字体系に織り込まれた日本語の威力と魅力である。