1973年のピンボールとは 読書の人気・最新記事を集めました - はてな (original) (raw)

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せんきゅうひゃくななじゅうさんね

村上春樹による小説。
これより先に発表された「風の歌を聴け」、これより後に発表された「羊をめぐる冒険」と共に
<鼠三部作>あるいは<羊三部作>と一部では呼びならわされている。

単行本

1973年のピンボール

出版:講談社

サイズ:四六判 / 207p

ISBN:4061168622

発行年月:1980.6

装画:佐々木マキ

文庫本

1973年のピンボール

出版:講談社 講談社文庫

サイズ:文庫 / 176p

ISBN:4061831003

発行年月:1983.9

装画:佐々木マキ

村上春樹全作品

村上春樹全作品 1979〜1989 1 風の歌を聴け・1973年のピンボール

出版:講談社

サイズ:A5判 / 254p

ISBN:4061879316

発行年月:1990.5

講談社英語文庫

1973年のピンボール(講談社英語文庫 12)

出版:講談社

サイズ:文庫 / 215p

ISBN:4061860127

発行年月:1985.9

※書影はAmazon.co.jp掲載・文庫版ISBN:4061831003のもの。

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nanimonogram1ヶ月前

9月13日入院8日目 朝5時前に目が覚める。昨日、11時前に眠ったのに、朝は目が覚める。諦めて、デイルームでYouTubeを見る 朝食前に『四畳半王国見聞録』を読了する。彼の小説は人が死なないからいい。本当に馬鹿げた小説を書く。いい意味でね 入院の時は必ず森見氏の小説を1冊は持ち込んで、心が荒んだ時に読むようにしている。もはや精神安定剤の一種だ 朝食を食べてから、村上春樹氏の『1973年のピンボール』を読んで、夕食後には読了した。面白かったよ。気持ちが落ち着いてる時にもう一度読もう 風呂上がりに友人Kに電話する。手術の成功を報告した。「彼女かよ」と笑っていた。救われる 夜また部屋を抜け出して、中学時代の…

凍った鳥1ヶ月前

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takadakun999’s blog2ヶ月前

村上春樹と石丸伸二の周囲の反応の類似点松本清張 僕は1965年生まれだけど、およそ「文学者のイメージ」は、谷崎潤一郎、三島由紀夫、大江健三郎、小松左京、有吉佐和子、深沢七郎、等の骨太で人間の業を抉り出す重い作品に、読者も全身全霊で真面目に読み込んで感銘を受ける義務があるような世界で、その若い後継者は中上健次。みたいな潮流の中に出てきたのが村上春樹で、デビュー作の「風の歌を聴け」は遊び友達に「なんだよこんなの俺だって書けるんじゃないの」と言われたと村上春樹「職業としての小説家」に書いてあった。 大江健三郎をはじめ、当時の文壇やマスコミは、軽い文体の村上春樹をまるで広末涼子のように袋叩きで批判していた記憶がある。 だけど「世界の終わり…

I am?2ヶ月前

【ひたすら】村上春樹を読んだ。約2ヶ月間、ずっと村上春樹を読み続けた。 今までほとんど彼の作品を読んだことがなく、名前だけを知っている状態だったが、ふとした拍子でまとめ買いをした。今日になってそれら全てが読み終わった。 読んだ作品は以下の通り。 「海辺のカフカ」 「羊を巡る冒険」 「ノルウェイの森」 「風の歌を聴け」 「1973年のピンボール」 「アフターダーク」 「東京奇譚集」 「国境の南、太陽の西」 「スプートニクの恋人」 「ダンスダンスダンス」 たぶん、2ヶ月でこの量の(しかも同じ作家を)本を読んだこと自体はじめての経験だったと思う。 個人的には、ダンスダンスダンスと、羊をめぐる冒険のどちらも上巻がとても良かった。 …

ヤマミチ2ヶ月前

村上春樹の小説|Audibleでおすすめの読みやすい10作品と読む順番をご紹介村上春樹の小説を読みたいけど、どの本をどの順番で読めばいいの? 村上春樹が気になる人 「村上春樹の小説は読みにくい」といった意見もあるので、アマゾンのオーディオブック「Audible(オーディブル)」で聴くことからはじめてみてはいかがですか? 発行部数227万部以上、最高傑作と呼び声の高い「ねじまき鳥クロニクル」をはじめとする、人気作、代表作がオーディオブック化され、聴き放題で独占配信されていますよ。 ゴリ部長30日間無料体験を利用して音声本を聴く → 気に入ったら文庫本を買う。そういった小説の楽しみ方もありじゃね? 村上春樹作品の朗読を担当するのは人気俳優さんばかり。とっても豪華な音声本が、…

五十の手遊び 佐藤拓夫のライター徒然草3ヶ月前

余生を無駄にしないための選書(仮)(8/2)ひとまず100点選書。第一弾の選書なので推薦本には頼らず。蔵書とアマゾンのブックリスト、これまでの読書経験と知識を駆使して、読みたい本を直感で選んだ。 今のところ順番はランダムだ。3500の選書リストが完成するまでには適切な分類法を見つけようと思う。その際、選書やリスト作成におけるルールも付記する(表紙画像は載せない、アマゾンや出版社ページへのリンクは貼らない等)。 (8/3)200点選書。 (8/4)300点選書。 (8/5)400点選書。そろそろ分類しないとね。日本十進分類法を参考にする予定。 (8/9)500点選書。 (8/10)600点選書。 (8/11)700点選書。 (8…

跳舞猫日録3ヶ月前

2024/07/25 BGM: United Future Organization - Bar-f-outわたしが行ったさびしい町作者:松浦寿輝新潮社Amazonこの日記でもちょくちょく記してきたように、ぼくは兵庫県のとある地方の町(田舎であり、俗に言う「郊外(サバービア)」)において生まれた。今朝、こんなことをふと自問自答することから始めた。「この町のことを、ぼくは愛せているだろうか」。子どもの頃はそれこそ、正直なところこんな町のことなんて大嫌いで都会っ子になりたいとか都市生活を味わいたいとか思ったものだ。具体的に言えば神戸や東京、あるいはそれこそニューヨークのような「ポストモダン」で「トレンディ」で「イケてる」都市で華麗に暮らしたいと思っていた(そんな都市こそ「文化の坩堝(るつぼ)」だと信じ込…

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村上春樹再読会(9)TVピープル - 不人気No.1短編集、ただし2編は例外友人と3人で村上春樹作品を再読しZoomで語り合う会の記録、第9回。6つ目の短編小説集「TVピープル」についてです。 総評-これまででもっとも不人気な短編集。でも。 残念ながらというかなんというか、これまでエッセイや長編についてのZoom会やオフ会を含めると私たちは25回集まって村上作品について語り合っているのですが(このブログにアップしているのはそのうちの一部です)、その中で不人気No.1だったのがこの「TVピープル」でした。 心温まる話がひとつもない 一番読み返さない短編集 「飛行機―あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」・・・単純におもしろくないし、読み終わった直後、…

まくら3ヶ月前

最近読んだ本たちと雑感いろいろ読んだので、簡単な感想を書く。 山白朝子『私の頭が正常であったなら』 長谷川眞理子『進化的人間考』 國分功一郎『暇と退屈の倫理学』 芦花公園『異端の祝祭』『とらすの子』『聖者の落角』 村上春樹『羊をめぐる冒険』 千葉雅也『オーバーヒート』 平井大橋『ダイヤモンドの功罪』 山白朝子『私の頭が正常であったなら』 私の頭が正常であったなら【電子書籍】[ 山白 朝子 ]価格: 748 円楽天で詳細を見る この前の記事(すさまじく悲惨なポップ、乙一「カザリとヨーコ」)で言ってた乙一の別名義の本を読んでみました。 かなりきれいめな乙一、という感じ。確かに奇妙でちょっと残酷なエッセンスは乙一だなぁと…

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秋谷高志 批評をめぐる試み4ヶ月前

文学批評 村上春樹『海辺のカフカ』のカラマーゾフ的ポリフォニー村上春樹はスコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』の「訳者あとがき」に書いている。 《もし『これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本を三冊あげろ』と言われたら、考えるまでもなく答えは決まっている。この『グレート・ギャツビー』と、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』と、レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』である。》 さて、村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の終盤39章に『カラマーゾフの兄弟』への言及がある。 《「あなたは自分の人生についてどんな風に考えているの?」と彼女は訊いた。彼女はビールには口をつけずに缶の上に開いた穴の中をじっと見つめていた。 …

カレーたまごの日記5ヶ月前

金曜の風景。気温が29℃。熱中症に気をつけながら冷水を浴びた。炭酸水がなくなり美味しくて綺麗な水を飲んでいる。ビールもない。あの小説を読んでいるときは飲みたくなったが。 村上春樹の再読第二弾「1973年のピンボール」を読んでいる。鼠や井戸の話が出てくる。第二作として継続しているのだろう。多分。直子というガールフレンドはその存在性がのちの諸作品に反映されていく。 「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」はそれぞれ芥川賞にノミネートされたが落選した。三度目の挑戦はなかった。毎年、ノーベル文学賞を受賞するかもの機運が高まる。今年はどうだろうか。ラジオ番組をもったり母校に特設空間をキープしたり。団塊世代の終焉…