『失敗の本質』感想 (original) (raw)
こんにちは。
無人機が「今後アジアで起き得る戦争に向けた準備戦略の核心部分になっている。」と知ったサトーです。
このままいくと100年後の戦争では、無人機VS無人機になっていそうですね。その時には資源が枯渇してそうな気もしますが。
無人機は食料輸送路も確保してくれるけど、リモートで人を殺傷することもできるので、何を成し遂げるかは使う人のモラルに依存しそうですね。
何が言いたいかというとイスラエルもロシアも早く停戦しろってことです。
さいきん読んだ本の感想です。
この本は
先の大戦で日本軍が敗戦した、つまり戦争で失敗した理由は何だったのか。というところを徹底的に調べて深堀して、そのフィードバックを容赦なく突きつけています。
1984年第一刷発行で、電子書籍は2013年発行です。
こういう言い方は不謹慎かもしれませんが、個人的にめちゃくちゃ面白かったです。
実は2018年に購入してからずっと積読だったんですよね。
戦争の話だったので気が乗らなかったんですが、思いきって読んでみてよかったです。
お気持ち優先
面白くてハイライトしまくってました。
印象的だったのは当時の軍人たちが事実や理性ではなく、同胞の、つまり同じ軍人の「お気持ち」を優先して判断したり行動したりしていたということです。
つまり、感情的で思い込みが激しくて、現実を直視しようとせず、反対意見を言って相手(軍人)の気分は害さないようにしよう、という人が多かったらしいんです。
しかも過去に上手くいった戦いがあって、それでいわゆる調子に乗っていたため、敵を侮っていたと。
それで、いざアメリカとの戦争に突入した時も、平和な時の通常運転のままで、非常事態モードに切り替えられなかったのでは・・・
とか、そういうことも分析されていました。
ビジネスだったら
この本に書かれていることを、戦争からビジネスに置き換えたらよく分かるんですけどね。
こんなやり方でビジネスがうまくいくはずないですよ。
つまり、戦争なら尚更、うまくいくはずないんですよね。
例えばね、雑に要約すると
・上司や同僚へ気を遣って本当のことを報告しない
・反対意見は相手の気分を害するので言ってはいけない
・あいつは前回失敗したけど、やる気があるから再びやらせてみよう、フィードバックなしでいいよね
・情報収集やらなくていいじゃん、思い込みで動いて大丈夫だよ
・事実なんて見なくていいじゃん、きっとうまくいくよ
・・・みたいな空気の中で動いてたら、ビジネスはどうなりますかね?
きっとプロジェクトもうまくいかないし、利益どころか成果も上げられないと思います。下手したら会社が潰れますよね。
当時の日本軍はこういう雰囲気で戦争してたようなんですよ。
そりゃ負けるよと。
対するアメリカ軍は徹底的に現実主義で、情報収集に積極的で、上司と部下で深い議論をする人もいたそうです。
これ、ビジネスに置き換えたらわかるじゃないですか。
どれだけ酷いやり方だったか、ていうのがね。
個々の力に頼りすぎ
でもですね、本書では日本軍はまったくの無能ではなかったとも書かれています。むしろ個人の能力は高かったと。だけど組織としてうまく機能しなかっったからアメリカ軍に大敗したようです。
「日本軍はある意味において、たえず自己超越を強いた組織であった」
これ、今も日本企業や官僚がやってませんかね?
有能な個人に超過残業を強いたり、優秀なひとりにチームの半分以上の仕事を押しつけたりとか。
そういう風に、個人が限界以上にやらなきゃいけない・・・!みたいな空気があったらしくて、個人の力に頼り過ぎてたというか、過信しすぎてたみたいです。
それで組織としての作戦とか、長期展望とか、具体的なリスクヘッジを怠ったようです。
しつこいですけどこれ、戦争じゃなくて、企業やビジネスでやったらどうなるかっていうのは考えればすぐ分かるんですけどね。
優秀な個人が潰れるだけでメリットはありませんよね。
あと、「日本軍と米軍の戦略・組織特性比較」の表があって、この戦争において目的は明確だったか不明確だったか、戦略志向は短期的か長期的か、重視したのは過程か結果か、ということが一目でわかるようになっています。
ほんとこれ、ビジネスにそのまま当てはめられますよ。
超有用です。
まとめ
というわけで、個人的にはめちゃくちゃ面白い本でした。
これですね、高校生くらいのときに読んでおくといいと思います。
必読書にすべきですよ。
日本の敗戦の歴史を知るという事と、組織で動いて勝利するためには何をしたらいいのか、何をしたらダメなのか、とかね。
よく分かります。
私も若いときにこの本を読んでおけば、世界の見方が変わっていただろうなぁと思いました。
それでは、お読みいただきありがとうございました♪