自民党総裁選考 (original) (raw)

自民党総裁選が行われている時は「地方バラマキ重視、田舎の老人と農民重視の石破さんでは日本経済の停滞が進行するので石破さん以外なら誰でも良い」と思っていたのだが、いざ、石破茂氏が首相になっても急に世の中が大きく変わるというわけでもないなと思っている今日この頃である(ちなみに石破さんのキャラクターは好き)。

政治について書き始めるととてつもなく長くなりそうだし、しゃべっても延々としゃべり続けてしまいそうなのでできれば題材にしたくないと思ったのだが、他に書く内容を思い浮かばないのでやはり先日の自民党総裁選について思ったことを可能な限り短く述べる(結局長くなったけど…)。

毎日のように討論会を行い、一見するとお祭り騒ぎのような雰囲気を演出しながらも、裏では何でもありのさまざまな工作がなされ、権謀術数の限りが尽くされる自民党総裁選ほどおもしろいショーはそうそうないと思うのだが、これが国民の生活に影響を及ぼすのだからすごい。

投票結果が発表される前に署名を行う(先に結果を知った)片山さつき氏ら選挙管理委員の表情、結果がわかった瞬間の候補者の表情などはリアルであるだけにどんなフィクションを超えてしまうおもしろさがあった。

俺は民主党政権崩壊後の国政選挙において消極的にではあるが一貫して日本維新の会を支持して投票し続けているので、自民党には投票しないのだが、俺の志向や維新の会が目指す方向性に近い政策を打ち出しているのは河野太郎氏と小泉進次郎氏だった。

特に河野氏は初めから勝つつもりがなかったためか、一人だけ「現役世代の保険料負担軽減」「金銭解雇」「被選挙権の18歳への引き下げ」「オンライン投票の実施」といった圧倒的正論を述べていてなかなかやるなと思った。

ただし、突破力はあれどもパワハラ気質が疑われる河野氏のキャラクターは現代社会に求められるリーダー像とマッチしていないのにこれまである程度の支持を集めてきたことに驚いていたが、今回はやはり真価が出たかと思った。

キャラクターでも政策でもあれでは支持を集めようがないだろう(俺は断固支持するけど…)。

小泉氏も政策面で自民党支持層に受け入れられないような、「解雇規制」「年収の壁」「ライドシェア」「選択的夫婦別姓」といった改革志向の政策を打ち出し、他にも「ベンチャー株譲渡益税免除」「直ちに改憲」といったことにも言及していて、俺なんかはその政策を見て一気に「こりゃ圧倒的に小泉氏がいいわ。断然支持!」と思ったが、河野氏のように「金銭解雇」と言い切ることができず、またマスコミや他の改革志向の弱い他候補から狙い撃ちにされて発言が尻すぼみになって失速してしまったのが残念である。

勉強と経験不足ゆえに討論能力がないと言われたが、そこに関しては、本当に必要な政策を真正面から述べると叩かれまくるのでだんだんハッキリと言えなくなっていったというのが真相だろうと思う。

まあ、「そうなることは予想ついたよね…」とは思うけど、小泉氏は他の候補者がここまで改革志向が弱いと思っていなかったのかもしれない。

小泉氏の能力を疑問視する人は多いが、俺はそうは思わなかった。

しいて言えば、総裁選の時は調子の良いことを言っていたのに、首相になった瞬間に安全運転に豹変した石破氏の手練手管を見習って欲しかったところである。

俺は日本の30年間の停滞の最大の原因は東洋酸素事件の判決によって「金銭解雇」ができなくなってしまったことに尽きると考えてきたので、ここで小泉氏や河野氏が負けて本当に残念であるが、小泉氏当番の機会を首を長くして待つことにする。

小泉氏支持となる前に俺が圧倒的に期待していたのは、ネットメディアなどで経済安全保障・宇宙・エネルギー方面においてすばらしい発言をしていた小林鷹之氏だったのだが、解雇規制反対だとか、選択的夫婦別姓反対だとか、ライドシェアには慎重といった政治姿勢を見て「日本会議的保守のしがらみがあるし、全然改革マインドねーじゃん!」と思った。

そりゃ選択的夫婦別姓とかライドシェアなんて問題は解雇規制や経済安全保障の重要性と比べたら些事なのだが、「若くて優秀なのにこんなアホらしい価値観引きずるなよ!」と思ったのだ。

林芳正氏・茂木敏充氏・加藤勝信氏の3名は超ベテランかつ超頭脳明晰で政策も悪くないので、誰が首相になっても全く問題はないが、「これまでも十分偉かったのだから今頃になって言わずにこれまでにやっといてよ!」とは思った。

スピードの重要性を訴える小泉氏ではないが、あまりにも速度不足である。

上川陽子氏の立候補は議員生活晩年における記念受験のようなものだろう。

決選投票に残ったのは、全国の自民党地方支部の幹部と飲み会を重ねまくって苦節ウン年で地方老人層の支持を得た石破氏と岩盤保守層の圧倒的支持を得た高市早苗氏で、結局、自民党の二大支持基盤の田舎老人VS岩盤保守層というか、最も改革を拒むような政策を打ち出していた二人の勝負となった。

石破氏は「アジア版NATO」「日米地位協定の改定」「東京・平壌連絡事務所創設」「国防軍を記載する改憲」「防災省の設立」などを打ち出してはいたが、現実的なのは「防災省の設立」のみで他は到底実現不可能な政策(地位協定はマジどうにかして欲しいが、片務的同盟のままでは厳しい)。

今日の所信方針演説でも、上記の項目では防災に関してしか触れていなかった。

そして、お約束通り、低所得者世帯への給付金(4分の3が高齢者)や、地方創生のための交付金の倍増といった予想通りの施策を打ち出した。

金融引き締めや財政再建を口にせず、金融所得課税を早々に引っ込めたように見えたのは良かった。

高市氏の政策は小林氏と近いが、安倍政権の政策の延長である。

決選投票になった際に俺もそうだし、多くの人が高市氏が勝つかと思ったのだろうが、自民党は究極の選択で「石破氏のほうがマシ」という結論を出した。

やはり決定的にマイナスに作用したのは高市氏の靖国神社参拝発言と高市支持層の質の悪さの2つだったと思う。

これによって中道票が離れて総選挙で負けることを議員は怖れたのだと思う。

抑止力を発揮できる軍事力を維持し、常に毅然とした態度を取ることで、中国に舐められたりつけ入れられたりしないようにすることは大切だが、仮にこちらから中国にモノを申すなら、日中両国での中国人による犯罪・反日教育・領海侵犯への抗議といった明らかに向こうに非がある土俵で勝負するべきであろう。

中国はフェイクニュースを垂れ流したり、原発処理水に対して非科学的な批判をしたり、「日本では反中運動が起きているから治安に気をつけるように」と自国民に呼びかけるなど、やぶれかぶれの幼稚な言いがかりしかつけられないところまで追いつめられているのに、「靖国参拝をして中国に救いの手を差し伸べてどうすんの?」と思う。

朝日新聞云々と述べる前に、「富田メモ」による昭和天皇松平永芳宮司への怒りからしても敗戦国としては論点として筋が悪い。

靖国参拝をしてアメリカと韓国および中国との関係を悪くしても何のメリットもない。

対中強硬というのは息まくことではなく、周辺国と連携して中国包囲網を強めることである。

経済政策に関しても高市氏のやり方には問題がある。

仮に首相が「金融緩和・積極財政」と口に出してしまったら イギリスにおいて英国債の大幅下落を呼び込んだトラスショックとまでは言わずとも、(債権国で国債の自国保有率が高い日本では国債売りは防げるかもしれないが、その代償として)円安が止まらなくなることが考えられる。

口に出さずに黙って金融緩和と積極財政を続けた岸田政権は上手だったといえるのだが、それでも円売りには苦労したのである。

そして、高市さんのコア支持層はあまりに怖かった。

多くの人々がトランプ支持者に感じるような怖さを感じたのではなかろうかと思う。

ネットメディアや、財務省を敵視する高橋洋一氏をはじめとするリフレ派論客が意図せずに長年かけて鬼っ子を生み出し、SNSによるエコーチェンバーがそういった勢力の増長の速度を高めているように思える。

学びに学んだうえで「金融緩和・積極財政」や高圧経済について語る人と、学び無しに付和雷同してSNS上で罵詈雑言を浴びせる人とでは天と地の違いがあるのだが、後者は過激な鬼っ子になってしまっていると思う。

あと、年齢別の賛否を見ると、憲法改正もだけど、選択的夫婦別姓同性婚などというのは若年層の賛同率が高いため、いつかは必ず改正されるのだから保守層と呼ばれる方々が粘っても勝ち目がないと思う(「俺の目が黒いうちはダメだ」と粘る老人は別として…)。

日本会議や日本保守党が述べるような価値観は、完全に国内でしか通用しない偏った価値観だし、時代の移り変わりとともに覆されるのだから無駄な抵抗はやめたほうが良いように思う(俺も高校生の頃は完全に右寄りの価値観を有していたし、そういう雑誌を購読して隅から隅まで穴が開くほど読んでいた。今でも「太平洋戦争」とは呼ばず「大東亜戦争」と呼んではいるが、俺の価値観も変わった)。

もし、日本に軍事力と資源と農業力とウクライナ国民やロシア国民のような忍耐強さのうちの一つの要素でもあればまだわからなくもないが、日本ほど脆弱な国は世界にそうそうないわけで、勇ましいことを述べたところで、国力や国民が全くついて来ず、痛い目に遭うだけである。

くしくも自民党総裁選が行われた日に朝ドラ「虎に翼」の最終回が放映された。

昭和時代を描きながらも、フェミニズム・同性愛・内縁婚・トランスジェンダー・性転換といった題材を扱い、評価はさておき、NHKとしても攻めに攻めた作品だったのだが、令和の時代になっても選択的夫婦別姓すら認められていないとは「はて?」と思う。

まあ、俺は無宗教(それどころか宗教を憎んでいる)、愛国心無し、水戸学や明治の皇国史観否定、儒教に批判的、家父長制的価値観の否定、戸籍制度廃止、子の扶養義務は必要だが婚姻制度は不要、皇室の方々は普通の人権が無いのにあまりにバッシングされまくってかわいそうで見てられないから本人が辞めたかったら制度すら廃止して良くね?という超ラディカルな立場なので相当偏っているのだが…。

gooddays.hatenablog.jp

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9月4日。珍しく涼しい日だったので横浜へ。山手には頻繁に行くのだが、この日は久々に洋館に入ってみた。こちらはベ―リックホール

たまにはエリスマン邸に長らくお住まいのくまちゃんに挨拶しておく

山手234番館と横浜市イギリス館にも立ち寄って、最後は山手111番館へ。どこも入場無料なのが横浜市のすごいところだが、平日は閑散としていて見学しやすい

海上保安資料館横浜館の北朝鮮工作船展示。九州南西海域に出没し、海上保安庁巡視船が正当防衛射撃をしたところ、自爆用爆発物で沈没したのだが、1年後に引き上げられた。こちらも無料で見学できる

大さん橋にあの「ダイヤモンドプリンセス」号が停泊していたのだが、大きな汽笛とともに出航した。人の記憶が薄れることのすばらしさを感じた

9月5日。皇居外苑。夏の間はこういう場所にはなかなか出向けなかったのでうれしい

9月8日。晴海フラッグのららテラスのレストランで食事した後、いつもいるミライトワの上にパリオリンピックのフリージュが鎮座しているのを発見。この日の夜にパリパラリンピックの閉会式が行われた

9月9日。浜離宮庭園にてコサギさんが池から魚を引っ張り出してきて魚の角度を整えてから一気に丸飲みした

9月16日。妻の実家に帰省した際に車で美ヶ原高原美術館へ。信州とはいえ下界の昼間は暑いのだが、こちらは標高2,000メートルなので涼しい

さまざまな彫刻作品が屋外に展示されているが、真ん中の顔に小人が貼り付いている作品はかなりユニーク

真下から上を見上げると360度が映し出されたので撮ってみた

八島ヶ原湿原を一周する。この上なくさわやかで癒される

毎年恒例となっているビーナスラインのドライブ

白樺湖にいたカルガモ親子だが、子も親のサイズに…

翌々日に行った浜離宮庭園カルガモ親子も同じく…

9月22日の夕陽は異常な美しさだった。怖いぐらいだった

9月24日。完全オープン後のShibuya Sakura Stage。店舗がフルオープンしていたが、飲食店が充実していた

2ヵ月前にオープンしたばかりの渋谷アクシュへの訪問は初めて

渋谷アクシュと昔からある歩道橋が接続されていて渋谷クロスタワーにそのまま行けたので、かなり久しぶりに尾崎豊の歌碑に立ち寄る。「17歳の地図」の歌詞が書かれているが、18歳の頃に上京して渋谷の大学に通い始めた頃、ここで尾崎の魂を感じようとしていた

9月28日。東京ミッドタウン日比谷にて

9月29日。月島のもんじゃストリートにて交通安全パレード。少しくたびれた感じのピーポくんと張りがある月島忍者もんにゃん。使用頻度の違いを感じる

9月30日の東京タワーのライトアップは赤だった

10月1日。埼玉県日高市高麗の巾着田にて曼殊沙華を見る

完璧な状態の曼殊沙華だった。平日で人が多くないのがすばらしい

奥武蔵自然歩道を歩いて宮沢湖へ至る。森の中を抜け、狭山茶を栽培する茶畑の前を通るのだが、この景色がたまらぬ

ムーミンのメッツァビレッジにも立ち寄り、宮沢湖温泉喜楽里別邸で風呂に入って帰る。昨年の10月2日と全く同じ行動内容だったのだが、大満足